山尾悠子のレビュー一覧

  • 須永朝彦小説選

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    今年2021年5月に没した耽美幻想派の作家の作品から
    山尾悠子がセレクトした逸品集。
    収録作は、

     契
     ぬばたまの
     樅の木の下で
     R公の綴織画
     就眠儀式
     神聖羅馬帝国
     森の彼方の地
     天使Ⅰ
     天使Ⅱ
     天使Ⅲ
     木犀館殺人事件
     光と影
     エル・レリカリオ
     LES LILLAS――リラの憶ひ出
     月光浴
     銀毛狼皮
     悪霊の館
     掌編 滅紫篇
     聖家族Ⅰ
     聖家族Ⅱ
     聖家族Ⅲ
     聖家族Ⅳ
     蘭の祝福
     術競べ
     青い箱と銀色のお化け

    ――の、全25編。
    隙のない流麗な文体で、
    殊に掌編の上手さ(美味さ)が際立つ。

    個人的BEST3を挙げるとしたら、圧巻の巻頭、
    中秋の名

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    2021年10月01日
  • 飛ぶ孔雀

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    ネタバレ

    文体に慣れなくて読むのにものすごく時間がかかってしまった。
    ジャケ買いした今年の夏読書やったんやけど、夏終わってしもたやんけ。

    これは子育てしながらちみちみ読むもんじゃなかった。人物も時空も入り乱れてるので(章ごとにじゃないよ。一文ごとに入り乱れてるからね)腰据えて読まんとわけわからんなる…実際この話の半分も理解できとるとは言えない…でも世界観に圧倒されて思わず高評価…すごい…
    舞台はSFで、手法は幻想文学なんかな。夢の中みたいな世界だよ。

    最後みんな山に集結するとおもうやん。実際みんな山に来たやん。それでみんなの話が最後繋がるんやなあと思わせといて絶対に世界が交わらないという展開にすごい

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    2021年09月22日
  • 歪み真珠

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    ネタバレ

    山尾悠子さんの世界観が大好きです。
    理解出来てない部分が多いとは思うのですが、でもどのお話も定期的に読み返したくなる。
    この独特な世界観と文章。
    一度ハマると抜け出せない。

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    2021年05月09日
  • 飛ぶ孔雀

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    金井美恵子の解説が邪魔なこと以外、めっちゃおもろかった
    ファンタジーと現実の融合が、中井英夫をちょい感じた。

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    2021年01月26日
  • ラピスラズリ

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    作者という幻視者にしか見えない幻想が、読者の想像力をもって読者だけの姿で浮かび上がるという読書の快感。現実を喪失させる嬉しさを存分に味わうことができる。
    それこそ小説という媒体、映像のような実像ではない、文章が導く言語化できない幻想の世界がこの本にはある。
    極端に言えばそれを味わうことができれば満足できて、考察とか解説とか、この本には必要ないとすら思っている。

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    2020年06月21日
  • 歪み真珠

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    面白かったです。バロック。
    幻想的ですがシビアな世界で好きです。ふわふわでなはなく、ダーク。
    「娼婦たち、人魚でいっぱいの海」「火の発見」「紫禁城の後宮で、ひとりの女が」が好きでした。
    「火の発見」は《腸詰宇宙》のお話で嬉しかったです。
    「紫禁城の~」はラストシーンが美しくて力強くて好きです。これからは、纏足でなく自身の足で歩ける喜び…それが人間の足でなくとも。
    充たされた時間でした。

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    2020年05月06日
  • 歪み真珠

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    この世界のどこでもないどこかで名前の無い誰かが見た夢のような一幕。今いる世界に疲れた、少しだけ喧騒から離れたい。そんな人におすすめしたい幻想の短編集。

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    2020年04月25日
  • ラピスラズリ

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    幻想のような小説。
    言葉の奔流にもがきながらもしがみついて辿り着いたラスト。冬眠者が長い冬を越え、鳥のさえずりを合図に目を覚ましたような、透き通った静寂、淡い光、吹き抜ける春の風を感覚した。

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    2019年04月14日
  • 増補 夢の遠近法 ──初期作品選

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    文章が素敵、綺麗。
    各話ストーリーも不思議な魅力でいっぱいです。
    この方の著作は初めてでしたが、一気に魅了されました。

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    2019年01月07日
  • ラピスラズリ

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    冬になると鍵をかけた部屋で人形と共に眠る貴族の「睡眠者」と、その屋敷に仕える者たちの物語。
    冒頭の版画の世界へ飛び込んだようだった。
    繊細で優美で不思議な言葉で敷き詰められていて、ちょっと毒と寂しさがある。
    特に79、80ページの料理の描写が最高。

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    2018年10月02日
  • ラピスラズリ

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    ネタバレ

    不思議な世界観でファンタジー的というか、フィクションでしかありえない雰囲気がよかった。
    後書きにもあった、まさに言葉で作られた世界という感じ。
    いつもと違う読書体験ができてよかった。

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    2017年02月15日
  • ラピスラズリ

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    ああ・・・
    なんて幻想的・・・
    いや、幻惑的?
    5篇の中短篇の物語からなるこのラピスラズリ・・・
    読み終えた後も、何度かチョコチョコと読み返してみても、この本の全体像がボヤけてしか見えない・・・
    物語のピースをこういうことだろうか?と組み立てていっても・・・
    ハッキリした形にならない・・・
    『正解』に近づこうとも近づけない・・・
    ああ・・・
    でもでも、それはそれで良い気がする・・・
    そして、そのせいなのか?読み終えた後のこの余韻たるや・・・
    こんな不思議な余韻はなかなか感じられない・・・
    何だか美しいモノを見た(読んだ)ような・・・
    ああ・・・
    こ・と・ば・に・で・き・な・い!

    眠い眠いとな

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    2014年12月06日
  • ラピスラズリ

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    格別敬遠していたわけではないが、
    この年になってやっと山尾悠子を読む気になった。
    が、遅すぎはしなかった――というより、
    人それぞれ、物事には適切なタイミングがあって、
    自分にもやっと、そのときが巡ってきたのだと思った。

    冒頭の語り手が深夜営業の画廊で銅版画の連作を目にし、
    イメージを膨らませていると、店主がそれらの絵解きをする。
    後の物語で、
    その銅版画のモチーフになったと思しい事件が叙述されるが、
    それらの物語が連続・連結しているとは限らない。
    ただ、某かの関連を持つことは窺えて、
    連屏風を眺めるような印象を受ける。
    もしくは物語同士が少し遠い血縁でもあるかのような。

    広大な屋敷には、

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    2014年04月07日
  • ラピスラズリ

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    ネタバレ

    冬眠する人々にまつわる幻想的で不思議な世界の話。
    限られた人が冬眠する種族で、冬の準備をするのだけど
    その準備風景が西洋の魔女的(民族的)で、懐かしさがあった。

    読み終わったあと、とても考えさせられた。
    この民族に春を告げなければ目覚めないのかな。
    わたしたちにも冬眠は必要なのかな。など。

    ストーリーや文体は、多少難解なものがあるが
    読みやすい幻想文学はツマラナイと思うので、このくらいがいい。
    わかりにくい部分を読者に投げて、あなたの考えやイメージで補完してね、というのが身悶えるほど好き。

    ただおそらく正解はなくて、このもやっとしたやるせなさや、不思議な世界を垣間見て知ってしまった感が残

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    2026年01月31日
  • ラピスラズリ

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    途中までは確かに面白かった
    竈門の秋の後半からなんだかよく分からなくなっちゃった
    世界の崩壊を描くのはいつものことなんだけど、ゾンビみたいなのが出てくるからかな、崩壊が美しくない…
    読み取りきれない私の読書レベルの足らなさなのかもしれない

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    2025年08月21日
  • 初夏ものがたり

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    日本が誇る伝説的幻想作家、山尾悠子の初期作品。
    絵本作家の酒井駒子が挿画を手掛けている。しかも美しいカラーで。

    日本人ビジネスマンのタキ氏なる人物が死者と生者を仲介して会わせるというもの。
    そのそれぞれの4つの案件(?)が描かれている。

    個人的には山尾悠子作品はその後の作品のほうが好きではあるのだが、優しくノスタルジックな本作も良かった。
    初夏である今に読めて良かったかも。図らずも作品内日時と同じような日時に読んでいて妙にテンションが上がったりした。

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    2025年06月27日
  • 初夏ものがたり

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    「空に向かって、夫人は深呼吸した。『あの人は、ビジネスにとても熱心な人なのよ。──そうして全世界はね、親しい人たちばかりで輪になっているようなものなんだわ』『何ですか』『とても、幸福だということ』」

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    2025年06月22日
  • 歪み真珠

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    山尾さんの頭の中に引き摺り込まれるように
    読み進めて、自身の頭の中は混乱
    光と影
    神の世界
    魔女
    幻、ムーミンのような冬ごもり
    海、川、宇宙、山
    日本?ヨーロッパ?北欧?
    すべてひっくるめてファンタジー?
    形、常識にとらわれているようでは理解できないし、理解しようとおもってはいけないのでしょう
    そんな世界に時々のめり込みたくなる
    たぶん小さな頃見ていたいろんなものは
    こんな感じかもしれない

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    2024年10月27日
  • 初夏ものがたり

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    初読。同じ作者の本を以前読んだときは、あらすじを追うのも一苦労という感じだったけど、これはわりとすんなり読めた。描写がきれいで印象的だった。「オリーブ・トーマス」「通夜の客」がこのみ。

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    2024年09月02日
  • 初夏ものがたり

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     山尾悠子さん、存じ上げませんでした。1980年に25歳で刊行した本作、44年の時を経て文庫復刊って、名作? 初夏は過ぎましたが、今に相応しいタイトルと復刊の魅力に惹かれ、手にしました。

     死者と生者を仲介人がつなぐ物語‥‥そうそう、ありましたね、そんなお話。4編からなりますが、共通点が、死者と生者を仲介する日本人ビジネスマン"タキ氏"。
     そして、4編とも舞台は日本ではない異国の地。さらに、共通してヒロイン的な少女、または幼さを残す女性が登場します。

     少々特異に感じたのは、「つなぐ依頼は死者側から」という設定で、生者の未練や願いを果たす、謎の解決ではない点です。また、タキ氏からはビジネ

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    2024年07月21日