ジョン・ハートのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ぬおー!ジョンハートの作品をここの所読み続けて3作目。今回が最も読むのが辛かった。面白く無かったのか?とんでもない。とても面白かったし、今の所ジョンハートに駄作無し状態です。
あらすじ
主人公ワークは専制君主の成り上がり弁護士の息子。ある日、妹が同性愛者である事を知った父が、妹と階段で言い争いをするが、仲裁をしようとした母に、父の手が当たり母が転落死。
クズ野郎の父は「これは事故だ私は悪くない。分かったか!」
その夜、父は失踪し一年半後他殺体となって発見された。さて真相はいかに!
何が辛かったのかというと、兎にも角にも主人公ワークがとんでもなく不器用で、父殺しの犯人に仕立て上げられそうな状態にも拘らず、自暴自棄な行動で諸々台無しにしたり、味方に付けなければヤバそうな相手にも悪態をついたりとハラハラし通しで、イライラし通し。
時々本から目を離して天井を仰いだり、柔軟体操をしてみたりして読み進めないとならなりませんでした。
僕は冤罪で悔しい思いをするような話が苦手で、フランダースの犬でネロが財布を盗んだと疑いが掛けられただけで、悔しくて悔しくて夜眠れなくなるくらいの小学生だったのであります。
ワークったら警察から呼び出し食らっているのに2回もすっぽかしてしまったり、証拠隠滅を疑われるはずなのに思いつきでBMWをぼろトラックと交換したり。とにかく考えなしの行動をして私をハラハラさせるのです。本当に勘弁してください。
しかも基本父の操り人形として生きてきたので、最初の方はとにかくヘタレで何かと責任転嫁するので、何度となく紙面に説教を浴びせました。夜中だったからいいものの、電車の中だったら私不審者ですよ。
中盤以降急激に話が進行していくので、それ以降は善良な人たちの助けも有りぐっと話に魅力が増していきます。そうなって行くと前半の我慢の時間帯言うのは、バネで言う所のぐいぐいと縮めて反発力を増すための助走だったような気がしてくるので、やはり必要だったんだなと実感します。
僕の予想はすっかり外れて意外な人が犯人でした。まだまだ読みが甘いです。 -
Posted by ブクログ
アダム・チェイスは殺人の容疑で拘留されるが、結果として証拠不十分として無実となる。が、狭いコミュニティの中で立場を回復する事は叶わず、失意のうちにニューヨークで新たな生活を送っていた。
それから5年後故郷に居る親友のダニーから連絡有り、苦境を救うために帰って来て欲しいと言うのだった。その場では断るものの、アダムの頭の中には故郷の事で一杯になる。
故郷に戻った彼を待っていたのは、5年前の殺人の現場を見たと嘘の証言をした継母、勘当し和解されていない父、彼に置き去りにされ、警官の仕事に没頭する元恋人のロビン、妹のように大事にしてきた隣家の少女グレイスへの犯人不明の暴行、そして新たな殺人・・・・。
複雑に絡み合う「血」の絆と淀んだ時間の中にどんな真実を見出せばいいのか。果たして真実など存在するのか・・・・。
何しろ濃い濃い。僕がアダムなら向う30年は連絡もせず音信不通になる事必至だと思う。
血縁と顔見知りだけで構成されている人間関係は、いい関係でいられる時には比べる事も出来ないくらいのパワーになるけれども、一度こじれると何十年にも渡って禍根を残すことになる。
アダムが幼い頃、彼の目の前で拳銃自殺した最愛の母、彼にとってはそれ以降とそれ以前では人生の意味合いが全く違っている。父と息子の禍根はここに端を発しているが。その原因はそれ以前から・・・これ以上は言えない・・・。
さて、この本の骨子はまさに「血」
綿々と受け継がれていた歴史としての「血」
象徴として登場する川。それは時間の流れと共に流れる血液の流れではないだろうか。
僕は前回読んだ「ラストチャイルド」の個人への感情移入に対してこの本では、特にこれと言って感情移入をすることなく読んだ。
何故かと考えたときにこの主人公「アダム」には顔が無いと感じた。憤り、怒り、悲しみ、愛し、色々な感情が渦巻いていたが、案外とあっさりとしたキャラクター作りだと思った。
これは僕独自の解釈だけれども、作者の意図として主人公は人物ではなく、この家族およびコミュニティーの「血」の歴史ではなかったのか、と感じた。
むしろ父や、グレイスの育ての父ドルフにこそ感情移入しやすい位だった。彼らは前述した「血」の体現者だから。
アダムはこの滔々と流れる歴史の語り部なのではないだろうかと感じた。
とても力作で筆圧を感じる作品で、読むに足る本だと思う。 -
Posted by ブクログ
13歳のジョニーの双子の妹が行方不明になったことで、母は人が変わったように泣き暮らし、父も失踪してしまう‥しかし、ジョニー少年は決して諦めませんでした。周りからおかしくなったと言われても独自のやり方で妹を探すのでした。そして、この事件に関わったハント刑事も個人的な動機を上司や同僚から勘ぐられながらも、事件解決に執念を燃やすのでした。
5〜6年前に話題になっていたのですが、読み損ねていたので遅ればせながら読んでみました。訳文のせいか原文がそうなのか上巻まではちょっと読みにくい文章で、流れもこの先どうなるのか見当がつきにくいものでしたが、後半俄然面白くなる展開でした。少年たちの思いと歴史に埋もれた奴隷制度時代の出来事、正体不明の大男の常軌を逸脱した行動を追うことで現れた真実が心に残りました。 -
Posted by ブクログ
殺人の疑いをかけられ無実になったものの、追われるように故郷を捨てたアダムが5年ぶりに戻った。故郷は原発誘致で二つに分かれ、父のジェイコブは農場を売却しないことから嫌がらせを受けていた。自身嫌がらせを受ける中、兄弟のように育った、農場監督の娘グレイスが暴行を受けた。やがて、その犯人と目される、アダムの親友で帰郷の原因となったダニーが死体で発見される。
アダムに故郷を捨てさせた事件を含め2件の殺人共に細かい描写がされるわけでなく、話はタイトルの川のごとく淡々と進んでいく。しかし、その淡々とした空気の中に人間の憤怒が渦巻いており、そこかしこに垣間見える。犯人の予想はおおよそ見当が付いていたが、その動機は予想外だった。 -
Posted by ブクログ
近年注目を浴びる気鋭の米ミステリ作家:ジョン・ハート。
本格推理というより、人間模様に重きを置いたサスペンスという意味では、名匠:ロス・マクドナルドの系譜上に位置するかもしれない。
ロス・マクの境地に到達するにはまだ早い(だって1965年生まれだもん)けれど、まだまだたった4作。これからの熟成に期待したい。
今作も、その期待に違わない重厚な仕上がりで、『サイレント・ジョー』のT・ジェファーソン・パーカーあたりが好きな人には大満足の1冊。
ポール・ハギスあたりが映画化したら、いいのが出来そうだ。
文体がシンプルなので、代表作『The Last Child』は原書にてスタンバイ中。