【感想・ネタバレ】母上は別式女のレビュー

あらすじ

「別式女」は実在した。大名家の奥を守る女武芸者のことで、御三家や仙台藩などの大藩には置かれていたが、万里村巴が仕えるたった5万石の雨城藩に6人もいるのは珍しい。なかでも巴はその統率者たる「別式女筆頭」なのである。その任務は多岐にわたり、藩主の妻女の護衛のほか、家臣の子女への剣術指南なども行った。だが巴は、剣の腕は立つが料理はからっきし。反対に夫の音次郎は、上屋敷の賄い方助として料理の腕をふるっているのだ。そんな「凸凹夫婦」の万里村家には、皮肉屋の父や楽天化の息子もいて、まったくもって目が離せないのだ……。

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Posted by ブクログ

いいわー、こういうの、大好き。
万里村家のみんなが、それぞれに魅力的。
音次郎はちょっと困ったちゃんに見えるけど、妻や息子を大事に思っているし。
男たちの嫉妬を受けて嫌がらせをされても立派にふるまう巴がかっこいい。
息子の誠之助も、子供にしてはできすぎだけど、花見のあの話や、とんでもな老人への言動が好き。
大殿様も素敵だったー。シリーズ化してもっと登場してほしい。
楽しみに待つことにしよう。

1
2024年09月28日

Posted by ブクログ

とても読みやすかった。

タイトルは『母上は』となっているが、主人公はその母上である万里村巴。
「別式女」とは大名家の奥を守る女武芸者のことで、巴はその別式女たちをまとめる筆頭。
その夫の音次郎は上屋敷の賂い方助という料理人、巴の父は元勘定方組頭の源蔵。この二人は相性が悪く源蔵が音次郎に小言を言えば音次郎は皮肉で返すという言い合いが繰り返される。
息子で9歳の誠四郎は食いしん坊だが料理人になるには不器用で、武芸を習っているが巴のように強くはなく、とどちらの血を強く引いているのかはまだ分からない。

家族の個性がぶつかり合っているようで上手くバランスが取れている。
巴は武芸は得意だが料理はからきし、音次郎は料理の研鑽のためと言いながら何かと巴に小遣いをせびる上に、何と誠四郎の小遣いまで狙っている。
だが巴だけでなく誠四郎も上手。
源蔵と音次郎はいつも喧嘩しているようで互いを気遣う面もある。

全体的に軽快で、勧善懲悪なところが心地よい。

続編もあるようなので、誠四郎がどう成長するのか読んでみたい。

0
2025年09月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「別式女(べっしきめ)」とは大名家の奥を守る女武芸者のことだそうです。初めて知りました。

雨城藩で別式女筆頭をつとめる万里村巴。
婿入りした夫の音次郎は上屋敷の賄い方助で料理上手で、いつも美味しいものを食べさせてくれます。
父の源蔵と一人息子の誠之助の四人暮らしです。

一人息子の誠之助のことを心配する巴ですが、実は誠之助は巴が思っているよりずっとしっかりしているのかもしれません。
音次郎や源蔵に比べ巴の人物像が大人しすぎる気がします。女だてらに武芸者であり、目立ってしまうことを敬遠している、それは息子の誠之助に不利益がないようにとのことでしょうけれど、物足りなさを感じてしまいます。
続きがでているようですので次巻に期待します。

0
2025年02月21日

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