マニャ子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
シリーズ17作品目。「作家さん、やりたい放題だな(いい意味で)」と思った。
本の中で、核となるアイデア自体は、むしろ作品のファンが、二次小説なんかでやりそうなネタで、それを本家が先にやっちゃうあたりに、この作家のサービス精神をヒシヒシと感じる。
そういう意味では、決してネタに意外性があるわけではないんだけど、ライトノベルのいわば「お約束」をうまく使っている感じで、しっかりと面白い作品に仕上がっていて、最後まで楽しめた。
本当に器用な作家だと思うし、面白くなりそうなネタをあの手この手で作品に盛り込んでいくサービス精神に、山田風太郎っぽいなと改めて感じた。
もっと、一般向けの作品も手掛けてくれると嬉しい。エンターテイメント系の作家としては、かなり腕のある作家だと思う。 -
Posted by ブクログ
第一部最終回に相応しくメンバー総出演で取り敢えず大団円だった。
それにしても15巻もやってきて第一部ってなんだよ!笑
副題が「真祖大戦」なので古城と他の真祖との派手などんぱちがあるんだろうと思っていたら、そこはちょっと肩透かし。
まあ、あれだけずっと伏線貼ってきたんだから、やっぱりヴァトラーとの決着を付けないことには終われないよね。
そういう意味では予想通り。
そしてアニメでも匂わされた暁の帝国誕生話でもあった。
個人的には今回のハイライトは浅葱さんのアレ。
浅葱応援団の一員としてはようやく、最終巻にしてようやくだよ、浅葱さんが古城に血を吸ってもらってホントに良かった。
いやだって最後まで不憫なままで終わるかと思ってたよ。
ちょっとエロくて嬉し恥ずかしなのもグッド。
うん、良かった(笑)
そんでもって、これまだ続くのか?
ならば、できれば10年後ぐらいに古城ハーレムが凄いことになってるところから始めてほしい(爆)
期待してます。 -
Posted by ブクログ
上巻のレビューとこちらのレビューでトータル。
ちょっと二冊にまたがる書き方をしてしまいました。
文学少女の時もそうでしたが、好きなもの
美しい物への賛美の表現が野村さんは本当に
お上手です。
今回それはお菓子の描写で遺憾なく発揮されてて
私達をうっとりさせてくれます。
無駄なものの中に、素晴らしい物がいっぱいある
というロクサーヌの主張は、ほんとに我が意を得たり
でしたし、チカラで敵を屈服させるのではない戦いも
かえって熾烈な緊張感があって私は好きです。
ファミ通文庫の主な読者さんは男性でしょうから
迫力に欠けるという声があるのだと思いますが
これ、女の子が読むと最高にツボるお話なのです。
寡黙で一途で秀麗な戦いでは頼りになる主人公が
夢の様なお菓子を通して、恋い慕う若き女王の
知略を支える。
不自由な身体を物ともせず、美貌と心優しさと
賢さで大国と渡り合うヒロインとの
結ばれぬかに見えて終生不滅の愛。
最高に楽しかったです。
はっきりと上手く行った!ってお話だけを望まずに
ちょっとそういう目線で読んでみてください。
最高ですから。
宝塚で上演してくれないかしら…。 -
Posted by ブクログ
わーわーと騒がしいお話を盛り上がると解釈したらつまらないかもしれませんが、これは架空の歴史ファンタジーなので端正な筆致が似合います。
フランス革命から第二帝政までのフランスをモデルに描かれてると思うのですが、ヒロインの女王と無口なパティシエの主人公の青年、実はどちらも情熱家で、深い愛を胸に抱いて、信念を持ってると思います。
列強に挑む若き病弱の女王と退役軍人の怜悧な若者。どんなに想い合っても結ばれることはありません。しかしわかりやすいハッピーエンドだけが幸福の形ではないので、これはこれで良いのかと。(ネタばらしになっちゃうので細かくは書きません。ちなみに下巻も読み終わりました。)
狂言回しである劇作家オーギュストは、いつもの野村作品の雰囲気から、シリアスでロマンティックな今作の橋渡しをし、アルジャンが本当は優しい青年だと読者にわからせるのがお仕事なので、彼を主人公だと思って読み進めるとアテが外れます。
このお話が面白くなかった方は、世界史のフランス革命から第二帝政までとウィーン会議をおさらいなさってから、ロクサーヌやアルジャンが本当にいて、智謀で敗戦を乗り切ったとご想像あれ。
ぐっと面白くなりますよ。 -
Posted by ブクログ
第四真祖と呼ばれる世界最強の吸血鬼になった高校生と、その監視役として某組織から派遣された槍使いの少女が、洋上の人工島で様々な陰謀に巻き込まれる話。
ふだんはとりえのない男子高校生が、少女の血を吸うことで本来の力を発揮するあたり、吸血鬼ものの王道を行くような話。だが、登場人物どうしのやりとりや感情の揺れ動き、ストーリー展開は、これまでいくつものタイトルを手がけてきた作家の作品だけあって安心して楽しむことができた。
吸血行動は体のいい性行為だとつねづね思っていたが、この作品では、主人公の吸血衝動を堂々と「性欲」と書いてしまっているところが潔くて好き。あとは、登場人物の多くに裏があって、今後、主人公は周りの人を信頼するのが大変になるだろうなあと思った。