ジョン・ハートのレビュー一覧
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わかりやすいなあ。ストレートに面白い。先日、ニコラス・ケイジとメグ・ライアンの競演による儚いラブ・ストーリー映画「シティ・オブ・エンジェル」を観て、つくづくそう思った。というのは、この映画がフランス、西ドイツ合作映画「ベルリン・天使の詩」のリメイクでありながら、わかりやすさの点でははるかに「ベルリン……」を凌いでいたからだ。「アメリカ流」の優れたところを見せられた。それで、本書。やはり、わかりやすく、シンプルでストレートなストーリー。ジャンルとしては、ミステリというよりはハードボイルド寄り。主人公の本能にまかせた行動は、たやすく気持ちを昂らせてくれた。大雑把な表現でだが、「アメリカ流」を実感
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アメリカの作家「ジョン・ハート」の長篇ミステリ作品『川は静かに流れ(原題:Down River)』を読みました。
「エラリー・クイーン」、「ヘンリー・スレッサー」の作品に続き、アメリカのミステリ作品です… 「ジョン・ハート」の作品は3年近く前に読んだ『キングの死』以来ですね。
-----story-------------
「僕という人間を形作った出来事はすべてその川の近くで起こった。
川が見える場所で母を失い、川のほとりで恋に落ちた。
父に家から追い出された日の、川のにおいすら覚えている」殺人の濡れ衣を着せられ故郷を追われた「アダム」。
苦境に陥った親友のために数年ぶりに川辺の町に戻っ -
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『川は静かに流れ』以来のファンで見つけると読んでいるジョン・ハートの作品。主人公は犯人を射殺し少女チャニングを救出したものの、弾倉の18発をすべて二人の犯人に発砲しており拷問や処刑の疑いを持たれ、犯人が黒人の兄弟だったために連邦警察の捜査対象となって停職中の白人刑事エリザベス。相棒の刑事にも心は許さず、仲間より事件の被害者や遺族に共感し寄り添うタイプ。エリザベスには少女時代の命の恩人で憧れの刑事がいるのですがその刑事エイドリアンは殺人の罪で有罪となり服役中、状況証拠だけでなく物証もあるなかエリザベスだけは無罪を頑なに信じておりそのことでも警察内で孤立しています。読み始めてしばらくぶりだったのも
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あ~、やっぱりジェームズ・ディーンだ~。
頭の中で、主人公アダムが「エデンの東」「ジャイアント」などのジェームズ・ディーンとして映像化されてしまう。
神の存在を問うような運命、大土地所有に絡む名家と住民の根暗な物語は、アメリカ人がホント好きそう。
家族への疑心暗鬼と、青春の苛立ち、煮え切らない、カッコつけ
金持ちの坊ちゃんの中途半端な自暴自棄
人の話を聞かない、人にうまく伝えられない頑固で弱い父
ネガティブで暗い後妻とその子供たち
金と名誉とやっかみの入り混じる住民たち
川を題名とした小説はどうしてこうも暗いのか
「ミスティックリバー」デニス・ルヘイン
「クリムゾン・リバー」ジャン・クリ -
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ノースカロライナ州シャーロットの殺人課刑事のビル・フレンチの双子の息子で次男のジェイソンはベトナム戦争中に除隊させられ2年間刑務所に居たが出所してきた。ビルは、この息子を避け末っ子のギブソンには兄とは関わらない様に伝えていたがジェイソンはギビーと女の子2人を誘ってドライブしマリファナ、飲酒、性行為を楽しんで居たが、女の子の1人タイラが拷問状態で殺された。
ジェイソンの部屋から凶器が見つかり逮捕され2年前と同じレンズワース刑務所に収監された。世間は、ベトナム戦争で虐殺を繰り返したギブソンが真犯人で麻薬・銃器・殺人を平気で犯すならず者だと噂するが、刑事の父親と弟のギブソンは、それぞれにジェイ -
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ネタバレ双子の妹、アリッサの失踪は、連続少女誘拐・殺害事件とは別の展開を迎える。もちろん、失われた過去は取り戻せないし、事件の真相は、ジョニーにとっては知らなかったほうがよかったかもしれない。
アリッサの失踪から、1年。ティファニーの事件から、4日。事件は、連続少女殺害事件と拡大してゆくが、アリッサの事件は意外な展開(結末)を迎える。
世間に、神に絶望したジョニーが見つけた先祖との接点。そして、それが、ジョニーが纏った羽根であり、フリーマントルだったのかもしれない。
「それが理由かもしれないな、ジョニー。もしかしたら、アリッサはほかの子どもを死なせないために死んだのかもしれない」ハント刑事のこの言葉は -
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ネタバレ事件から1年。それは、長く、苦しく、悲しい時間であったに違いない。
何があったら、「誰もわかってくれなかったし、誰も手を差し伸べてくれなかった。ただの一度も」と、言わせるのでしょうか?しかも、13歳の少年に。
しかも、周りの大人たちだけでなく、神様にも。「毎晩のように祈っていたんだよ。結局神様は見向きもしてくれないと悟るまで。これから先もそれは変わらないと悟るまで、わかる?」、この悲しみから、物語は始まる。
そう、事件から、1年後、新しい事件が起こり、新たな展開を迎える。
無茶苦茶になった家族、ジョニー、ジャック、そしてハント刑事。時が動き出して、後編へ。
印象的なフレーズは以下:
★どこも -
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親友のダニーからの電話でアダム・チェイスは故郷に帰ることにした。五年前、妹の誕生パーティの夜、男が殺され、継母によってアダムの仕業だと証言された。判決は無罪だったが、父は再婚相手の言葉を信じ、アダムに家を出るよう命じた。五年ぶりに帰った故郷は原発誘致の騒ぎの渦中にあった。賛成派と反対派とは敵対し、農場を売ろうとしないアダムの父は賛成派の恨みを買っていた。ダニーのモーテルを訪ねたアダムは、誘致を迫るダニーの父にからまれ、大けがを負う。
町中から総スカンにあっている男が久しぶりに帰郷すると、待っていたのは電話をしてきた親友の死体。ただ一人無罪を信じてくれた昔の恋人ロビンは刑事に昇進していた。そん