あらすじ
文政元年(1818年)、損料屋(江戸時代のレンタルショップ)巴屋の惣領息子・又十郎は17歳になってからも親から丁稚扱いをされていた。損料屋といえばいちばんの得意先は長屋。長屋から長屋への引っ越しなどではわざわざ家財道具は購入せずレンタルで済ますことが、上方ほどではないにせよ江戸でもそれなりにあった。最初の事件は巴屋の店の入っている長屋だった。大家にヘンな物音がする部屋があるので見てほしいと頼まれてついていくと、部屋の隅に見事な幽霊の姿。もともと霊感らしきものが強いとは自覚していたが、あまりに鮮明なそのお姿に又十郎は腰を抜かしてしまう。これが「事故物件」のなせる業なのか!
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匿名
勿論悪人もいるけれど、登場人物が情にあつく、良い人達ばかり。ちょっと悲しいけれど。
兄妹は伝兵衛に餌付けされてないか?とちょっとクスっとしました。
Posted by ブクログ
幽霊が見える又十郎と妹で「モノ」に残った声が聞こえる天音。
思いを残したがために成仏できずにいる幽霊を救う2人がいい。
義理の妹で、なかなかあんちゃんと呼んでくれない天音を大事に思う又十郎が微笑ましくて。
両親の平助とお勝もいい。
1編目の佐吉がろくでなしすぎて頭にきてたんだけど、人って変われるんだなと嬉しくなる。
「菖蒲打ち」も「朝顔」も、悲しい事件ではあるけれど、最終的には救われるのにほっとする。
そして、余話がとても嬉しい。
きっと、もう一息だね、天音。
次巻が待ち遠しい。
Posted by ブクログ
あやかしもので、今まで読んだことがない作品を探していて見つけました。
時代小説&あやかし、大好物です‼️
ファンタジーに振り切っていないところも、私は好きです。
「幽霊」が見える体質の兄と「物に遺された思念」が聞こえる義理の妹のバディ。
江戸の長家の生活が垣間見えるところも、好きです。
ちょっと空回りしちゃうけど、真っ直ぐな兄と、無口だけど優しい心根の義理の妹、これからの活躍を見守っていきたいと思える1冊です。
Posted by ブクログ
損料屋を営む巴屋の跡取り息子、又十郎は幽霊の姿が見える。そして義理の妹天音は幽霊の声が聞こえる。そんな二人の元に幽霊が出て困っている人達から助けてほしいと頼まれるようになる。
二人の活躍を描いた作品。
又十郎と天音のコンビが、怖がりながらもなぜ幽霊が化けて出るようになったのかを推測し成仏させてあげる。
ほんのり心温まる話。
Posted by ブクログ
新・ご贔屓作家開拓中で手に取る。
妖怪系でも食べ物系でもチャンバラ系でもない本を探していた。
幽霊というのでホラーかと思いきや人情ミステリーだった。
次作もあるので読んでみる。
Posted by ブクログ
主人公の又十郎が「幽霊が見える兄と幽霊の声が聞こえる妹」という前情報から勝手に想像していた兄像と大分違っていたのですが、「優しい子」というのは当たっていて、「幽霊の心残りを探って成仏に導く」という、幽霊は出てくるけれどまったく怖くない、仕事疲れにも読みやすいハートウォーミングなシリーズです。