三國青葉のレビュー一覧
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ゆる時代小説という印象を受けた。
万里村家は妻がバリバリ働き夫は屋敷の料理番(といいつつ金遣いが荒く全体的に頼りない)という、「今っぽい」お武家さん。
会話劇が微妙。誰が喋っているかわかりづらかった。
また、内容については、全体的にコミカルで楽しい印象を受けた。
しかし、別式女として命をかけて主君に仕えるという武家本来の要素のようなものが抜けており、少し物足りなかった。第3話の『紅葉狩り』では命を捨てる覚悟で戦うと涙ながらに言っているが、お役目がある以上当たり前である。「死して屍拾う者なし」と言えないものか。
まあでも家庭があるし未来があるから死にたくないよねーという気持ちもわかる。だから、ゆる時代小説だ。 -
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ネタバレシリーズ第三作。
正木数馬に代わって馬廻役筆頭となった村野小平太と初めて行動を共にした別式女筆頭・万里村巴。
たまたま行きあった、女性が襲われそうになっている場面で、『にこにこ大福』というあだなとは全く違う小平太の顔を見て、驚き警戒する。
そんな小平太から、巴一家が役宅に招かれ、ますます巴は警戒するのだが…。
夫の音次郎に輪をかけて物怖じせず懐にするりと入り込む息子の誠之助の良さが光った話だった。
何しろ小平太の娘・小雪とも交流し、小平太のとげを抜いてしまった。
誠之助が何者になるのかまだ分からないが、この能力は何にしても活きるだろう。
第二話は巴が仕える由利姫が嫁ぐ前の、お忍びの外出。
美味しいご飯を食べた後は町の中を散策して帰るはずが、途中で由利姫の許嫁は登場するわ、許嫁と家臣たちに由利姫を攫われそうになるわ、許嫁側のいざこざに巻き込まれそうになるわで、大変なことに。
もちろん巴や小平太が必死に守るのだが、このまま由利姫は嫁いで大丈夫か?と心配になった。
第三話は巴の夫、音次郎が三日も行方不明になり、巴が探し回る話。
音次郎が何か事件に巻き込まれたのか…と心配になった巴は、元別式女筆頭の世津に相談。すると、たちまち糸口が見つかる。
結果的に音次郎らしい結末だったのだが、巴が意外にも音次郎のことをこんなに必死に思っていたのかと安心した。また、いつも音次郎と口喧嘩ばかりしている巴の父・源蔵も心配しているのが意外で、でもやはり家族なのだなと安心した。
今回もゆるくサクサクと進んだが、楽しく読めた。
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雨城藩の奥向きを守る女武芸者『別式女』筆頭を務める万理村巴の奮闘とその家族との日々を描くシリーズ2作目。
前の筆頭で今は菓子屋の主人に嫁いだ世津に招待され、月見の宴で菓子屋に出向いた巴。
遅い結婚で周囲から様々な声があった世津と語り合い、自分の愚痴も話して少しスッキリした巴。だがそんな二人の前に不穏な殺気を帯びた浪人が現れ…「月見」
別式女たちとの女子会を万理村家で行うことになった。覗くなといってもあの手この手でやって来る万理村家の男たち。
だが今年は結婚を機に別式女を止める初音の送別会も兼ねていて…「後の雛」
この二話に関しては働く女性の取り巻く環境というのが現代に通じるものとして描かれている。
特にこの時代、また別式女という役目は独身を通して一生をお役目に捧げるか、あるいは結婚を機に辞めるかのどちらかという究極の選択が多い。
そんな中で筆頭を巴に譲って40歳で結婚した世津の半生や、職場に子連れ出勤して誠之助を同僚の別式女たちの手を借りながら育てた巴の経験などが語られる。
巴の後輩たちもこれに続こうとするが、それ以上に障害となるのが男たちや嫁ぎ先の意識改革だった。
万理村家の場合は、夫の音次郎がお役目にかこつけたグルメ三昧のために生活費のやりくりが厳しく、巴の別式女筆頭の給金に頼らざるを得ないという情けない事情があるのだが、一般的には武士は貧しくともまず体裁という意識があるから女性を(内職ならともかく)表立って働かせるなんてという抵抗もあっただろう。
ただこういう小説の中くらい、別式女たちの力業で乗り切ってほしいなと願う。
第三話の「紅葉狩り」では別式女たちの真骨頂、武芸で闘うシーンが描かれる。
それもちょっとした不審人物の乱入ではなく、明らかに命のを狙うプロの集団との闘いだ。
天真爛漫な姫の思い付きが大変な展開になるのだが、由利姫が単なるわがまま姫ではなく、きちんと別式女たちお付きの者たちの命を惜しむ姫で良かった。
彼女の決死の機転も巴を手助けしてくれた。
逆に馬廻役の正木数馬の落ち度が酷い。今回のことで退場となるのかどうか。
今回も巴の父・源蔵と巴の夫・音次郎との皮肉の応酬はあちこちで繰り広げられる。だが結局のところそれだけ二人とも似たり寄ったりの性格だということなのだろう。誠之助が可愛らしくて健気なようで、実は一番ちゃっかりしているというのもご愛敬。
結構ハードな武芸ものの作品のようにレビューを感じたかも知れないが、ゆるい雰囲気なのでのんびり読める。ご安心を。 -
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とても読みやすかった。
タイトルは『母上は』となっているが、主人公はその母上である万里村巴。
「別式女」とは大名家の奥を守る女武芸者のことで、巴はその別式女たちをまとめる筆頭。
その夫の音次郎は上屋敷の賂い方助という料理人、巴の父は元勘定方組頭の源蔵。この二人は相性が悪く源蔵が音次郎に小言を言えば音次郎は皮肉で返すという言い合いが繰り返される。
息子で9歳の誠四郎は食いしん坊だが料理人になるには不器用で、武芸を習っているが巴のように強くはなく、とどちらの血を強く引いているのかはまだ分からない。
家族の個性がぶつかり合っているようで上手くバランスが取れている。
巴は武芸は得意だが料理はからきし、音次郎は料理の研鑽のためと言いながら何かと巴に小遣いをせびる上に、何と誠四郎の小遣いまで狙っている。
だが巴だけでなく誠四郎も上手。
源蔵と音次郎はいつも喧嘩しているようで互いを気遣う面もある。
全体的に軽快で、勧善懲悪なところが心地よい。
続編もあるようなので、誠四郎がどう成長するのか読んでみたい。 -
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ネタバレ「別式女(べっしきめ)」とは大名家の奥を守る女武芸者のことだそうです。初めて知りました。
雨城藩で別式女筆頭をつとめる万里村巴。
婿入りした夫の音次郎は上屋敷の賄い方助で料理上手で、いつも美味しいものを食べさせてくれます。
父の源蔵と一人息子の誠之助の四人暮らしです。
一人息子の誠之助のことを心配する巴ですが、実は誠之助は巴が思っているよりずっとしっかりしているのかもしれません。
音次郎や源蔵に比べ巴の人物像が大人しすぎる気がします。女だてらに武芸者であり、目立ってしまうことを敬遠している、それは息子の誠之助に不利益がないようにとのことでしょうけれど、物足りなさを感じてしまいます。
続きがでているようですので次巻に期待します。 -
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ネタバレ錺職人の夫が急逝し、子どももいないお佐和は生きる気力を失っていました。それを救ったのは一匹の野良猫。元々猫好きだったお佐和は家の前で野良犬に威嚇されている猫を助けました。お佐和はお腹が大きかったその猫を福と名付けて飼うことにしました。福が仔猫を生んでお佐和も猫たちの世話にてんやわんや。福がネズミ捕りが得意なことからお佐和は猫の新商売を思いつきますが ――。
猫好きとしてはこのタイトルに素通りできません(笑)
夫の弟子だったお佐和の甥の亮太がお佐和を心配するのは普通だと思いますが、夫の弟子達を引き取ってくれた政吉(夫が修行していた親方の息子)がそれを禁止するのは何故なのかよく分かりませんでした。
引き取られた仔猫たちが幸せになれるかどうかは飼い主次第で、それは今も昔も変わらないですね。切なくなりました。 -
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猫+江戸モノ=好物。
ということで、“我ながらチョロイ奴だなー・・(´▽`;)ゞ”と思いつつも手に取ってしまいました。
夫を亡くして、塞ぎ込んでいたお佐和の家に、お腹の大きい野良猫が迷い込んできます。
“福”と名付けたその猫と、生まれた仔猫たちの面倒を見るうちに、心癒されて立ち直っていくお佐和。
福に“ネズミ捕り”の依頼が舞い込んだのをきっかけに、お佐和は猫がらみの商売をしようと、思い立ちますが・・・。
シリーズ第一弾となるこの巻は、お佐和がお江戸版・保護猫センター&保護猫カフェ(猫グッズも売ってるよ!)の「福猫屋」を始めていくまでお話。
とにかく猫がわんさか登場するので、その可愛らしさに癒されます。
てか、それ目当てで読んでいますw
で、お佐和の猫ビジネスの方は、最初のうちは猫グッズの売り上げがさっぱりだったり、猫の里親が見つかったはいいけれど貰われた先の思わぬ事情等で、幸せな生活を送れていない猫がいたりと、数々の課題が出てきますが、試行錯誤しながらも徐々にうまいこと軌道に乗っていく展開です。
猫を引き取った以上は、きちんと責任を持って最後まで家族として飼育できるか?といった問題は、現代のペット事情にも通ずるものがありますよね。
主人公のお佐和は、若干考えが甘いところはあるものの、猫の幸せを真摯に願っている優しい人なので、つい応援したくなりますね。
あとレギュラーメンバーとしては、お佐和の夫の兄弟子で、猫が苦手だけどお佐和の力になってあげている錺職人の繁蔵さんや、途中から「福猫屋」のスタッフになるクールでシャイなお縫ちゃんもええキャラです。
ただ、お佐和の甥っ子・亮太に関しては個人的にモヤついてしまうんですよね~。
登場当初は、やたらお佐和に執着していて繁蔵さんをライバル視(?)しているような言動が“え?この話は亮太と繁蔵さんがお佐和を取り合う話?”と困惑した程・・。
で、何かと理由をつけて錺職人の修業をサボリがちだし(猫関係の事には積極的に協力するので、皆騙されて?いますが、私は見逃しませんよ!)、繁蔵さんに師事するようになっても口答えばかりしてるし、“もう、何なん?コイツ!”とついプリプリしちゃいました。
まぁ、猫が可愛いので今回は許しますけどね(←?)。
という訳で、続編を読むかは、今後の亮太の心がけ次第だな・・って、それは読まきゃわからないんですけどね~ww。