ジョン・ハートのレビュー一覧
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正直評価に困る。上巻は星五つで傑作の予感すらあったのだが、下巻の後半から急降下。そんなこんなで諸々が相殺されて結局こういう評価に落ち着いたのだが…。
今回のテーマは親子ではなく兄弟。いつものハート節は鳴りを潜め、サスペンス色を前面に出したスピードある展開で一気に駆けて行く。端々でのざっくり感はあるものの、ハートのサスペンスもなかなか面白いなと後半に期待してると、急カーブで景色がガラッと変わってくる。
物語としては徐々に破綻してくるのだが、色んな不良箇所をごった煮して、家族というテーマで料理してしまう手腕はあざといのか鮮やかなのか、もう何が何だかよくわからない。ある程度の速度を保ちつつも、そ -
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双子の妹アリッサが行方不明になって1年。
少年ジョニーは探し続けている。
近くで捕らわれのまま生きていると信じて。
10歳ぐらいにしか見えない13歳の男の子の頑張りように応援せずにはいられません。
娘を一人にしたと妻に責められた父は出奔、母キャサリンは酒浸りとなり、言い寄ってきた金持ちの男ケンの言うなりに。
調査に当たった警官クライド・ハントもまた、人生を狂わせていた。
あまりののめり込みように半年で妻が去り、高校生の息子アレンとは上手くいかない。
同僚にも半ば引かれている有様だったが…
ここへ来て新たな展開が?
同じ学校の少女ティファニーが行方不明に。
事故現場に行き合ったジョニーは、倒れて -
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「川は静かに流れ」「ラスト・チャイルド」が好評なジョン・ハートのデビュー作。
主人公は弁護士ジャクソン・ワーク・ピケンズ。
父親エズラは高名な弁護士でやり手だったが、成り上がりで品がなく、家では暴君。強烈な人間だった。
家で家族が口論中に、母親が転落死して1年。
父エズラは母の葬儀の後に行方不明になっていたが、とうとう遺体が発見される。
母の死に責任を感じての失踪という可能性もあったのだが、射殺されていたのだ。
知人に頼み込んで発見現場に入れて貰うワーク。
父と仲が悪かった妹のジーンがやったのではと悩む。
女性を蔑視する父親が原因で心を病んでいたジーンは、病院で知り合った女性アレックスと暮らし -
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ネタバレ故郷を追い出され逃げるようにニューヨークで暮らしてきたアダム。突然の旧友ダニーからの電話で助けを求められ、5年ぶりに故郷に帰ってきた。淡い期待と怒りを胸に。だが彼が直面したのは自分を人殺しとして扱う人々の冷たい視線、頑なな父、敵視する継母、機嫌の悪い恋人や幼馴染。さらに、アダムが再会した直後に幼馴染が何者かに暴行され、やがて殺人事件まで起きてしまう。そして彼を呼び出した当の友人は行方不明なままで…。年末年始にかけて良い作品に当たったなぁというのが読み終わった直後の感想。ストレートな感情表現がアメリカらしく、家族や恋人たちとの絆が中心に描かれている。「アメリカ探偵作家クラブ賞」受賞作品とのことだ