三國青葉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
雨城藩の奥向きを守る女武芸者『別式女』筆頭を務める万理村巴の奮闘とその家族との日々を描くシリーズ2作目。
前の筆頭で今は菓子屋の主人に嫁いだ世津に招待され、月見の宴で菓子屋に出向いた巴。
遅い結婚で周囲から様々な声があった世津と語り合い、自分の愚痴も話して少しスッキリした巴。だがそんな二人の前に不穏な殺気を帯びた浪人が現れ…「月見」
別式女たちとの女子会を万理村家で行うことになった。覗くなといってもあの手この手でやって来る万理村家の男たち。
だが今年は結婚を機に別式女を止める初音の送別会も兼ねていて…「後の雛」
この二話に関しては働く女性の取り巻く環境というのが現代に通じるものとして描か -
Posted by ブクログ
とても読みやすかった。
タイトルは『母上は』となっているが、主人公はその母上である万里村巴。
「別式女」とは大名家の奥を守る女武芸者のことで、巴はその別式女たちをまとめる筆頭。
その夫の音次郎は上屋敷の賂い方助という料理人、巴の父は元勘定方組頭の源蔵。この二人は相性が悪く源蔵が音次郎に小言を言えば音次郎は皮肉で返すという言い合いが繰り返される。
息子で9歳の誠四郎は食いしん坊だが料理人になるには不器用で、武芸を習っているが巴のように強くはなく、とどちらの血を強く引いているのかはまだ分からない。
家族の個性がぶつかり合っているようで上手くバランスが取れている。
巴は武芸は得意だが料理はからき -
Posted by ブクログ
ネタバレ「別式女(べっしきめ)」とは大名家の奥を守る女武芸者のことだそうです。初めて知りました。
雨城藩で別式女筆頭をつとめる万里村巴。
婿入りした夫の音次郎は上屋敷の賄い方助で料理上手で、いつも美味しいものを食べさせてくれます。
父の源蔵と一人息子の誠之助の四人暮らしです。
一人息子の誠之助のことを心配する巴ですが、実は誠之助は巴が思っているよりずっとしっかりしているのかもしれません。
音次郎や源蔵に比べ巴の人物像が大人しすぎる気がします。女だてらに武芸者であり、目立ってしまうことを敬遠している、それは息子の誠之助に不利益がないようにとのことでしょうけれど、物足りなさを感じてしまいます。
続きが -
Posted by ブクログ
ネタバレ錺職人の夫が急逝し、子どももいないお佐和は生きる気力を失っていました。それを救ったのは一匹の野良猫。元々猫好きだったお佐和は家の前で野良犬に威嚇されている猫を助けました。お佐和はお腹が大きかったその猫を福と名付けて飼うことにしました。福が仔猫を生んでお佐和も猫たちの世話にてんやわんや。福がネズミ捕りが得意なことからお佐和は猫の新商売を思いつきますが ――。
猫好きとしてはこのタイトルに素通りできません(笑)
夫の弟子だったお佐和の甥の亮太がお佐和を心配するのは普通だと思いますが、夫の弟子達を引き取ってくれた政吉(夫が修行していた親方の息子)がそれを禁止するのは何故なのかよく分かりませんでし -
Posted by ブクログ
猫+江戸モノ=好物。
ということで、“我ながらチョロイ奴だなー・・(´▽`;)ゞ”と思いつつも手に取ってしまいました。
夫を亡くして、塞ぎ込んでいたお佐和の家に、お腹の大きい野良猫が迷い込んできます。
“福”と名付けたその猫と、生まれた仔猫たちの面倒を見るうちに、心癒されて立ち直っていくお佐和。
福に“ネズミ捕り”の依頼が舞い込んだのをきっかけに、お佐和は猫がらみの商売をしようと、思い立ちますが・・・。
シリーズ第一弾となるこの巻は、お佐和がお江戸版・保護猫センター&保護猫カフェ(猫グッズも売ってるよ!)の「福猫屋」を始めていくまでお話。
とにかく猫がわんさか登場するので、その可愛らしさに