片山ユキヲのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こんな丁寧な良作を「地味だから」の一語で買わずにいたおれはばかだっ!
いやまあ読み返してもやっぱり地味ではあるんですが。大丈夫、2巻は地味じゃないよ!(連載でも追ってるのでそのあたりは自信を持って言える)
とにかく主要キャラたちのバックボーンやアニメのイロハを丁寧すぎるくらい丁寧に描写してるので、絵柄の微妙な垢抜けなさも手伝ってもうこれは悪いんだけど地味と言わざるをえない。
実は劇中劇と劇中世界の境界をいきなり乗り越える実験的なほど破天荒な演出とか、けっこうハデなマネもしているんだけど(だからこれだけ地味でもぐいぐい引きつけられるともいえる)。
マンガの制止画で動きを表現する、それはアクションバトル漫画でしばしば行なわれていることなので決して珍しいことじゃないとはいえ、正面きってマンガでアニメが動いているところを幻視させてくれるというのはやはり凄い。
そしてこんな地味なテーマだというのに、クラス中を巻き込んでアニメするキラキラ青春ぶりときたら! 若い連中が身の丈とかそういうの気にせずに精一杯だという自覚もなくただ何かに夢中になる姿は、それだけでさまになり時に感動的ですらある。
一方、最大の中心人物であるヤスキチひとりだけは常に精一杯でいっぱいいっぱいだ。この暗い青春がキラキラ青春と出会い解けていく姿がまた美しい。こういう暗い青春MEETS明るい青春という構図って今までありそうでなかった気がするけど、どうだろう。
ところで関係ないけど、ライブハウスのゲストキャラは『富山ねじ』『コトノハ学園』で一部チャンピオン読者にだけおなじみ佐藤将先生が描いて、る、よね……?
シリウスとチャンピオンの出版社を越えた異様な関係をまたも垣間見た気がする。どうもよくわからんなこの組み合わせだけは。 -
Posted by ブクログ
「朗読」の漫画。なんだそれと思ったけど、評判を耳にしたので1巻を試しに買ってみた。漫画として好きかと言われたら、絵も話運びもそんな好みではない。続きを買うかはわからない。
ただ、色々なことを思い出した。
のりのりで絵本の読み聞かせをしてくれた母のおかげか、小学校で毎日出た国語の音読の宿題は全然苦じゃなかったなあとか、そういえば高校の頃に放送部の朗読コンテストの大会に出たなあとか。小中学生の時、妹と2人で漫画の朗読をしていたなあとか。漫画の中の、自分が好きな名台詞ランキングって誰でも大好きだと思うけど、そういう「好きな場面」「好きな台詞」を、キャラクターの配役を決めて交代に読んでいくという遊びをして、なりきって悦に入っていた。確か母に嫌そうな顔で「やめて、それ」と言われて恥ずかしくなってやめた記憶。
間違いなく声に出して文章を読むことが好きだったけど、そういうのは「恥ずかしいこと」と思うようになったのはなんでだろうな。好きだったことすら忘れていて、これを読んだ後、思わず本棚の一冊を手にとって音読してみた。やっぱり気持ちよかった。その勢いで、朗読のポッドキャストを探していくつか登録した。
黙読はわからないことがあってもそのまま読んでしまうけど、朗読はわからないことがあると一行たりとも声に出せない。だからわかるまで何度も何度も読み込む。そうするとイメージが何倍にも広がる、というのは、なるほどなあと思った。
舞台演劇では、同じ話を違う役者、違う演出で何度も再演する。同じ脚本でも演技する俳優によって全然変わるのは、本には書かれていない情報を、自分のイメージでふくらませて補うからだろう。それはイメージの押しつけではなくて、いくつもある解のひとつなのだと思う。
自分が好きなものってつながるなあ。