清田隆之のレビュー一覧

  • おしゃべりから始める私たちのジェンダー入門

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    2020-2022に書かれた新聞連載のエッセイをまとめた本

    それぞれの項に、2023年において改めてのコメントが付いているのがいい。わずか数年の差だがコロナ禍を経てきた前後での感じ方の差や、そうでなくとも補完文章があるので読み取りやすくなっている気がする。

    安定の面白さだが、テロリストに寄り添うような内容だけは受け止められなかった。

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    2025年11月12日
  • 大学1年生の歩き方 先輩たちが教える転ばぬ先の12のステップ

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    大学生活を思い出した。子供以上、大人未満の動物園。懐かしいな。
    残念ながら、私は偏っていてあまり謳歌できなかったけど、息子には謳歌してほしい。

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    2025年11月11日
  • さよなら、俺たち

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    様々な場所で書かれた文章をまとめたエッセイ集。

    とても面白かった。

    過度に性的な誇張をされた図画を公共の場で掲出することへの批判に対して、一部男性からの異常なまでの反発具合を、男性の側からおい待て待て、それは男性の自己評価(女性とは違って)「理論的」「理知的」「道徳的」な態度からは離れすぎてやしませんか、ていうかそもそもお前らは批判の対象ですらないよ、と諭している。

    気付かないでいられる、無頓着で鈍感でいられる立場の男性、というくだりに、新井素子のSF小説『もいちどあなたにあいたいな』に出てきた「卑怯階級」という言葉を思い出した。

    とても面白かったけど、これを読んでもらいたい男性こそは

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    2025年10月17日
  • さよなら、俺たち

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    最新作が不発という口コミもあり、あまり期待していなかったがなかなかに鋭い本。「さよなら」という言葉(一から、改めてという意味を含む)からの出発も素敵だった。
    being doingの言葉遊びはピンとこないところはあるが、ただ「いること(存在すること)」の大切さはいくら言っても言いすぎることはない。
    本書を見てしこりが残るのは、なぜ清田さんは「ウォーク」できたのか?最近そのことを考えていて、清田さんの場合、過去の開陳がすごいと思うのだが、聞いても聞いてもあまりピンときておらず、それはある意味でどんな男性だってウォークできるのではないかという希望なのかもしれない。

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    2025年10月02日
  • さよなら、俺たち

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    ホモソーシャルなこの世界で、男が大人になるとはどういうことか
    未熟なままでも成り立ってしまう今の社会で、目的や達成を求めないHuman being(doing でなく)として、どう生きるべきか

    radicalに急な変化は起きなくても、取り残されないように意識を変えるしかない

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    2025年08月25日
  • 戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ

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    清田さんのコラムはいくつか読んだことがあって、いつかちゃんと本も読みたいと思っていました。コラムをまとめた本だったから、読みごたえは少なめだったかもしれないけど、清田さんの真摯なお人柄がよく伝わってきました。同世代の東京出身の男性がこんなふうに解像度を上げるんだと感心しながら読みました。
    数年前の本だけど、よかれと思って~も読みたいと思いました。元夫がよく言っていた言葉だからです。

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    2025年08月16日
  • どうして男はそうなんだろうか会議 ──いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと

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    大変に刺激を受けた。それは反省を促す刺激だ。
    対談者それぞれの著書を読みたい。
    男にまずは出来ることは本書のような本を読むことだ。葛藤と反省が生まれるからだ。
    特に良かったのは、武田砂鉄さん、平山亮さん。

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    2025年07月30日
  • 戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ

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    男性としてフェミニズムをどう考えるかを、真剣に考えられていて好感を持ちました。
    紹介されている本はどれも読みたくなります。

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    2025年07月02日
  • 戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ

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    不思議な感じのする文章だ。常に自己を省みながら、周囲に目を配りながら書かれる文章はミソジニーや家父長制の感触とは無縁。断定的ではなく、叩くとやんわりと跳ね返って来るような…従来の男性的・女性的の二元論的には捉えきれない不思議な感覚がある。

    「感動」や「ときめき」がこの本のテーマ。
    過去に流れ去ってしまう『その一瞬』。感じ続けることの出来ない『その熱い想い』。
    そういったことを繰り返し経験し、それでも過去に囚われることなく考え続ける。
    そんな些細なことを大切にしている人なのだと思う。

    著者は自分のことをフェミニストと呼ばない。
    (若しかしたら間違ってるかも)
    それは、口で何と言っても自分が男

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    2025年06月13日
  • どうして男はそうなんだろうか会議 ──いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと

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    澁谷知美、清田隆之ご両名と西井開、中村正、平山亮、前川直哉、武田砂鉄それぞれとの対話形式。こういう系統の本を読むの好きだし、ほぼほぼうなずきながら読めるんだけど、一方ではここまで男ってミソクソに言われないといけないのとも思う。
    だいたいこういう本を真に受けて品行方正におさまる人はますます品行方正を深めてしまう反面、非難に値するしょうもない男たちはまったくこんな本省みずのうのうと生きることだろう。そういうのってちょっと悔しいな。書いてあることは正論なんだけど、そういうことが通じないんだよね。世代が違って「いまどきの若者は何を考えてるのかわからない」って言うのと同じような感じか。
    登場する人々がみ

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    2025年06月12日
  • 戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ

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    桃山商事という集団のことも作者の清田隆之さんのことも全く知らない。
    むしろ上坂あゆ美さんとの対談を見て「苦手かも」って思ってた。だけど対談前に本を買ってしまってたから、半ば「仕方ない」気持ちで読んでみたら面白かった。
    フェミニズムとかジェンダーとか、今までいろいろ感情を揺さぶられてきた話題だけど、かといって自らが強い思いで語りたいとも思わないし遠ざけてた。でもこの本では清田さん自身も悩み、迷い、決めかねていることを言語化してあって、とても読みやすかった。エッセイの中に出てくる本を全部読みたくなるような魅力的な言葉で紹介してくれるところも好き。

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    2025年06月02日
  • さよなら、俺たち

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    面白かった!すいすい読めてしまった。
    多様性とは言われても、結局マイノリティばかりクローズアップされ、
    現状を考える必要に迫られることなく、ぬくぬく疑問も持たずに生活し、
    それが普通で当たり前だと信じて疑わない男性たち。
    マイノリティに生きづらさを押し付けている根本は
    そうした無意識のホモソーシャルな状況が生んでいる。
    少数派だけに声を上げさせるのではなく、
    双方からの動きがなければ、世界は変わっていかない。
    もちろんこれは男性だけの話ではなく、
    「常識」に安住しているすべての当事者に関係する話でもある。

    「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ」
    「human doing で人を判

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    2025年05月13日
  • 戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ

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    ここまで開陳していいんだという本。清田さんの中で1番大切にしていることの一つに弱さを認める、さらけ出すということがあると思うけど、そのことが前面に出ている。読んだ本や作品が多く紹介されていたのも個人的には理解しやすかった。

    一方、恋愛において、始まり方や終わり方の分析が他に比べておざなりになっているのでは?と思うところもあった。もちろん、あまり詳細に分析しないことのメリットもあるとは思うのだけれど、もう少しそこは突っ込んで欲しかった。始め方終わり方にも、ジェンダーの問題は多く関わっているのではと思うので

    とは言いつつ、最後の「もう恋愛をすることはないと思うけれど」はすごくよかった。恋愛だけ

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    2025年04月16日
  • よかれと思ってやったのに 男たちの「失敗学」入門

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    自分の感情や身体の声にきちんと耳を傾け、言葉にして現状を理解すること。
    どこまで踏み込めるかのチキンレース的なコミュニケーションって今でも全然やりがちで、その度にめちゃくちゃ後悔する。

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    2025年03月10日
  • よかれと思ってやったのに

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    このような本を読む人はどちらかというと女性が多いのだろうなと思います。でも、本当に読んで欲しいのは男性。
    著者の清田さんや対談の先生方のような男性ばかりだったら、男女共同参画もスムーズに進むのではないだろうか?いや、女性側の意識もバージョンアップしないといけませんね。
    そんな事を感じた本でした。

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    2025年02月19日
  • 戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ

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    今年の個人的なテーマである「男性と孤独」の総決算的な一冊。
    他人には他人の地獄があることを認識し、自らの地獄(孤独)を引き受けた上で相互にケアする関係を築くことがどれだけ難しいかと思い知る一年だったし、この本を読んで改めて思った。

    俺たちは男によって煽られ傷つき疲弊してきた。それを女性に慰めてもらおうとするんじゃなく、根元を断ち呪いを次世代に引き継がず男同士でケアし合うということ。加害を加害として、被害を被害として認識し、心のうちと向き合うことは来年も(これから先も)引き続きだな。“戻れないけど、生きるのだ”から。

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    2024年12月26日
  • よかれと思ってやったのに

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    ネタバレ

    首がもげそうなほど頷く。いや、べつにだからそれがどうというわけではないんだけどね。をもやもやすると表現するわけね。

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    2024年12月13日
  • 自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと

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    恋バナを聞き集める桃山商事代表の著者が10人の一般男性にインタビューした「ありのまま語り下ろし」本。当初は女性が感じる「男の考えていることがよくわからない」に賛同と理解を示し、企画を立ち上げた様だ。

    主に「自分にダメなところがある」「コンプレックスがある」という人たちが登場する。彼らは生い立ちや現状、性格や性癖などを自己分析して自覚し、それをインタビューで自己開示しており、それでも前向きに状況を良くしよう、成長しようと考えて行動して努力している。共感できるもの、リスペクトできるもの、理解できないものもあったが、感情移入しながら読むことができた。

    オトコは本能的に、競争とか見栄とか自己顕示と

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    2024年12月12日
  • 自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと

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    『男らしさと笑い』は自身も学生時代非常に苦労した覚えがあり、当時は何を話してるのかあまり理解できてなかったと思う。

    "男らしさ"と"笑い"が密接に結びついてる理由に、まさに話にオチをつけることがその話題に潜む問題を場当たり的に解決してしまう都合の良さがあるからなんだと腹落ち。

    皆、自身が持つ悩みや寂しさみたいなものを持っているもののそれを直に晒すのは男らしくない。なので、それを上記のように笑いに変えることにより、消化させることができる。

    しかも芸人などを見てもわかるように、"面白さの獲得"はホモソーシャルの序列を決定するうえで重

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    2024年09月09日
  • どうして男はそうなんだろうか会議 ──いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと

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    平山さんの章が圧巻。
    「男性性」と名前がつけられることで、あたかも男性は変わらないかのように語られることの問題。男性性と言うことである種仕方ないのかもと思っていた社会の構造を根底からひっくり返された。
    男性優位な社会の問題は、男性が好きに振る舞うことのできる権力を持っていることが問題であり、その権力を使わないように振る舞いましょうと言う話。
    権力がある側が常識を決め、物事を決めるわけだけど、一方的に決めるのではなく、積極的に周囲と対話していかなければならないと感じる。

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    2024年08月31日