【感想・ネタバレ】ブラック奨学金のレビュー

あらすじ

容赦ない取り立て、雪だるま式に膨れ上がる延滞金……学生をしゃぶりつくす「高利貸し」の正体!

突然、身に覚えのない多額の請求が自宅に届く――いま全国各地でこんなケースが相次いでいる。奨学金を借りた若者たちが返済に行き詰まり、その保証人が日本学生支援機構(JASSO)に訴えられたのだ。

長引く不況から奨学金を借りる学生は増加し続け、いまや大学・短大生の約4割が利用。1人あたりの借入金額は平均300万円以上にもぼる。
だが雇用情勢の不安定化や「ブラック企業」の存在もあって、卒業後、返済に窮する若者が急増している。

滞納が続くと、JASSOは延滞分だけでなく、返済する予定の金額((元本および利子)を、裁判所を通じて「一括請求」する。そのため400~500万円といった莫大な額が突如、請求されることになるのだ。しかも、それら全てに年間の利息が5%にもおよぶ「延滞金」がかかってくる。

借りた本人が返済できない場合、請求は保証人に及ぶ。奨学金の借入時には親族が連帯保証人及び保証人になることが一般的だ。両親はもとより、祖父、祖母、おじ、おばにまで請求がいくことも珍しくない。しかも保証人に請求が行くまでに延滞金が雪だるま式に膨れあがっている。まるで、かつての消費者金融被害のような様相を呈しており、奨学金返済の延滞に対して2015年度に執られた法的措置は8713件にも及ぶ。

著者はNPO法人POSSEの代表を務め、これまで200件以上の奨学金返済の相談に関わってきた。本書では生々しい実例を豊富に紹介しているほか、すでに返済が難しくなってしまった人のために対処法も詳しくアドバイスする。

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Posted by ブクログ

元の日本育英会である日本学生支援機構(JASSO)の過酷な取り立ての様子を書いた本。取り立てが本当に過酷でサラ金以上といっても過言ではない。借りずに済むなら借りない方が絶対に良い。

借りたことで学生の頃にブラックバイトをすることになったり、返済が重荷のため就職先がブラック会社になってもやめたくてもやめられないことになったり、日本の未来を担う若者を搾取する構造になっている。

JASSOの構造改革と給付型奨学金の国による充実化が急がれる。

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2021年07月22日

Posted by ブクログ

ブラック奨学金。今野晴貴先生の著書。学費問題、奨学金問題は深刻な社会問題。学習意欲がある子供たち、優秀な子供たちは、生まれ育った環境が裕福かどうかにかかわらず支援されるべき存在。そうでなくては、高学歴を手に入れられるのは裕福な家庭に育った幸運な子供たちだけになってしまう。お金がなくても才能や努力次第で高学歴を手に入れられる社会であってほしい。

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2018年07月29日

Posted by ブクログ

POSSEをはじめとする支援団体の活動を応援したいと思うとともに、企業として奨学金の返済に努める学生や従業員に対する支援のあり方を考えていきたい。

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2017年08月29日

Posted by ブクログ

<目次>
まえがき  奨学金でローン地獄に突き落とされる若者たち
第1章   奨学金返済の実態
第2章   過酷な取り立ての実態
第3章   「延滞金地獄」のパターン分析
第4章   世界に逆行する日本の教育費政策
第5章   若者を奴隷化する日本の奨学金政策
第6章   「新しい奨学金」の利用法と注意点
第7章   必読!返せなくなったときの対処法

<内容>
読んでいて哀しくなった。結局高度成長期の金の亡者たちが、教育の世界(と福祉の世界が高度成長期は金にならないジャンルで、そういう意味で自由にできた)をしゃぶりつくしてできている「奨学金」という名の、サラ金。サラ金よりも悪いのは、就職も決まっていない(近年はここがブラック化)のに、20年のローンを組んでしまい(ちなみに、大学などの上級学校もうまく行くのか誰もわからない。ここにもブラックバイトが仕込まれている)、人生の半分は借金地獄に浸かるしかないこと。何か間違っている。彼らは上の年代の年金から福祉費から、みんな支えなくてはいけないのに、入り口で藪から棒に、細い棒を渡されて(この棒は一度手にすると手から離れない仕組みになっている)、「これでずっと歩いていけるよ」と詐欺に遭っている訳で、それなのにこの仕打ち…。おそらくシステムを作った人たちは、人生を甘受するのだろうが、彼らが老人になった時、「日本」は残っているのだろうか…。そんな悲しい夢を見た本でした。

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2017年08月08日

Posted by ブクログ

高等教育向けの奨学金に関しては、ここ数年、複数の新書などが出されていますが、この本は

・裁判所に出向き、どのような訴訟が起こされているのかを調査し紹介している
・奨学金返済が難しくなる理由を、相談事例から分類している

あたりが他の本より読みやすいのかなと思いました。

現在の奨学金の仕組み自体が問題だと感じる事例もあれば、「これは借り手のモラルの問題ではないか?」と感じる事例もあり、という感じでした。
(むしろ、出されている事例は後者の方が多い気も)

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2017年07月18日

Posted by ブクログ

夜が明けるの参考文献に載ってて気になったので読んだ本
奨学金とは無縁の人生を歩んできたので知らないことだらけだった
ただひたすら親に申し訳ない気持ちになる
知らないこともっと勉強していこう

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2023年06月22日

Posted by ブクログ

ブラック企業とかの取材をしている作者が、今度は奨学金に切り込む。
ただ、ほんとうにこのような対応をしているのか、ちょっと違和感を持った、というのも一応民法に則ってやってるんだから、代筆された保証人に保証債務履行請求をかけている、というのは・・・。
取材しつつ、弁護士とかの相談会を紹介していただいていることと思いますが。

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2017年08月25日

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