清田隆之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【年代を問わず、生きづらいと感じている男性に読んでほしい】
以前、西井開さんが書いた『「非モテ」からはじめる男性学」を読んだときに、本書の著者清田隆之さんの著書が引かれており、興味をもった。
マジョリティ男性の語りに耳を傾けてみることで、「一般男性」の存在、実像、内実を考えていこうというのが、本書のテーマだと感じた。
読んでみて、「自己開示」って何のかなって考えた。
本書の中に、心療内科に通う男性の話が出てくる。そこで彼は「意識的に自分語りをすることの大切さ」を語る。
この話は、僕の中でもストンと落ちた。
小説や映画では登場人物が、赤裸々に自分の生い立ちや悩みを打ち明ける場面がある。そんな場面に、目が奪われる。
なんでもいいのかな?
自分の思っていることを、そのまま、思いのままに話すことが「自己開示」になるのかな。
それを受け止めてくれる人って、果たして自分の身近にいるのだろうか?
きっと僕も「一般男性」の一人だろう。
本書に出てくる10人の一般男性とは、まったくと言っていいほど似つかわしくない人生を歩んできているが、自己の言語化に、これからはもう少し真剣に向き合ってみようと思った。 -
Posted by ブクログ
著者が男子高生だった時代に「世間からまったく興味を持たれていないことを痛感し、自分はあまり価値のない人間なのだろうという感覚」を持ち、「内面には興味を持ってもらえなかった一方、結果や実績、役割や能力といったもの(=doing)で人間を計られている感覚」だった
→「そんな中で、自他のbeingに関する観察眼や言語化能力が育たず、知らぬ間に「気づかない男たち」になってしまっていたのではないか」
という視点が、男の人でないとなかなか気づけないもので、なるほど感じた。
「doingにしか興味を持たれないし、自分も他者のdoingにしか興味を持てない」男性を作り出さないためには、恋人や家族など近しい人の一人一人に、女性がよく話し、そして、話を聞くべきなのではないかと思った。
男性の「気づかなさ」が育ち方からくるものから、女性は最初から諦めてはいけないし、男性も歩みよってきてほしい。 -
Posted by ブクログ
女性が疑問に思う(苛立ちや不満)男性の代表的リアクションを集めた本。男女の認識の齟齬を解消することを目的としている。ジェンダー観のアップデートという側面もあり、内省するのにも役に立つ。
男たちの「失敗学」とは、男性の具体的な行動、行為、態度、発言が女性から見て疑問や問題に感じるものを指す。例えば、女性が男性に対して「話を聞いていない」と感じる事例である。これが問題となるのは、男性側としては相手の話に耳を傾け、会話ができていると思っていても、女性側から見れば、不要なアドバイスを送られたり、励ましてほしいだけなのになぜか説教の話になったりという出来事である。これらの原因は、男女の「話を聞く」の認識の違いにあり、女性が思う「話を聞いている」とは、「ちゃんと相手に話が届いた」という感覚であり、「相手と同じ景色が見えている」と感じるときにあり、男性はそうでないことが多いためと本書は分析している。上記の出来事を解消するためにそういった見方のズレを炙り出した上で、解決策を論理的に提示している。
全員が当てはまるわけではないにしろ数多くの男性の不満に関する「あるある」が寄せられるのは、それだけ誰の身でも起こり得る出来事なのだと理解できる。だからこそ、より心地よく誠実なコミュニケーションを考える必要がある。「よかれと思ってやったのに」なんてならないように身を引き締めていきたい。 -
Posted by ブクログ
"昭和のおじさん"たちに投げつけたくなった!!笑 (※本は大切に扱いましょう。)
そもそも男女とかって、区別つけるのはあんまり好きじゃありませんが、わかるなぁって思うことたくさんあった。
そして、ああ、なるほどな、そういう感覚だったのかって理解して、こちら側もどう接すればいいか考えるきっかけになる本だった。
でも、というか、なんか女性であるわたしのほうが、耳が痛い話もあって、少し反省しました笑
相互理解。相手を理解するって、本当に大切。
個人的には、女性の身体的なことをもっとたくさんの知らないひとたち(男性)に知ってほしいなと思う。切実に。 -
Posted by ブクログ
素晴らしい。
わたしたちが長年感じていた不満を理解しようとしてくれているし、実際してくれているし
ものすごく頭にくるエピソードもあるけど、それを認めた上で、なぜそういう考えを持ってたかとか、どうして改めなければいけないか、具体的にどう変わるべきか、
そういうことを考えて(くれて)いる。
そっか、だから"男の人"って、そういう行動をとってしまっているんだ、って納得できたこともたくさんあった。
自分のことを"男性"だと思っている人に、繰り返し読んでほしい。
コミカルだけど、
日常のジェンダーに関する、バイブル本になるくらい、深い本だと思う。 -
Posted by ブクログ
近年、フェミニズム、#MeToo、#KuKuu、など、ジェンダー平等が大波となって、社会現象となっているが、男性からの発信はあまり多くない。著者は、自身の成長過程での違和感をふり返り、桃山商事の活動を通じて女性たちとの対話、ニュースやカルチャー、多くの文献を通して、男性の視点でジェンダー平等を考える。「男だから」といって与えられた特権や優越感を内省し、自身のこれまでの言動や行動、心の揺らぎを赤裸々に語り、ジェンダー平等を多面的に捉える。性的同意や生理にかかわる男性の知識不足と無理解、そして自民党改憲草案からジェンダー平等がいかに脅かされているか、など幅広く考える。最後に「高度に発展した資本主義社会と人間の関わりを学びたい」として、これからの自身の生き方、パートナーや双子の子供たちとの関わりを展望する。
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Posted by ブクログ
男たちはどうしてこうなのかー。
1200人以上の恋バナを収集して見えてきた「男性」の実態。
さようなら、という言葉は、「それならば」という接続。現象を受けて自分はこうしよう、という心の構えから来ている。という冒頭の文、再読するとグッとくる。
男性である自分のこれまでの言動と感情を細かく細かく観察して分解していって、その加害性、履かされてる下駄を認識する途方もない作業、辛すぎるでしょ…。それをやってくれる男性がいることの希望よ。
ぺこぱの「優しいのに面白い漫才」、説教したがる男たち、コンビニのエロ本、ナイナイ岡村の風俗失言、公共の場のやたら性的なアニメ絵、コロナ離婚、女子小学生から既に呪いをかけられる「モテる会話のさしすせそ」、、、近年Twitterでもよく話題になってた事柄が盛り込まれており、今読んでよかったなと思った。20年くらいしたらどんな印象になるんだろう?
同じ内容でも、男性がこういう事を提言するのは本当に希望。女性にとってだけでなく、ホモソーシャルに囚われている男性にとっても。
読んでほしい人には読まれないかもたけど、それでも少しずつ意識が変わって時代が動く様に、火を灯しつづせていきたい。
性欲を因数分解していき、そのいくつかは、「お茶をすること」で解消されるようになった下り、新鮮だった。
女性の生きづらさは近年耳を傾けられるようになってきて、「そうそうそう」とうなずくことが多かったけど、男性も男性なりの辛さがあるんだよな。女も男も、みんな辛いよね。想像力を持って、優しくしたい。
関係ないけど編集の会社が実家のすぐ近所で親近感。 -
Posted by ブクログ
息子たちにこういう精神や態度を身につけていってほしい。
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"女性たちの声と向き合い見えてきたのは、男性たちの言動自体もさることながら、それについて意見交換しようとした際に直面する「話の通じなさ」に最も絶望していたということだ。"(p.131)
"知るのはつらいし、考え続けることは時に疲れる。それでもフェミニズムは男性にとっても必須なものだと思う。それは男たちを無意味に糾弾しているものではないし、ましてや“被害者”にして甘やかすものでは決してないのだ。"(p.148)
"男性たちがジェンダーの問題に意識的になり、これまで気づかなかった性差別の構造に目を向けたり、男性が履かされている「下駄」や自らの踏んでしまっている足について自覚したりすることは、絶対に必要なことだ。ただ、そのプロセスで発生し得る「加害者性」にまつわる悩みや苦しみをどう考えればいいのかに関して、私はまだ明確な答えを持ち合わせていない。"(p.208) -
Posted by ブクログ
主語を大きくして語ることは、時にそれに当てはまらない人の否定に繋がりうるだろうし、そうは言っても人それぞれだよね、というのが基本的な私の考えではある。
けれど、この本を読み通していく中で、やっぱり男性という括りでみたときに本質とまではいかずとも傾向として持ち合わせているものはあるだろうなと感じずにはいられなかったし、また、男性ということで知らず知らずのうちに得られている特権に対して無自覚である自分にも気付かされた。
内容自体は著者が各媒体で書いてきたエッセイを再編集したものということで、全編でワンメッセージというよりもライトな入り口(著者自身の恋愛経験をベースにしたものや、映画や漫画のサブカルを切り口にしたもの)から日本という国におけるジェンダーのあり方を問うものまで幅広い。
個人的にはdoingとbeingの話、性欲に対する見解の話が印象に残っている。
スキルやお金、偏差値やフォロワー数、何かを持っているか持っていないかで評価されるdoingの世界。もちろん、そういった定量的に可視化できる部分も含めて人間ではあるのだけれど、もしかしたら、そちらの世界に偏り過ぎているのかもしれない。もっとあるがままを受け入れる社会であってもいいんじゃないかという話は、しばらく考えたいテーマになった。
そして、筆者の性的嗜好をオープンにしてまで考察をする性欲に対する考え方。一口に性欲と言っても、そこに含まれるものは多様で、決して単純な肉体的快楽だけを指すものでは無いという指摘と、個人的な性的嗜好の裏側には本人に根付く願望や環境があるのではという指摘。そうやって深掘って考えてみること自体に価値があるんだろうなと思えた。 -
Posted by ブクログ
表紙とパラパラめくってみた印象で「サクサク読めそう」と思いきや、なかなかどうして色々振り返ったり考えさせられたりする箇所が多く、読み終わるまでに時間がかかりました。
その分、読後の達成感(?)もたっぷりです。
「女性が感じる男性への不満・不思議」が軸になっていますが、同性(女→女)に感じる不満等と男性に対するそれは確かに質が違うことが多いなと気づかされました。
これまで「男はこういう生きもの」と巷でよく聞くような事象も「へぇそうなんだー」で勝手に完結させて、「なぜそうなのか」まで掘り下げて考えたこともロクになかったので、一つ一つの行動理由が明文化されているのが面白くてたまりませんでした。
何より小難しい行動分析ではなく「あるある」ネタがとっかかりになっているのが良いです。
個人的には「釈明の4タイプと判断フロー」「サプライズ・ディズニーの悲劇」「ホモ・ソーシャル」の項目がとりわけ面白かったです。
そして「無自覚」ということはつくづく恐ろしく、どうしたら無自覚を自覚できるのかとか読後も悶々と考えさせられています。