清田隆之のレビュー一覧
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自分は男性だが、男性とのコミュニケーションのときにホモソーシャル的なやり取りにうんざりすることが多いと感じていた。だが、同時に自分のなかに時折マチズモめいたものが頭をもたげる瞬間も感じるときもある。
以前読んだグレイソン・ペリーの『男らしさの終焉』を読んだときは自分ごとに感じつつも著者がイギリス人で、これは自分も同意するなと思う部分もあれば、これは日本では感じないかも、という部分があって、日本人男性向けの”(有害な)男らしさ” についての本があったらなー、なんて思っていた。
本著はまさにその日本人の男性向けに男性視点から書かれた著作(聞き手は女性である)で、自分もよく見たり聞いたり、体験する話が多かった。
ここに記されている話題自体は比較的よく目にする耳にする話ではあるのだが、それでも意識的にならないと変わらない。自分も反省する部分や、改善していきたい、アップデートしたいと感じる部分が出てきた。 -
Posted by ブクログ
・自分の感情や体験を言語化することに慣れていない男性が多い
・そもそも男性同士の友人間コミュニケーションでも自分に関することの話は少ない。いじる/いじられる、片方が優位に立つコミュニケーションが多い
・加害は日常と地続き。暴力というほどではないが抑圧され支配されていた日常の経験から地続きにある。自分が抑圧される側だったときは嫌だと感じているはずなのに再生産してしまう
・ケアは(資本主義からみて)生産的ではない、というのは間違い。人間という資本のケアであり究極的に生産的と言い切ってくれるのは気持ちよかった。その通りと感じた。
・非モテ=未達感。本来は女と付き合って一人前、仕事して一人前、という理想に囚われているがそれに到達していない自分の足りてない感
・マジョリティは何かの原因を自分以外に押し付けることかできる特権
★時間がなく急いで読んでしまったが良い本だった。女性の私が感じる疑問は澁谷さんが代弁してくれるのがわかりやすく、理解が進みやすかった。
自分の男友達を思い浮かべてもそのとおりだなーと思い当たることが多い。
構造としての男中心社会は間違いなくありそれは崩していくべきと思ったが、構造の課題が見えているからと言って男はこう!原因はこれ!と決めつけることなく個人を見ていくことが大切と感じた -
Posted by ブクログ
この本を読む前にたまたま、セジウィックの「男同志の絆イギリス文学と~」という本を上野千鶴子さんがTVで取り上げているのをたまたま見ていた。その番組で作られた社会のシステムのようなものを取り上げていて、なるほど、と思って見ていたのだが、全部読まなくてもセジウィックが書いた男社会の仕組みのようなものを、知っておくのは良いことだと思った。
その上で、この本を読むと、問題の根深さは相当に深刻である。というのも、これでは、人と人との結びつきのきっかけのなかにそもそも問題があって、それを意識できるかできないかが影響するからだ。社会そのものの作りは、空気のように透明で、そうと思わなければ意識できない。意識したとたんにそれは内向しもはやそれは傷である。そして、わかるかわからないかは、その人の感性により、言語化できなければ、傷つきながらまわりを傷つけることにもなるのである。この世に生まれ落ちたとたん何の前知識もなく人間関係にさらされ、刷り込まれる人間関係である。読む前に、実はもっとやわらかい読み物と勝手に思っていたのだが、内容の詰まった本でおそらくフェミニズムで語られることの問題の裏からの問題の見方に重なるところも多い。 -
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一般男性10人が自分のことを語る本。
正直こういう本はあまり見ないよね
って言うか、
需要があまりないよね、と。
健常者で異性愛者でシスジェンダーな男性は、それだけでマジョリティ。
マジョリティの話なんか聞いても、面白くもなんともない。
…ふつう、そうでしょ?
しかし、
この本はとてもおもしろいかった。
それぞれの人生におけるサラリーマン生活、コミュニケーション、処女信仰、ED、マッチングアプリ、不妊治療、DV、シングルファザー、マウンティングやマンスプレイニングなどについて淡々と語る。
みんな、生きづらさを抱えていて、その生きづらさの根幹は多様なようでいて、実は同じもののような気がして、それはなんだろうか?
と、考え込んでしまった。
一言で言うと、マジョリティに必死でしがみつく悲哀…というか。
男って、がんばって生きてるんだけど、ほんとにキモいんだよな。
どうしてもそのキモさから抜け出せないところが哀しいんだよな、と思いました。
まあ、そのキモさから距離を置けるうらやましい男もいるわけですが…それは例外。
オトコゴコロを知りたい女性に特におすすめ。
幻滅するかもしれないけど。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ女性の男性との恋愛に関するの悩みや不満をアンケートする団体のメンバーが、あるあるな内容を取り上げ意見を述べていく構成となっている。冒頭には著者自身の自戒の言葉も添えられており、その思いに激しく同意する自分もいるというテンドンを続けながら興味深く読み進めていけた。
目下悩んでいるからか「話し合いできない男たち」の単元が自分のことを言い当てられているようで、身が引き締まる思いだった。
話し合うは双方向であることが大原則、お互いの意見を交換するところに話し合いの本質がある。切り出すのが常に女性側だったり、自分の意見を述べなかったりというのはこの原則から外れる。
「責められている」と感じる傾向がある。相手の言葉を的確に理解し、自分の内面を言語化する力が求められ、能力不足から面倒くさいと投げ出してしまうのか?他の書籍だけど、男性はどうも自分自身の内面に対する解像度が低く、身体や心に感じていることをうまく言語化する能力が女性に比べ劣っているのではという指摘がある。自分を省みても、その性質は多分にあるかなーと納得。
女性は「目前の問題に対して意見を述べ合い、そのすり合わせを図る行為」、男性は「相手の期限をなだめるための行為」として話し合いを解釈している。ここに齟齬があり、一旦険悪な関係が緩和されても、根本的な問題解決には何一つ発展していないのだから、寧ろ問題は深くなっている。これは、もう。。。はい、その通りでございますと首肯しかない。
全体的に感じたのは、男性性の社会的優位にあぐらをかいてどうも対話や感情の表現の機会や修練を怠ってきた男性像というのが一貫した問題で、そこに自分自身も含まれていることに問題があるのだなと。環境や相手への共感があれば、一旦立ち止まって行動や発言を修正するチャンスが生まれる。そう念頭に置いて日々過ごしていく気概を持つのだ。
各専門家との対談もアカデミックに男性を研究されている内容を触れることができ、非常にためになる。須長先生のホモショーシャルでの存在証明を得るためのからかいと人格テストという指摘は、今でも自分もこの手法を使用しているなと気づかされた。適度に攻撃し合いながらの、上手い返しで盛り上がってくという雰囲気は本当にいつでもある。対象となっているときは気分が悪く嫌気がさしていることが多々あるのに、する側となっているときは何か良い連帯感や優越感などを感じてしまっている。何かいびつな関係性なんだなと認識を改めさせられた。
表紙はキャッチーでライトなエッセイ本かなーと思ったけど、清田さんは主観を断定することはなく各種専門家の意見や研究内容などを参考に意見をまとめてらっしゃって、非常に好感が持てる内容だった。 -
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タイトルの「一般男性の話」にひかれて手に取りましたが、目次の最後に小さく
「発言の一部に暴力的、性差別的な表現があるため、フラッシュバックなどの可能性がある方はくれぐれもお気をつけ下さい。」
とあったので、少し構えつつ読みました。
フラッシュバックこそなかったものの、パートによっては読み終わって気持ち悪さというか、怒りとも嘆きともつかない何とも言い難いザラッとした嫌な気持ちになりました。
一見、これまでの行いを省みてこの先の軌道修正をはかろうとしているようにとれるインタビューも「これ、根本的にはそう思ってないんじゃない?」と行間から勝手に感じてしまったりしたのは、私がどこか穿った姿勢で読んでいたからなのか、はたまたそうではないのか…。
毎回清田さんの感想が最後にあり、そこで都度モヤモヤを整理しながら読み進めていった感じです。
「男性は集団内でのポジションを重視する、女性よりもその傾向が強いと感じる」と評した部分と「human being と human doing」の話が印象に残りました。
読後感は決して良くないですが、普段ジェンダーについてほとんど考えてないでいるような自分が「男性性」についてちょっと真剣に考えてみるきっかけになりました。 -
Posted by ブクログ
清田さんの最新刊、一般男性10人の自分語りを収録。
正直言って、全然共感できない語りばかりで気分悪くなってしまいました笑。常々男性の不可解行動に悩まされてきたけど、本人の口から解説されても、
なるほどわからん、っていうのが分かった、笑
出てくる人みんな、悩みや失敗を語ってても、根底に「自分大好き&自分は一番」っていう謎の自信が透けて見えて、それが気持ち悪い原因だなと。
いや、自分語りなんだからある程度しょうがないのはわかってる。でもあまりにも他者が軽視されてるっていう印象が、どの語りからもするのが不思議よね。彼女や妻や上司や友達の話が出てきても、なんか薄っぺらいんですよ描写が。
デフォルト設計で、自分と比べて上か下か、みたいな捉え方しかできない悲しい生き物なんだなーっていう感じがしました(言い方ひどい)。
でも何人かはそういうマジョリティ男性の視点に気づいて、修正測ってる感じもあって、それはよかったなと思います。まぁあえてそういう人を選んだんだろうけど。。。
一般男性はこの本読んだらどう感じるんだろう、それは気になるなぁ。みなさんぜひトライしていただきたいです。