今野晴貴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
賛否両論、実に物議を醸し出す一冊だな。
ブラック企業。
本書では、ブラック企業について論じられる時、若者の甘えと断じられるが、それは間違いだと述べられている。
否定できない側面があることは確かだが、果たしてどうだろう。甘えとしか思えない側面が半々という印象だ。
某アパレル会社での研修で、使い終わった洗面所を拭かされたり、歩く時に背筋を伸ばすことを強要されたり、まるで軍隊だと離職の理由を語る若者の経験談があったが、こいつ阿呆かとしか思えない。
面談と称して何時間も軟禁され罵倒を受けたり、睡眠時間数時間の日々が何日も続き時給数百円という労務環境はブラックと言えるだろう。
ただ、権利という大義 -
Posted by ブクログ
NPO代表ということで、明らかに社員視点、社員を支援する視点で綴られていた。
実名こそないものの、あの有名なアパレル系メーカーも登場しており、急成長することとは、様々なところで歪みが生じるのだなと感じ入りました。
これは、企業側だけの問題というよりも、きっと社会問題なのでしょう。
急成長したい企業側の考えと、労働と余暇のワークライフバランスを重視したい社員側の利害のコンフリクト。
もっと言い換えると、世代間対立か…。
でもIT系企業の経営者は若い方かもしれないので、モチベーション間のコンフリクトか。
今の時代は、企業情報はそれなりにとれると思うので、選んだ責任というもあるのかなと感じました。 -
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Posted by ブクログ
本書で紹介されている事例はおそらく世間を騒がせた、かなり大きな企業の事例であろう。かつてブラック企業に籍をおいていた私ですら思わず眉をひそめてしまうほど非道な実態と、それに対する著者の静かなる怒りを感じた。
また、就労に起因する精神疾患の治療費が、労災保険からではなく、健康保険や国民健康保険から支払われているケースが多いことなどを挙げ、ブラック企業が日本経済にタダ乗りしていると断じている。自分が籍を置いているときは、そんなことを考える余裕すらなかったが、もっともである。旧来の日本型雇用の悪用こそが、ブラック企業であるとの指摘もあり、まさにタイトルのとおり『日本を食いつぶす妖怪』。
本書を読 -
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Posted by ブクログ
巧妙化するブラック企業の手口。一見華やかな世界に見える世界ほど、どこか無理してるんじゃないかなと思う。
労働集約型の産業。介護などのサービス業は、コストの大部分がひとでなりたっている。だから、安く使えば利益が出ると言う安易な考え方に立つひとの精神はどんなだろうと思いました。
ひとが亡くなっているのに、なおかつ亡くなった人を罵る企業。お客様のありがとうを集めれば、自分達のことは二の次と考える企業。社長も重役も貧乏なら納得するかもしれないけど、そんなのは単なる方便。
嘘や矛盾に気がつく意味でも、ロジカルに物事を考える力がますます大切な気がしてきました。 -
Posted by ブクログ
なにをブラック企業とするかは難しいところだけど、少なくとも本書で紹介されているようなところは許しがたい。
極端な話だけど、労働者に労働の喜びを与えられないような企業など全部つぶれてしまえ、と叫びたくなる。
対処として、被害にあっている個人に何か求めるのは酷だと思うんだよね。
だから社会でなんとかしないといけない。
第一歩として、ブラック企業の商品は買わないとか、そんな小さな行動はとったっていいんじゃないかな。
でも何より効果的なのが景気回復。
某牛丼屋の深刻な人手不足からもわかるように、景気が回復して「代わり」がいなくなれば、ブラック企業は淘汰されるはず。
その点で、アベノミクスの成功を