今野晴貴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者の今野晴貴はPOSSEの代表。これは、若者自身によって若者の労働問題を解決することを目指して設立されたNPO法人。NPOを立ち上げた後、1500件を超える労働、生活相談に関わってきたという。したがい、83年生まれの若さだが、経験によって養われた洞察力があり、ブラック企業が単なる労働問題に留まらず、社会問題であると断言している。
そもそも、日本型雇用は、長期雇用と年功賃金というと引き換えに、極めて強い人事権の行使を従業員に「合意」させる雇用形態である。ところが、現在の労働組合は、老舗大企業の正社員の日本型雇用を守る能力しか持たず、特に新規企業では日本型雇用の合意は崩され、それが大量の非正規 -
購入済み
難しい問題
大企業であっても、すこし間違うといつでもブラック企業になりうる可能性があることを知らされた。しかし、健全な企業を続けることも難しい世の中なのかと感じた。何とかならないものか。
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Posted by ブクログ
ネタバレ新卒を雇用の調整弁と考えるブラック企業と言う存在は怖いと思いました。新卒社員にに対する人格否定のカウンセリングや、労働基準法を無視した長時間労働。それによって、優秀な人までも、鬱に追い込まれて社会から投げ出される。
需要と供給のバランスで買い手市場の企業にとって、選別が起きてしまうのは仕方がない部分があるかもしれません。だからと言って、人を大事にする必要はないと言う理由にはならないのですが。
正社員だからと言って暗澹としていられない時代。ブラック企業と言う言葉は聞いていたけどここまで、ひどい実態だと言う事は知らなかったです。確かに、無垢な新卒社員にとっては、辛い時代ですね。
社会自体が、 -
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
あっさりした内容だが、分かりやすく、労働者側の目線で書かれているので、まさに本著に書かれているように護身術として労働法を知るのに良い本。加えて、経営サイドの視点でも考えてみるのも良いだろう。雇用のミスマッチはお互いに不幸だが、一方的な強者と弱者の力関係で、その関係性を清算するのは就労者側にあまりに不利だ。しかし、権利を主張し、ろくに働きもせぬ人間を抱え込む事も避けたい。面接でお互い判断ミスを極小化出来れば良いのだが、勤めてみないと相互に分からない事も多い。そういう意味では、試用期間という制度が形式化されている事にも改善の余地があるかも知れない。
人を機械のように扱うなと思うが、資本主義におけ -
Posted by ブクログ
賛否両論、実に物議を醸し出す一冊だな。
ブラック企業。
本書では、ブラック企業について論じられる時、若者の甘えと断じられるが、それは間違いだと述べられている。
否定できない側面があることは確かだが、果たしてどうだろう。甘えとしか思えない側面が半々という印象だ。
某アパレル会社での研修で、使い終わった洗面所を拭かされたり、歩く時に背筋を伸ばすことを強要されたり、まるで軍隊だと離職の理由を語る若者の経験談があったが、こいつ阿呆かとしか思えない。
面談と称して何時間も軟禁され罵倒を受けたり、睡眠時間数時間の日々が何日も続き時給数百円という労務環境はブラックと言えるだろう。
ただ、権利という大義 -
Posted by ブクログ
NPO代表ということで、明らかに社員視点、社員を支援する視点で綴られていた。
実名こそないものの、あの有名なアパレル系メーカーも登場しており、急成長することとは、様々なところで歪みが生じるのだなと感じ入りました。
これは、企業側だけの問題というよりも、きっと社会問題なのでしょう。
急成長したい企業側の考えと、労働と余暇のワークライフバランスを重視したい社員側の利害のコンフリクト。
もっと言い換えると、世代間対立か…。
でもIT系企業の経営者は若い方かもしれないので、モチベーション間のコンフリクトか。
今の時代は、企業情報はそれなりにとれると思うので、選んだ責任というもあるのかなと感じました。