ラピスラズリ

ラピスラズリ

715円 (税込)

3pt

冬のあいだ眠り続ける宿命を持つ“冬眠者”たち。ある冬の日、一人眠りから覚めてしまった少女が出会ったのは、「定め」を忘れたゴーストで──『閑日』/秋、冬眠者の冬の館の棟開きの日。人形を届けにきた荷運びと使用人、冬眠者、ゴーストが絡み合い、引き起こされた騒動の顛末──『竃の秋』/イメージが紡ぐ、冬眠者と人形と、春の目覚めの物語。不世出の幻想小説家が、20年の沈黙を破り発表した連作長篇小説。

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ラピスラズリ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年12月23日

    Boschの絵画のような人の群れにズームインしり俯瞰したり。非常にビジュアルを喚起させる作品だった。時間軸もも同時に存在していて、文字から喚起される場面があふれかえりそうになりながらも収束するさまは、風で舞い上がる枯葉の只中にいる様だった。

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    Posted by ブクログ 2023年10月15日

    最初に3枚の銅版画の話が出てきますが、読んで行くとその絵を連想させる部分が他の各章で出てきます。あれはこういう意味やったのか、と腑に落ちる。何回読んでも飽きない作品。

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    Posted by ブクログ 2022年05月04日

    幻想小説の大家、山尾悠子の連作長編。
    山奥の館に住む冬眠者と使用人の破滅と再生を描く。
    時系列や空間が絶えず移り変わり、「意識の流れ」のような物語の流動性を感じさせる美しい文章。
    この作品を簡潔明瞭に批評できる語彙と論理的思考を身につけたい。

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    Posted by ブクログ 2017年05月30日

    稀少石のきらめきを思わせる硬質な文章。薔薇窓のように装飾的な舞台装置。山尾悠子の小説を読むのは、ゴシック様式の大聖堂の内部を探索するのに似ている。緻密で入り組んだ構造は、一度で全体像を把握するのを困難にしている。暗がりには冷気が漂い、陰気な亡霊の棲まう気配まで感じるようだ。それだけに、天窓から太陽の...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年05月28日

    なんかすごいものを読んでしまった。

    連作短編のようなそうでないような。一貫しているのは「冬眠者」がキーになっているということ。
    だけど話がきちんとつながっているかというとそうでもない。だけどやっぱりつながっている、そんな不思議な一冊。
    なんというか、豪奢で、なのにどこか腐臭が漂っているような、読み...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年04月07日

    格別敬遠していたわけではないが、
    この年になってやっと山尾悠子を読む気になった。
    が、遅すぎはしなかった――というより、
    人それぞれ、物事には適切なタイミングがあって、
    自分にもやっと、そのときが巡ってきたのだと思った。

    冒頭の語り手が深夜営業の画廊で銅版画の連作を目にし、
    イメージを膨らませてい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月01日

    千野帽子さんの解説を読むまで迷路に迷い込んだような気持ちでいた。中世の冬眠者が存在するディストピア小説だと感じていたが、自分の集中力が欠如して、誰の言葉なのか?どこにいるのか?場面が違うのか?と自問して迷子になることが頻繁に起こった。
    不思議な世界観。読者を迷路に導く構成。独特な言葉選び。闇へ、冬へ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年04月21日

    循環する物語。冬は生き物が静まる季節。しかし、やがて春が来る。夜になると、人は眠る。しかし、やがて朝を迎える。人も犬も、生きて死ぬ。しかし、やがて新たな生命が産まれる。死も夜も冬も永遠ではなく、いつか明けていく。眠りについた者たちの思いとともに、明日を生きよう。

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    Posted by ブクログ 2022年12月05日

    山尾悠子が2003年に発表した2作目の書き下ろし長編小説の文庫版。旅の途中、深夜に訪れた画廊で見かけた銅版画から始まる物語です。極限までそぎ落とした文章で、おいそれと簡単には物語に近づくことのできません。じっくりと考えながら咀嚼して味わうことを要求されます。日本にも、こんなに素晴らしい幻想文学が存在...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年06月21日

    作者という幻視者にしか見えない幻想が、読者の想像力をもって読者だけの姿で浮かび上がるという読書の快感。現実を喪失させる嬉しさを存分に味わうことができる。
    それこそ小説という媒体、映像のような実像ではない、文章が導く言語化できない幻想の世界がこの本にはある。
    極端に言えばそれを味わうことができれば満足...続きを読む

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