清田隆之のレビュー一覧
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ネタバレかいつまんでしか読んでないけど、印象に残ったのは
・ナンパ師が声をかけまくるのは、人に断られるのに慣れるため。そうして断られて耐性をつけていくのだが、ある意味それは人を人として見ない不感症。コミュニケーションはお互い探り探りが丁度いい。
・かけっこでも、勉強でも、俳優でも、音楽でも、あらゆる分野で自分と他者を比較し、負けても勝っても自分を受け入れられない人。ドラえもんは出木杉だけじゃなくのび太もジャイアンもいるから面白い。優等生だけなんて見てて面白くない。比較もほどほどに。
・男は正統派orアウトローで勝ちたがる。正統派で勝つほどの力もないし、アウトローになりきる度胸もない人はいわゆる普通の人。
もっとちゃんと読めば、色々転がってるかも。 -
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ややまわり道の多い文章で始めはめんどくさい、と思っていたが、読んでいるうちに不思議とすんなりと読めるようになっていた。自分がマジョリティ側にいること、それに気付かなかった愚かな自分と慢心しないように細心注意を払う著者の丁寧な人となりが文章の中に現れていたからだと思う。マジョリティ男性から多々傷つけられ、憤りを覚えていたが、そういう男性にも抱えるものや傷ついてきた故の、プライドや責任があるのだとよく分かった。(だからと言って許せるものではないが)男性同士の関係性がbeingではなくdoingなことや男のファンタジー消費はとても納得。清田さんたち、桃山商事さんのことを、もっと知りたくてポッドキャストお気に入り登録しました。
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最新作が不発という口コミもあり、あまり期待していなかったがなかなかに鋭い本。「さよなら」という言葉(一から、改めてという意味を含む)からの出発も素敵だった。
being doingの言葉遊びはピンとこないところはあるが、ただ「いること(存在すること)」の大切さはいくら言っても言いすぎることはない。
本書を見てしこりが残るのは、なぜ清田さんは「ウォーク」できたのか?最近そのことを考えていて、清田さんの場合、過去の開陳がすごいと思うのだが、聞いても聞いてもあまりピンときておらず、それはある意味でどんな男性だってウォークできるのではないかという希望なのかもしれない。 -
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不思議な感じのする文章だ。常に自己を省みながら、周囲に目を配りながら書かれる文章はミソジニーや家父長制の感触とは無縁。断定的ではなく、叩くとやんわりと跳ね返って来るような…従来の男性的・女性的の二元論的には捉えきれない不思議な感覚がある。
「感動」や「ときめき」がこの本のテーマ。
過去に流れ去ってしまう『その一瞬』。感じ続けることの出来ない『その熱い想い』。
そういったことを繰り返し経験し、それでも過去に囚われることなく考え続ける。
そんな些細なことを大切にしている人なのだと思う。
著者は自分のことをフェミニストと呼ばない。
(若しかしたら間違ってるかも)
それは、口で何と言っても自分が男性であり、今の社会では男性性から抜け出すことが不可能な存在であることへの形容し難い居ずらさ、生きづらさに依るものではないか、この本を読んでいるとそう思う。
《…家父長制をぼろ糞に言い、ホモソーシャルな温室で暮らす馬鹿どもをけなし、ミソジニーなオッサン共を遺物と切り捨てる…》
そんなことは実は男性自身にはなかなか出来ない相談だ。言えば「あんたもその1人」と自分の首を絞めるだけ。
そんな中で奮闘する著者を応援するフェミニストが相当数いるのは心強い限り。
恥ずかしながら、著者のような勇気はとても持ち合わせては居ないが応援したいと思う。 -
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澁谷知美、清田隆之ご両名と西井開、中村正、平山亮、前川直哉、武田砂鉄それぞれとの対話形式。こういう系統の本を読むの好きだし、ほぼほぼうなずきながら読めるんだけど、一方ではここまで男ってミソクソに言われないといけないのとも思う。
だいたいこういう本を真に受けて品行方正におさまる人はますます品行方正を深めてしまう反面、非難に値するしょうもない男たちはまったくこんな本省みずのうのうと生きることだろう。そういうのってちょっと悔しいな。書いてあることは正論なんだけど、そういうことが通じないんだよね。世代が違って「いまどきの若者は何を考えてるのかわからない」って言うのと同じような感じか。
登場する人々がみんな男性というのはなかなかいい。やはり男性のことは男性自身が考えを巡らしたほうがいい、たとえ一部の男性に過ぎないとしても。そして、大人男性としての自分たちのことだけでなく、同性の子どもたちのことも考えたり向き合ったりしたほうがいい。 -
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桃山商事という集団のことも作者の清田隆之さんのことも全く知らない。
むしろ上坂あゆ美さんとの対談を見て「苦手かも」って思ってた。だけど対談前に本を買ってしまってたから、半ば「仕方ない」気持ちで読んでみたら面白かった。
フェミニズムとかジェンダーとか、今までいろいろ感情を揺さぶられてきた話題だけど、かといって自らが強い思いで語りたいとも思わないし遠ざけてた。でもこの本では清田さん自身も悩み、迷い、決めかねていることを言語化してあって、とても読みやすかった。エッセイの中に出てくる本を全部読みたくなるような魅力的な言葉で紹介してくれるところも好き。 -
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面白かった!すいすい読めてしまった。
多様性とは言われても、結局マイノリティばかりクローズアップされ、
現状を考える必要に迫られることなく、ぬくぬく疑問も持たずに生活し、
それが普通で当たり前だと信じて疑わない男性たち。
マイノリティに生きづらさを押し付けている根本は
そうした無意識のホモソーシャルな状況が生んでいる。
少数派だけに声を上げさせるのではなく、
双方からの動きがなければ、世界は変わっていかない。
もちろんこれは男性だけの話ではなく、
「常識」に安住しているすべての当事者に関係する話でもある。
「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ」
「human doing で人を判断するのではなく human being に興味を持つこと」
社会の中で自分のことを考えざるを得ないマイノリティと違い、
現状に疑問を持たずに安住している側は、自らを言葉で語る、確認する必要がない。
著者は自分の失恋や男子校時代の環境などのリアルな場所からの気づきを元に
さらに大学時代にはじめた「桃山商事」という、
恋バナや恋愛相談に耳を傾ける活動を通じて見えてきた現状を踏まえて、
男性が置かれている状況やゆがんだ意識をひも解いていく。
上からの態度や言動の裏に隠された、不安や弱さ、防衛反応を浮き彫りにする。
恋愛の中の関係にとどまらず、セカンドレイプ問題やハラスメント、根強い偏見など、
やりきれないようなことについても話題は広がる。
後半ちょっとまとまりがない文章が続くと思ったら、
いろいろな媒体に書いたものを集めたもののようだ。
コロナがあり、SDGsの目標があり、世界が大きく動いている中で、
今を疑い、見直すことが喫緊の問題であると思う。
無意識でいる当事者が本気にならなければならないタイミングだ。
橋本治の著書を読んでると、こうした男たちについて言及している文章にたびたび触れる。
するする読めたのは、そういう下地があったからかもしれない。
そしてやっぱり、橋本治は今でも必要なんだと思う。 -
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ここまで開陳していいんだという本。清田さんの中で1番大切にしていることの一つに弱さを認める、さらけ出すということがあると思うけど、そのことが前面に出ている。読んだ本や作品が多く紹介されていたのも個人的には理解しやすかった。
一方、恋愛において、始まり方や終わり方の分析が他に比べておざなりになっているのでは?と思うところもあった。もちろん、あまり詳細に分析しないことのメリットもあるとは思うのだけれど、もう少しそこは突っ込んで欲しかった。始め方終わり方にも、ジェンダーの問題は多く関わっているのではと思うので
とは言いつつ、最後の「もう恋愛をすることはないと思うけれど」はすごくよかった。恋愛だけじゃなくて、「特別な感情体験」として、経験していくこと、それによって恋愛に依存する必要はないのではという提言はすごく納得感のあるものだった。 -
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恋バナを聞き集める桃山商事代表の著者が10人の一般男性にインタビューした「ありのまま語り下ろし」本。当初は女性が感じる「男の考えていることがよくわからない」に賛同と理解を示し、企画を立ち上げた様だ。
主に「自分にダメなところがある」「コンプレックスがある」という人たちが登場する。彼らは生い立ちや現状、性格や性癖などを自己分析して自覚し、それをインタビューで自己開示しており、それでも前向きに状況を良くしよう、成長しようと考えて行動して努力している。共感できるもの、リスペクトできるもの、理解できないものもあったが、感情移入しながら読むことができた。
オトコは本能的に、競争とか見栄とか自己顕示とかが絡んで「生きづらさ」を自分で作ってしまっている可能性もあるよなと感じた。
著者があとがきで『自分は子どもの頃から大したことがなかったが「普通」や「ありふれた」といった言葉で認識していてものが、実のところ社会から与えられていた「特権」だった(ジェンダー問題やマイノリティに触れてきた中で感じた)』というニュアンスのことを記載しており、考えさせられた。男性女性ともに参考になるのでは。
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『男らしさと笑い』は自身も学生時代非常に苦労した覚えがあり、当時は何を話してるのかあまり理解できてなかったと思う。
"男らしさ"と"笑い"が密接に結びついてる理由に、まさに話にオチをつけることがその話題に潜む問題を場当たり的に解決してしまう都合の良さがあるからなんだと腹落ち。
皆、自身が持つ悩みや寂しさみたいなものを持っているもののそれを直に晒すのは男らしくない。なので、それを上記のように笑いに変えることにより、消化させることができる。
しかも芸人などを見てもわかるように、"面白さの獲得"はホモソーシャルの序列を決定するうえで重要な武器であるという側面もある。
フェミニズムの考え方を知ったことで、上記のようなホモソーシャルの構造を理解できたことはとても収穫。
他にも「無能がバレる恐怖。権力欲。処女信仰。面白くなりたい。女性への侮蔑と神格化。不妊治療。DVとモラハラ。離婚して父子家庭。マウンティングやマンスプレイニング。」どれも詳しく読んでみるとなにかしら自分にも引っかかる部分があり頭がぐらぐらする。
自分がいかにホモソーシャルど真ん中の考えをもって生きてきたかがよくわかる。序列社会に生きることをやめて自身にとっての価値を見つめることで浄化していきたい。