山尾悠子のレビュー一覧
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山尾悠子さん、存じ上げませんでした。1980年に25歳で刊行した本作、44年の時を経て文庫復刊って、名作? 初夏は過ぎましたが、今に相応しいタイトルと復刊の魅力に惹かれ、手にしました。
死者と生者を仲介人がつなぐ物語‥‥そうそう、ありましたね、そんなお話。4編からなりますが、共通点が、死者と生者を仲介する日本人ビジネスマン"タキ氏"。
そして、4編とも舞台は日本ではない異国の地。さらに、共通してヒロイン的な少女、または幼さを残す女性が登場します。
少々特異に感じたのは、「つなぐ依頼は死者側から」という設定で、生者の未練や願いを果たす、謎の解決ではない点です。また、タキ氏からはビジネ -
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20代のころから近年までのエッセイや書評、編者として関わった本の解題など、小説以外の文章をまとめた散文集。
山尾先生と本の趣味が合いすぎる。ミルハウザーのモルフェウスのやつ訳してほしいですよね。漫画の話はしてないけど山田章博ぜったい好きだと思う。解題でも自作解説でも、〈批評なんていくらでもできるけど好き嫌いの話だけをしていたい〉という声が聞こえてくるような可愛らしく開き直ったスタンス。
小説以外と言いながら真ん中のあたりにちょっと小洒落た大人の童話みたいな文章がまとめられていて、倉橋由美子と金井美恵子の影響にどっぷり浸かっていたのが如実にわかる。昔の作品でも『作品集成』に収録されているよう -
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2003年刊。
初めて読む作家の、連作短編集だが、とても不思議な作家・不思議な作品だった。非常に寡作な作家であるらしく、知る人ぞ知る作家、といった存在なのであろうか。3つの賞を同時に受賞した『飛ぶ孔雀』なる2018年の作品があるようだ。本作自体、20年の沈黙を破って、と書いてあり、本当にもの凄く寡作だ。それにしても本書は評価が難しい。
幻想小説ということで、ファンタジックな設定に基づいているのだが、一般的なファンタジー小説のような、当たり前のわかりやすさは全然無い。全改行を乱発しカギ括弧の会話でストーリーを進めていくこんにちのエンタメ小説の流儀とは真逆のやり方で、8割ほどは地の文だし、会 -
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ネタバレ「歪み真珠」とは「バロック」の語源。
ファンタジーとはちょっと違うけど、幻想的な短編集。
んー、あまり好みではないかな。
# ゴルゴンゾーラ大王と草の冠
蛙の王と蛇の女王が出てくるファンタジー的な設定だが、蛙たちがカエルツボカビ症でばたばたと倒れていくというなんとも現代的で現実的なオチ。
# 女神の通過
エドワード・バーン=ジョーンズの「The Passing of Venus」という絵画に着想を得た作品で、宗教絵画にありがちな、これいったい背景はどうなってんのという非現実的な構図をそのまま真正直に受け取って、物語にしたもの。ジョークとしか思えない。
# 娼婦たち、人魚でいっぱいの海
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