ジョン・ハートのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ジョン・ハートの最新長編。期待に違わず面白かったです。
一年前に双子の妹が誘拐され罪悪感と絶望で父親が失踪、支えを失い残された母は土地の有力者につけこまれて無気力状態。残された最後の子供(The Last Child)のジョニーは13歳の少年ならではの生真面目さで独自に妹の行方を捜し続けていますが、、、。物語は担当刑事ハントとジョニーの2人の視点から交互に語られて進行。前2作同様に設定はやるせなくつらく悲しく作品全体の雰囲気も重いのですが、今回少年が語り手であることもあってか、読後感は意外にも爽やか。読み終わってタイトルの妙に改めてうなりました。 -
Posted by ブクログ
『ラスト・チャイルド』(上) ジョン・ハート
『ラスト・チャイルド』(下) 同
読書は順調に進むが、まとめの感想書きが溜まってしまう。読後、間を開け過ぎると読んでいる時の空気感や印象が薄れる。夏休みの宿題を先延ばしにしてプレッシャーが限界に達したような気持ちだ。
「読んで、反芻し考えてまとめ、文章化して脳に刻む」、これを一連の読む動作として続けることだ。
次の本を脇に置いて、この作文に手をつける。
13歳の双子の兄ジョニーが主人公で、一年前に突然失踪した妹アリッサを探すミステリー長編である。
娘の失踪で両親もギクシャクして、彼が尊敬し慕う父親は家を出る。美人の母親キャサリンは精神が病み実業家ホロウェイの愛人となり荒んだ生活をする。
ジョニーはホロウェイが大嫌いだ。担当刑事のハントはキャサリンに被害者への同情以上の思いを募らす。彼は捜査に没頭し家を顧みず妻に出て行かれ、息子とふたり暮らし。13歳とは思えない発想と行動のジョニーは学校を抜け出し、一人で妹の捜索を続ける。
新たに起こった殺人事件と誘拐事件がきっかけで事実解明が一気に進む。後半の展開は息をつく暇がない。
長編の割に展開も表現もスムーズでスピード感がある。久し振りに一気読みであった。翻訳も作者の意図を汲み自然でうまい。全編を通して読者を飽きさせない。結論にはあまり意外性がなく、途中の複雑な入り繰りに無理があるような気もするが、それも許容の範囲だ。
主人公は13歳の割にひね過ぎこましゃくれ、親しみや同情よりも危なっかしさでハラハラの連続だ。
いつのまにか作者の思惑に乗せられる。
兄妹愛や家族愛をテーマにして、欠けることでその価値を痛感させる構成である。丁寧でウエットな文章で人情味を削いだ乾いた表現は独特だ。
2010年アメリカや英国でミステリー賞を受賞し、早川文庫40周年記念の作品である。
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Posted by ブクログ
アメリカの作家「ジョン・ハート」の長篇ミステリ作品『キングの死(原題:The King of Lies )』を読みました。
「アリス・ラプラント」、「ノア・ホーリー」に続き、アメリカのミステリ作品です。
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失踪中の辣腕弁護士が射殺死体で発見された。
被害者の息子「ワーク」は、傲慢で暴力的だった父の死に深い悲しみを覚えることは無かったが、ただ一点の不安が。
父と不仲だった妹が、まさか…。
愛する妹を護るため、「ワーク」は捜査への協力を拒んだ。だがその結果、警察は莫大な遺産の相続人である彼を犯人だと疑う。
アリバイを証明できない「ワーク」は、次第に追いつめられ…。
「スコット・トゥロー」の再来と激賞されたデビュー作。
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2006年(平成18年)に発表された「ジョン・ハート」のデビュー作で、同年のアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞) 処女長編賞候補、マカヴィティ賞新人賞候補、バリー賞新人賞候補になるなど、高い評価を得た作品… 期待して読みました、、、
600ページのボリュームがあり、中盤までは、回想を交え物語がゆっくりと進むので、もどかしさが強かったのですが… 意外な事実が徐々に判明し、展開が読めないスリリングな終盤は面白くて一気読みでしたね。
ノースカロライナ州・ソールズベリー市、弁護士の「ジャクソン・ワークマン・ピケンズ(通称:ワーク)」は、依頼人と接見に訪れた拘置所で、父「エズラ」の死体が見つかったと知らされる… 頭部を撃たれており、他殺であるのは明らかだった、、、
現役の敏腕弁護士だった父の行方がわからなくなって18か月、既にこの世の人ではないだろうと覚悟はしていたものの、その知らせに「ワーク」は動揺する… 父が死んだからではない、犯人に心当たりがあったからだ。
「エズラ」は、貧しい家の出身で、裸一貫でソールズベリー屈指の弁護士にのし上がり、金と名誉に異様なほど執着し、代々裕福な同業者を激しく憎み、非情で思い遣りのかけらもない人物で、家族に対しても、まさに暴君のような振る舞いで妻子を支配していた… 父がいなくなった経緯を考えれば、殺したのは「ワーク」の妹「ジーン」でしかありえない、、、
だが、夫との破局以来、精神が不安定となっている「ジーン」を刑務所送りにするわけにはいかない、何としても守りたい、そのためには自分が身代わりになっていもいいとまで思い詰める「ワーク」は、警察が妹への疑いに目を向けぬよう、必死の抵抗を試みる… しかし、犯人は「ジーン」ではなかった。
身代わりとなる必要がなくなった「ワーク」だったが、父の遺書が明らかになり、「ワーク」に1,500万ドルの遺産が信託として相続されることが判るや事態は一転、容疑は「ワーク」に向けられる… 「ワーク」は、自らの容疑を晴らすため、旧知の探偵「ハンク・ロビンズ」に協力を依頼し、真相を探ろうとする、、、
そして、「エズラ」の性質に起因する「ピケンズ一家」における親子の確執や、「ワーク」と妻「バーバラ」との夫婦間の問題、「ワーク」が子ども時代から抱えている「ヴァネッサ・ストールン」の事件に関する罪の意識がしだいに浮彫りとなり、事件は混迷する、、、
「ワーク」は、真相を探るうちに自分が父に支配されていたことに改めて気付き、父の言いなりで結婚した「バーバラ」との生活に終止符をうつためい、その気持ちを「バーバラ」に打ち明けるが、「バーバラ」は二人は出直すことができると激しく抵抗する… 「バーバラ」を振り切って家を出た「ワーク」は、事務所で父が遺した金庫を開けることに成功、そこで発見されたビデオテープから、父と妻の関係、そして、事件の意外な真相に気付くが、そのとき犯人は目の前に迫っていた。
ホントに終盤は面白かった… 家族の在り方、親子や夫婦の在り方について考えさせられる作品でもありましたね、、、
でも、ハッピーエンドで良かった… 「ジョン・ハート」の別な作品も家族がテーマのようなので、機会があれば読んでみたいですね。
以下、主な登場人物です。
「ジャクソン・ワークマン・ピケンズ(=ワーク)」
弁護士
「エズラ」
ワークの父
「ジーン」
ワークの妹
「バーバラ」
ワークの妻
「アレックス・シフテン」
ジーンの友人
「ヴァネッサ・ストールン」
農場主
「マクスウェル・クリーソン」
浮浪者
「ダグラス」
地区検事
「ミルズ」
刑事
「ハンク・ロビンズ」
探偵
「クラレンス・ハンブリー」
弁護士 -
Posted by ブクログ
ネタバレジョン・ハート初読。
一時期(10年前くらい?)凄いプッシュされていたタイミングで購入し積読。
やっと読めた。
川の情景、過去を知る住民、別れた恋人、父親との久しぶりの対面など、入りとしてはすごく盛り上がるのだけど、起きていることの割には冗長だった。
正直、辛い過去があった主人公アダムが、父親や家族との確執を乗り越え再生へと至るストーリー。。。が描かれることを期待して読んでいた。が、実際にはもうどうしようもないところまでバラバラになってしまうラストに唖然。
え、あんなにこだわってた故郷捨てるの?とか。
色々あったのはわかるけど、父親はじめ家族みんな酷すぎるだろう、とか。
心温まるラストを期待しすぎたのが悪かったんだけど、これじゃない感があった。いや、話自体は面白いのだけど。。。
最後に。主人公モテすぎだろ。。。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ時は1972年、ベトナム戦争の最中。
双子の兄を持つギブソン。
優しくヒーロー的存在だった上の兄ロバートは戦死。
一方下の兄ジェイソンは、ロバートを追うように戦地に赴いたが、不名誉除隊処分を受け帰国後薬物に溺れ服役。
2年の服役期間を終えたジェイソンが街へ戻ってきた。
素行の悪いジェイソンをギブソンに近づけたくない父母、ジェイソンに対する少なくない恐れを感じながらも血の繋がり故の湧き上がる親近感を拭えないギブソン。
物語の書き出しがうまいなぁ。
家族の分裂と兄弟の友愛、そのすき間に仕組まれた犯罪により深まる溝。
弟に見せる親愛の情、悪に染まりきっていない言動を見れば、どこかに誤解があることはわかる。
ただその誤解がうまいこと解かれる方向には進んでいかず、いじらしい展開。
悪の絶対王者、二流シリアルキラー、黒幕二人の自己満行動で物語をたたみにいってしまうのがちょっと残念な方向性で、星5にはできないところ。 -
Posted by ブクログ
途中でやめなくてよかった。
上巻は暗くしつこく謎ばかりで、楽しい読書とは言えなかったが、手は止まらなかった。
下巻に入って、溢れ出るように事件が動く。
そして最後、全貌が明らかになると上巻から続いていた「暗くしつこい」描写とつながっていく……。
繕おうとすればするほど壊れていく家族と友情は、苦痛を伴いながら針の穴ほどの光を灯し、エンディングを迎える。
700ページの読書が報われた瞬間でした。
もうひとつ、
ネイティブ・アメリカンの血を引く謎の人物が、不思議なところで事件に関わっていく。それが謎を明らかにする鍵となるのだが、解剖医が最後に語った「説明のつかないこと」は、全ての解明を拒否する力を漂わせる。
「ラスト・チャイルド」の意味もまた、ひとつではなかった。