飴村のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
両親の離婚で、母親の故郷に引っ越してきた高校一年生の奈苗。1学年に1クラスしかない高校で、周りは地元の生徒ばかりだが、なんとか周りと仲良く過ごしている。そんな時、体育祭の打ち上げで飲酒が発覚し、参加した生徒らは3日間自宅謹慎することになった。その反面、奈苗を含め参加しなかった五人は、学校で自習することになった。
3日間に休み2日間を合わせた5日間の中で、バラバラだった五人は共に繋がっていき、相手の知らなかった一面がわかってくる。
爽やかな表紙、アオハルらしい雰囲気など青春の要素がいっぱい詰まっていました。高校生でしか味わえない友情や恋、はたまた苦い思い出も加わっていましたが、終始心地よい余韻がありました。
それぞれの五人が抱えている苦悩を徐々に紹介しながらも、その内容に対応する他の生徒が、真摯に向き合っていて、みんな良いやつじゃんと思わずにはいられませんでした。
一見、見た目はとっつきにくい人たちでも、話してみることで知らなかった一面を引き出せるかもしれません。
安易に見た目だけで判断するのではなく、「中身」を見ることも大切であると感じました。
でも、それらを実行することは容易ではありません。一歩踏み出してもいいし、半歩でもいい。はたまた今じゃなくても良い。色んな人がいます。
どれが正解なのかもわかりません。大切なのは、自分で導き出す事なのかなと思いました。それが相手から促されて答えを出したとしても、それは自分の答えです。
自分のペースで、自分の流れを作る。そういったことを作品を通じて学んだように感じました。
ストーリーとしては、短い5日間でありながら、それぞれの苦悩の披露、恋に発展?、両親の離婚についてなど、ここまで話が展開するとは濃厚でもあり、驚きでもありました。ちょっと都合良すぎる?といったことが頭の片隅を通ったのですが、これはこれで良いのかなとも思いました。
友情って良いなと昔を振り返りながら、感じました。 -
Posted by ブクログ
久しぶりにこの物語に会えて、懐かしいような、かつての地元の友人たちに再会したような気分です。
櫻いいよは、世界に優しいというより切り取られた世界の一部に優しいんですよ。
見過ごされてしまいそうな小さな世界を見過ごさず、かといってその世界を変えるような一方的な暴力もなく、ただそこにいていいと言ってくれるのです。
答えがなくてもいい。そう言ってもらえるほうがラクな時もある。変わらなくてもいいし、変えなくてもいい。答えが見つからないなら見つからないまま生きていってもいい。
そう言われて、呼吸がラクになる人がいる。
彼女の物語は、そういう人達のためにある。
無理矢理仲間にならなくてもいいし、無理矢理ひとりぼっちになることもない。
自分の目で、耳で、ハートで、自分の息がラクになる場所を見つけて、そこで深呼吸してほしい。
わたしの10代に氷室冴子さんやコバルト四天王がいたように、令和の時代の10代には櫻いいよがいる。うむ、よかったよかった!
-
Posted by ブクログ
月子さんと小指さんの裏世界旅行。裏世界とは人の夢の中の世界。
①飛ぶ鯨
月子さんと小指さんが出会うきっかけになった物語。高校生の月子さんの裏世界に小指さんが現れる。親友のヒナタとの関係やまわりと距離を置くことで浮いた存在に見える月子さん。鯨や竜が現れるファンタジーな世界で、月子さんが現実世界の自分と向き合っていく。
②騎士と狼
大学生になった月子さん。大学生のカップルの夢の中に小指さんと現れる。カップルが夢の中でお姫様である彼女と騎士である彼が、狼と戦い続ける。大学生の彼氏の心の中に潜む二面性。彼女の本当の気持ちと言うか本性。二つの絡みが面白かったです。
③果実とプール
人間のふりをする事で思い悩む桶ノ上創の世界。
小指さんと月子さんのたどり着く世界はお互い別々の世界。自分の思い通りに生きている人ってこの世界にいるのかなと思います。現実の世界ではルールの中で自分を表現する。ルールがなくなった時のひとの行動がどうなるか、ちょっと怖い裏世界。 -
Posted by ブクログ
ははあ、そういうお話だったのか。
21グラムはもちろん魂の重さのこと。
つまりは幽霊が未来からやってくる話なのだけど。
幽霊の彼女の願いは、彼だけが助かることだった。
なぜ彼女は自分が助かることを望まなかったのか?
彼女が死ぬことを知らされた彼はどうして助けられなかったのか?
最初、そんな疑問を覚えたけれど、子供時代から丁寧に綴られる二人の物語を読むにつれ、確かにそれもむずかしかった様に思う。
それでも、お互いにもう少しだけ勇気があれば変わっていたかもしれない。
そうして、悲劇で終わるのかと思わせて、ああ、そうか、そういう話だったんだと思った。
これはいわばよりよい未来を願って何度もやり直すお話だ。
ただ繰り返す人は違っていた。
今度は彼が魂になってタイムトラベルするのだ。
今度は間違わないように。
勇気を出して。
だから、ラストのハッピィエンドにはホッとさせられた。
21グラムの彼女、彼によかったねと言ってあげたい。
そんな優しい物語。
-
Posted by ブクログ
きっかけは惜しの女優「出口夏希」の主演映画を視聴したこと、まぁかわいいこ、美しいこと、それだけで鑑賞に堪えうる。」このての作品は10年周期くらいで出回るので読んでみた。
一つのジャンルを確立してる余命僅かものであるが、今回は出会う二人がともに余命僅かだった。タイトルそのまんま、若い二人の交流を通して、残された時間をどう使うのか?どう生きていくのか?これって答えのない問題だけど、二人それぞれ相手を思いやる気持ちが綴られていて、まぁ感動的ではあった。少女が逝き、そして少年が逝くのだが、今回は第3の人物が用意されていて最後は彼女の心象が綴られてのエンディングだった。ここがなかなか面白い演出であり試みであったと思う。
第3の人物は少女のかつての親友で、仲違いをしているが、少年の努力によって和解し、少女を看取るのだが、その後の少年に思いを馳せるようになっていき、少年もやがて逝ってしまい、健常者である彼女が同世代の若い友人、思い人を失っていく喪失感、それでも普通に生きていくしかない気持ちの葛藤が綴られていた。ごくごく普通の一般読者に合わせた人物造詣であり、余命僅かモノの新しいパターンと思えた。
このジャンルは今後どんな風になっていくのか?そんなことを感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ余命宣告された高校生同士の純愛な物語でした。
春奈を悲しませたくないからという理由で秋人は最後まで自分の病気のことを隠していて、花火を一緒に見れなかったことが気がかりでした。
余命がわかっているのであれば残りの人生後悔しないようにたくさん思い出を作って欲しかった
春奈が亡くなってから、秋人が自分の人生を見つめ直して前向きに生きられたのが救いでした。
『余命一年と宣告された友達を、好きになってしまった話』は全く別の話だと思って読み始めたら、三浦さん目線のストーリーで驚きました。ブログやお手紙が出てきて伏線回収されて面白かったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレしっかり泣いた。
王道中の王道の病気の女の子と恋をする話。
でもちょっと違うのは主人公も病気なこと。
秋人の病気との葛藤とか人生を諦めてしまうような感じとかは読んでて辛かった。
もっと周りに相談しろよとか、幼馴染には言えよとか、春奈にちゃんと言えよとか、ちゃんと手術受けて生きろよとか思う事はいっぱいあったけどそれは余命宣告された本人にしか分からないのかなって思った。
でも春奈が亡くなってしっかり手術を受ける決心をして前を向いてたのは良かった。
春奈も生きる事を諦めてたけど秋人との出会いを通して病気と闘っててマジで良い子すぎる。
死ぬ前にちゃんと三浦さんと仲直りできて本当に良かった。
春奈が死んじゃったあとも三浦さんと秋人の交流があって良かった。
素直になれない三浦さんも自分の気持ちとちゃんと向き合ってて良かった。
3本のガーベラの意味を知っててネイルする所とか春奈に悪いと思ってガーベラを6本買っていくのもいい。
で、やっぱりこういう系の本は最後の手紙とかが本当に泣ける。
ボロボロ泣いたわ。
パスワードが秋人の誕生日なのとか良すぎる。
マジで面白かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ高2の主人公実緒は田舎町に住む女の子。両親は離婚し、おばあちゃんと父と三人暮らし。
ある日、地元出身の監督が映画を撮るために街に撮影隊がやってくる。
地元を何とか盛り上げたい幼なじみの翔太、女優志望の親友果菜と、地元の人や撮影スタッフとのふれあいを通じて成長していく物語。
地元の田舎町が舞台で、ちょっと気になっていたから読んでみた。
若い子達が読むのには、子どもから大人に向かって成長していく姿や恋愛もあって、さらに読みやすくてよいと思う。
余談ですが、確かに方言はだら、だにだけど、案外ちゃんと言わなくて、他県から「ら族」って言われる程~ら?、~にって、ダを抜く事が多いので、ちょっとそこが違和感(笑)