鶴谷香央理のレビュー一覧
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ネタバレうららが即売会向けの本を書き上げ、即売会が始まる、まで。買う側から売る側への変化。熱を帯びていく感覚。
雪さんの友人たち。うららは友人たちにも自慢したい存在。
(これを仕上げて、印刷して、人に売る? 市野井さんと一緒に?)「…正気か?」あとから振り返って気が狂ってたとしか思えないこと、あるなぁ、あるよ。
前巻で「工場を閉める」と言っていたのは印刷工場の人。「でも、綺麗ですよ、オフセット印刷」うららの戸惑いも理解しつつ、雪さんの気持ちも汲んで、そっと背中を押す言葉。
予備校をサボって漫画を描くことは「楽しくはないけど、やるべきことをやっている感じがする」。提出し終わると「楽しかった」と言える -
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ネタバレ読んでいて、年齢、社会階級などの違いがいい方向へ作用する可能性に期待してしまう。
「また今度があるじゃない」という言葉の切なさ。雪さんの体力的な面でうららが気づかうこともわかるし、年齢的な面での「『今度』がちゃんと来るよね……?」と考えてしまうこともしてしまう。
花江さんの夫もいい人そうだ。「ユキさんはタフだよ」
雪さんの夫には工場の経営者のような信頼のおける友人がいたようだけど、雪さんにはそういった友人がいなかったんだろうか。「今じゃ嘘みたいだけど」という言葉には、うららをそういった友人だと思っていると受け取れるような含みがある。「女二人で盛り上がれる」。
『今日には今日のため 明日には明日 -
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即売会行ってメンタル落ちることはあるある。そのまま帰ったときの後悔を想像して気持ちを持ち直すんだよ。
「派手なタイプの金持ち」が対比として登場するけど、雪さんは生まれついての上流階級なのかな。
花江さんも紡もいい人。受け入れる。継続して登場する人物はいい人。英莉ちゃんはどうだろう。この中では「上昇しようとしている人」として描かれているのかな。
『家も歳をとる』その通りだ。
『人って 思ってもみないふうに なるものだからね』内側がバラの模様の傘のように。
しめ縄のような三つ編み。『最後に笑うのは多い人ですから!』
『最後まであの家で暮らそうと思ってるの?』 -
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老婆のメタモルフォーゼ回でした
冬コミの誘いを無かったことにした女オタクが、再び声かけるまでを描いた巻です
作中の商業BLがもつれるのに並行して、女オタクと老婆に距離があきます
縁を無かったことにするなと寄りを戻す商業BLを読んで号泣した女オタクは、老婆に冬コミに誘い直しました
商業BLの展開は、女オタクと幼馴染の恋愛の比喩かと思っていたので、老婆との関係性を描いていたのはまさかでした
老婆夫婦に融資してもらっていた老人が出てきて、未亡人の過去も少し掘り下げられます
旦那たちが盛り上がってる横で冷めている老婆を描いたのち、部屋に明かりを灯してストーブを炊いて、花壇に苗を植えるという暖かさの -
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今回の年の差58才の友情は、ちょっと停滞ぎみ?
おもに、歳下で高校生のうららの側の、事情や迷いによるものだけれど。
高校生らしい、進路のことを考えるともなく考えということもあり。
それよりも、歳上の雪のことを老人として思いやってしまったばかりに、一方的に気づまりになり。
雪さんが、お豆を煮ながら、買い物に出るタイミングをはかったりするようす、よくわかります。
ひとりの生活だけれど、きちんと生活しようとするときもあり、体がついていかなくて、少し面倒に感じるときもあり。
でも、毎月の月刊誌の発売を楽しみにして、待ちながら当日を迎える、ワクワクも知っている。
そういうワクワクって、年齢があが -
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ネタバレ売れないから撤収しよう、と思った時に
買って貰えるのはびっくりするけれど嬉しいだろうな。
お財布に入れて間違えて使わないように
とじんわり喜んでいる様子が微笑ましい。
自分の為にやることはなんだか盛り上がれない
というのは分かる感覚だ。
ちょっとの時間だけれど、
LINEで済ませるのではなくてファミレスで
感想を言い合う感じが可愛らしい。
見送りに行かなくていいよね?という問いに、
おしゃれしてるし本当は行きたいのではと思って
いいえ、と答えて背中を押してあげるうららさん。
用事があるのに品川まで着いて行ってあげるのが優しいし、
つむっちが甘え過ぎたとかありがとうとかちゃんと言えるのも好 -
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ネタバレ
再読中
わりとしっかり、うららさんの高校生としての青春マンガをやっている。「将来」の見えなさ、信じられなさに漠然と悩む17歳の生を、対照的な「将来」観を持たざるを得ないお婆さんの存在によって浮かび上がらせている。
雪さんからお皿を貰った重みを恐れるボウリングのシーンがすばらしい。アイスとの対比
うららさんのところの母娘関係も、雪さんのところの母娘関係も、いい。母からしたらいい子だよなぁうららさん。海外で結婚した雪さんの娘さんも、めちゃくちゃ母親想いだ。
夫と近所の町工場の男性とのあいだで借金のやり取りがあったことに、内心「けっ」と思っていたと雪さんが回顧するところ、むずかしい。