山本芳久のレビュー一覧

  • トマス・アクィナス 理性と神秘

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    神学大全は全く馴染みがなかったが、アリストテレスの考え方を取り入れて新しい解釈をしているのが面白かった。

    味わい深くもう一度読みたい。

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    2024年06月01日
  • 宗教のきほん 「愛」の思想史

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    著者は中世哲学を専門とする東大教授である。本書はカトリック入門または中世哲学入門としても読める良書だった。キリスト教は「隣人愛の宗教」であるが、それは「自己愛否定」で「自己犠牲を推奨している」と思われやすい。しかしそれがいかに一面的な偏見であるかを、本書は丁寧に解き明かしてくれている。意外と類書の少ないテーマであり、キリスト教ひいてはカトリックに関心をお持ちの人にお勧めできる一冊となっている。

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    2024年03月27日
  • 危機の神学 「無関心というパンデミック」を超えて

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    祈る、そして感じること。
    読み直しから始めて改めて原点に戻る。コロナはそれに気づかせてくれたのかもしれません。

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    2023年09月21日
  • キリスト教の核心をよむ

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    キリスト教って大きい宗教で、歴史上ではたびたび戦争の火種になったりしていて、カトリックとプロテスタントがなんとか…キリストが3日後に蘇って、聖書があって、なんか教会でミサする?
    20代後半に差し掛かるタイミングでこんなことじゃいけないかもしれない!と思い、1番わかりやすそうだったのでこちらを読んでみました。
    そもそもキリスト教とは、聖書とは、そしてその教えの本質とは、といったことがとてもシンプルにまとめられています。なんといっても回りくどいことが書いておらず、飽きないうちに読み終わるボリュームが良いです。巻末に推薦書も載っているので、これを足がかりに気になった部分から今後も少しずつ知見を深める

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    2023年03月15日
  • 宗教のきほん 「愛」の思想史

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    宗教的なエッセンスをふんだんに含みつつも、哲学者や歴史家からみた愛というものを取り上げている。

    気付かされる事も多く、また歴史的意味でも興味深いものだった。

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    2023年01月14日
  • 世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―(新潮選書)

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    感情が受動的なものであるという点、東洋哲学や心理学と共通の何かがある気がする。
    感情が生まれる過程を微分し解きほぐす説明に、感情の嵐に巻き込まれないヒントがありそうだ。
    心理学やらが新たな発見だと言っているようなものと近いのではないか。心の本質的なところは、すでに遠い昔に観想されていたのだなあ。

    印象的な言葉
    ・感情passioは英語のpassive受動的の語源。passioは外界の影響を受動して生まれてくる心の動き全般のことを指していてそれをここでは感情と呼んでいる(p38)
    ・トマスの感情論を手がかりにすることによって、恐れと絶望は対象を異にした根本的に異なる感情だということがわかってき

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    2022年11月30日
  • 世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―(新潮選書)

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    情動の根源は愛であり、愛がなければ感情が無くなり、世界に対して無関心になってしまう怖さを感じた。適切な情動は、どんなものであれ、善い感情であるという考えは勉強になった。悲しいという感情も、適切なものであれば、善いものなのである。

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    2022年02月22日
  • トマス・アクィナス 理性と神秘

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    本屋でタイトルに惹かれて衝動買い。キリスト教嫌いが多いこの国では珍しい「神学者トマス・アクイナス」の入門書である。一般には無視されがちな「神」や「天使」の問題にも正面から扱っているところに好感が持てる。個人的には特に第三章の「徳論」は大いに知的刺激を受けた。近代のカトリック思想に大きな影響を与えた神学者であるだけに、”カトリック入門”としても読める一冊だと思う。

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    2019年07月12日
  • NHK「100分de名著」ブックス アリストテレス ニコマコス倫理学 「よく生きる」ための哲学

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    万学の祖 アリストテレスの著書「ニコマス倫理学」の入門書。今読んでも全く古くなくて、むしろ今の時代においてさらに輝きを放つ古典中の古典。何度も読んで、その都度新しい発見や気づきを得られる、これが古典を読む醍醐味ですね。

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    2025年08月27日
  • キリスト教の核心をよむ

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    ネタバレ

    キリスト教初心者にはすごくいいのではないかな、と初心者は思った。ゆったりとした語り口調で、それこそ教会で説教を聞いている気分になってくる。
    キリスト教という膨大すぎるテーマを、「旅」を軸に据えて噛み砕いていく本書。「神とはどんな存在なのか」や「キリスト教は現在においてどんな役割」があるのかというところまで話が広がっていく。
    個人的に驚いたんだけど、「アブラハムには7人の子」って歌、神から最初に接触されたアブラハムだったのか。アブラハム自身は何も主張せず、善人でもあり悪人(というか過ちを犯す人)でもあり、けれど主を信じるという態度の人らしい。だからユダヤ、イスラム、キリストの3つの宗教それぞれに

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    2025年04月03日
  • 世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―(新潮選書)

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    善(よいもの)に導かれた愛(好きという気持ち)がすべての感情のもとになる、というトマスの感情論をひも解いていくことで現代の私たちの生活をも照らそうとする内容。キリスト教神学の視点はほとんどなくて、宗教に抵抗のある一般層向けになっている。私は自己啓発的な話ではなくて神学のほうが読みたかったので肩透かし感はあったけど、トマスの雰囲気はなんとなく掴めるようになった気がする。精緻でありながら、アリストテレスらしい有機的な解釈、明るい哲学。
    神学大全の文章をものすごくかみ砕いて説明してくれて非常にわかりやすかった。

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    2022年04月10日
  • トマス・アクィナス 理性と神秘

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    トマスという人物は中世キリスト教の支配する思想の中でアリストテレスの合理性を結合させた開明的な人物という印象に改められた(というか歴史に一行以上には知らなかった)。また、凄まじい大著である神学大全ですらトマスの全著書の7分の1であるに過ぎず、アリストテレスや旧新約聖書への注釈、様々な同時代人との対論を残しており、40代で亡くなったことを考えると歴史的な知の巨人であったことがわかる。が、現代から彼の思想を見る意義は、著者がいろいろとこの新書の中で述べているが、アリストテレスの合理性とキリスト教の神秘性を合わせただけでなく、昇華させたところに意義はあるように見えるが、それ以上のところは私には理解で

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    2018年01月28日