フランシス・ハーディングのレビュー一覧

  • ささやきの島

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    出てすぐに読んだのに登録しわすれてた。
    表紙も、なかの絵も美しくて、本の姿もすばらしい1冊。
    こんど読み返そう。

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    2025年10月30日
  • 嘘の木

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    嘘を栄養分に成長して実を成らせる嘘の木。ファンタジーだから、好き嫌いは分かれると思う。でも、児童文学としての位置付けならば、思春期の何者でもない中途半端な時期に主人公が父の死の秘密を解き明かし、母の生きるすべを許していく子どもの成長の物語とも言える。そして、自分の進むべき道を見出していく。
     決して幸せな話ではないが、作者の緻密な文章に引き摺り込まれる内容。そして、最後には主人公フェイスがこれからどのように成長するのか、博物学者としてこの時代に生活していけるのか、いろいろ考えてしまう。余韻のある作品。

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    2025年07月26日
  • ガラスの顔

    ハーディングの作品はこれで4冊目。いつにも増して凝った世界観で、珍しく物語に入り込むのに少し時間のかかってしまった作品でしたが、最後まで読んで、あぁやはりハーディングらしい、イギリスの王道ファンタジーだと納得がいきました。ぜひ皆様に読んでほしい一冊です。

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    2025年04月23日
  • 嘘の木

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    人生経験で人の見え方や世の中の見え方がガラッと変わることを教わった。
    主人公の知性の解放、推理、登場人物の豊かなキャラクター、物語が一転二転するにつれて深まる推理や、女性の格差社会の時代背景などすべてのギミックがハマった。
    過去に大切にしてきた自分の価値観と現実どちらも認めて、前に進み出す主人公や女性達の生き様がかっこよかった。
    読後感も気持ちよく、主人公がかっこいい。
    また読み返しても味わい深いと思う。

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    2025年04月16日
  • 影を呑んだ少女

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    ネタバレ

    フランシス・ハーディングの邦訳3作目。
    今作も、戦わざるを得なくなった少女の物語。「嘘の木」「カッコーの歌」と比べると、先の読めない意外な展開が多い。

    17世紀イギリス。母親に先立たれたメイクピースは、死んだ父の生家に引き取られる。ただそこは、母が何かから逃げてきた場所でもあった。内戦の音が近づく中、奇妙な父の親族たちから逃げ出すことを決めたメイクピースだったが。。。

    舞台はピューリタン革命の足音が聞こえる内戦状態のイギリス。ジャンル的には歴史冒険ファンタジー。過去作にはないほど、史実である内戦の影響が物語に影を落とす。
    非常にミステリ要素のある展開というか、先の読めない展開があるため、事

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    2025年04月04日
  • 嘘の木

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    全女子に読んでもらいたい本!
    舞台は19世紀のイギリス。今よりずっと女性に権利も自由もなかった時代。
    出てくる女性たちが皆、自分の武器を最大限活かして戦っているのがいい。
    一見男性社会に抑圧されているように見えても、逞しく生きている。
    主人公が知性を生かしてダークヒーローになりかけていく展開は、いったいどうなるのかと予想がつかなかった。
    非常に読み応えはあるけど子供騙しじゃなくて、でも児童書らしく爽快な読後感。
    おすすめ。

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    2025年03月13日
  • ささやきの島

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    ハーディングの短編
    今までで一番読みやすいけれど、しっかり読み応えもある
    ハーディングらしい子供が主人公のブラックファンタジー

    詩と死を通して主人公と思いを残した者が成長する姿と、ハーディングの言葉のオシャレな紡ぎ方を楽しめた

    電子書籍で読んだが、電子書籍も絵付きで本文も画像のためにテキストを拾ったりハイライトが入れられないのと文字が小さいのが老眼にはちょっと読みづらい… ピンチがやっかい

    あと彼女の文章にたくさん挿絵をつけてくれちゃうのは楽しみを半分取られるような気分なので個人的にはいらないです
    児童書扱いとするのはちょっと違うかと思う

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    2025年03月02日
  • 呪いを解く者

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    フランシス・ハーディングの過去作品だと主人公が女の子だったがここに来て初めての男の子!そしてその相棒はフランシス・ハーディングお得意のダウナーめ女の子でハーディング作品が好きな人にはとにかく刺さるファンタジーだった。ガラスの顔がいけた人はおそらくこれもいけるが、ガラスの顔がキツかった人はおそらくこれもキツいと思う。

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    2025年02月22日
  • ささやきの島

    購入済み

    挿絵は多いが中身は濃厚

    日本で訳されている作品には外れがない。挿絵が多く、いつもより短くてシンプルな筋立てだが、いつも通り濃い人生が描かれる。敵に追われ、妨害を乗り越え、舟を進める少年。父に教えられた道を必死にたどるが、なかなかうまくはいかない。ネタバレになるので難しいことは脇に置くと、手に汗握るストーリーは単純におもしろいです。

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    2025年02月16日
  • ささやきの島

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    死者の魂を乗せる船の渡守の父が殺されてしまい、息子のマイロが父の代わりに渡守になる。

    追われながらもちゃんと渡守としての仕事が出来るのか、自分本位で傲慢な人たちとの対峙にハラハラ。マイロは迷いながらも厳しい父とは違って彼らしいやり方で渡守としての仕事を果たす勇気ある姿に胸を打たれた。

    絵と物語の融合が素晴らしかった!

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    2025年02月02日
  • ささやきの島

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    ネタバレ

    容赦のない厳しさ
    その中で彼を導いたもの、父親と渡し守という仕事への誇り
    恐怖と絶望の中にあっても失われない尊厳
    この短いページの中に織り込まれた著者の世界観には驚かされる

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    2025年01月20日
  • ささやきの島

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    「嘘の木」の著者フランシス•ハーディングの最新作はイギリスの絵本作家エミリー•グラヴェットの挿画が付いた120ページの短編。この挿画がよくはまっていて素晴らしい。

    マイロの父親は死者の魂を船に乗せて送り届ける渡守り。島の住人は死者が出るとその靴を渡守りのところへ持っていく。渡守りの仕事は、兄のレイフが引き継ぐことになっていた。そんなある日、領主の娘が亡くなり、父親は靴を受け取った。ところが領主は娘の死を受け入れず、靴を取り返そうとする…

    死とは何か、生きるとはどういうことかを問いかけるファンタジーとして大一級の傑作だと思います。
    父親がマイロではなく兄のレイフを後継者に指名したのは何故か。

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    2025年01月13日
  • カッコーの歌

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    ネタバレ

    フランシス・ハーディングの邦訳2作目。前作「嘘の木」はファンタジーミステリだったが、今作は冒険ファンタジー。

    池に落ちて記憶を失った少女トリス。その日を境に、毎朝耳元でカウントダウンが始まり、異常な食欲に悩ませられる。妹のペンは過剰なまでの憎しみを向けてくるし、死んだ兄の婚約者と両親の間にもトラブルがあるらしい。身の回りで一体何が起きているのか。。。

    序盤は本当に何が起きてるのか分からないのだが、中盤にあることが判明してからようやく話の筋が掴めるようになる。そのことにより登場人物たちの見え方もガラリと変わってしまい、見事な転換。
    終盤の父親に対する指摘が本当にもっともで。いわゆる無自覚な毒

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    2024年06月16日
  • 嘘の木

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    フランシス・ハーディングの作品はカッコーの歌、影を呑んだ少女 ときて3番目に読んだのがこれ。中盤まで嫌〜な大人たちの描写が続き、それに比例するかのようにジワジワと主人公も陰湿な内面が出てくるあたりはいつも通り。周りの陰湿さで言うと上述の2つよりこの本のほうが陰湿で読んでいてゲンナリしてくる。ただ、中盤以降で話が大きく動いていくのは流石で作品のテーマもわかりやすく、『嘘』という事柄が最初から最後まで一貫していたしエンドも投げっぱなしではないところが良かった。残りのハーディング作品も早く読みたい。

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    2024年05月13日
  • カッコーの歌

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    序盤は妹に虐げられてばかりでなんだこの妹は!となり、トリスの視点からなる描写もところどころ何言ってるんだこいつ?となり読んでいてずっとこれが続くのか…とちょっとげんなりしたがなんてことはない。中盤から怒涛の展開で序盤の妹の態度と謎の描写の理由もわかり、後半はもうスピード全開。ジブリ映画を一本観たような感覚になれるし、映画化も全然いけるレベル。文庫版もあるのでフランシス・ハーディングを初めて読むならこれがオススメかも。

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    2024年04月27日
  • カッコーの歌

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    英国ファンタジーってどうしてこんなに魅力的なのでしょうか。ダレンシャンのようなダークファンタジー好きにおすすめ。人間ではない生き物や魔法、少々捻れている人々、ちょっと前に出たあれだ!という伏線回収、きっと大好きなはず。

    子どもが読んでも楽しい。でもトリスの健気さやモズの職人っぷりに心打たれたり、大人の気持ちがさらっと書いてあったりもするので、大人が子どものように夢中になって読む方がもっと楽しめるかもしれません。

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    2024年04月25日
  • 嘘の木

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    19世紀英国舞台のフーダニットミステリーでもありファンタジーでもあり、ジュブナイルもの。

    19世紀英国、フェイスは高名な考古学者である父親の仕事の都合でとある島に移住。
    大人しく目立たない存在であろうとするフェイスは、尊敬する父親の秘密と嘘と罪が暴かれるごとにその殻を破って、父親を殺した犯人を突き止めていく。また父親が隠し殺される原因となった嘘を食べて育つ木の正体は…?

    ・感想
    殺人事件が起こるまでは19世紀の厳格な家父長制描写とか主人公が父親を神の如く盲信してたりちょっとイライラもどかしく思いながら読んでたけど、父親が死んでから父親の呪縛と呪いから開放され殻を脱ぎ捨てたフェイ

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    2024年03月03日
  • 呪いを解く者

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    「誰にでも錨がある。」

    人はみなそれぞれに「闇」を抱えて生きている

    人はみなそれぞれに「怒り」を滾らせ生きている

    人はみなそれぞれに「恨み」を隠して生きている

    「恨み」が隠しきれないほどに大きくなったとき〈小さな仲間たち〉は善意から「呪いの卵」という贈り物をくれる


    「闇」に包まれ

    「怒り」に我を失い

    「恨み」があふれて

    「呪い」をかけてしまいそうなとき

    自分には錨があることを思い出せたら
    踏みとどまることができるはず

    「誰にでも錨がある。」

    あなたの錨は誰ですか?

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    2024年02月25日
  • 嘘の木

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    父の死の真相と嘘の木の解明をめぐるミステリー。
    YA向きです。もっと若いとき、できれば主人公と同じ年頃で読みたかったと思います。歳をとって読んでもこれだけ面白いのですから。

    ダーウィンの『種の起源』が発表された頃、まだ女性が自由ではなかった時代の話。
    女性たちとひとくくりにされながらも、登場人物たちがそれぞれの個性を活かしてしたたかなところがグッときました。
    自分にもし娘がいたら、読んでみて、と薦めたくなる本でした。

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    2024年02月21日
  • 呪いを解く者

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    ★5 呪いに影響された世界を救うため旅にでた少年達… 闘いの果てに得た善悪の答えは #呪いを解く者

    ■あらすじ
    湿地と森で構成される原野が広がるラディスが舞台、この世界ではクモに似た小さな仲間によって、人に呪いをかける力を得ることができる。少年ケレンは呪いを解くことができる特技を持っており、かつて鳥にかえられてしまっていた少女ネトルと旅を続けていた。
    呪い人が許せない二人は、呪いに犯された世界を救うために冒険を続ける。果たして呪いはなくなり、人々は幸せになれるのだろうか…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    こりゃまた、すごい物語だわ…
    今までに想像したこともなかった世界につれてってくれる。いつ

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    2024年02月10日