フランシス・ハーディングのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かった〜!良質なイギリス文学の冒険ファンタジーを読んだ満足感。
主人公は、トリスと呼ばれる女の子。建築技師の父を尊敬し、母の言いつけを守り、妹のペンを毛嫌いする。だが、実は、彼女大きな秘密が、と、あとはネタバレ。
最終的にこの家族の形が変わっていくのがいい。そして、トリスはトリステという名前をペンに付けてもらって、大切にする。まっすぐなゆえに捻くれざるを得なかった、ペンの変化は劇的だ。トリステの中に芽生える姉の意識も好き。
映画化を希望。『モモ』よりも個人的だけど面白い。あーだが、映像化すると少々グロい部分もあるか。アニメならOK?『コープスブライド』のようにストップモーショ -
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Posted by ブクログ
面白かったです。ハーディングは大人が読んでも面白いです。
困難に立ち向かっていく自己形成小説が特徴であり、今回も少女の冒険活劇だったけれど、舞台設定とキャラ設定が秀逸。
ピューリタン革命前の1634年頃のイギリスの激動の時代に、霊を憑依させた上、共存するという不気味で奇抜なアイデア。
10歳〜15歳。人生経験も少ないし味方もいない天涯孤独。
どんな能力をもってしても、一人ではか弱いほんの子供だけれど、メイクピースはたくましく大胆に周到に準備していく。生き残るために誰を信じて共存するか?
そのあたりも見守っていたくなる。
ピューリタンであろうがプロテスタントであろうが、王党派であろうが、議会派 -
Posted by ブクログ
ファンタジーであり、ミステリーであった。
児童書であり、歴史書であり、伝記であった。
そして小説であり、自叙伝であり、哲学書であった。
これが児童書なのかと驚いた。様々な側面を持つ、何とも読み応えのある本。
翻訳本特有の読みづらさも少ない。
文庫本なのに1200円もするだけはある。
女性の権利があまりにも低く、読んでいるだけで嫌気がさすような差別を受ける中、それでも強く自分の信じた道を歩く女性が沢山出てきた。
序盤、話の中心は男性だったが、後半になるにつれてその舞台には多くの女性が台頭してくる。真っ直ぐにそれぞれの自分の信念を貫く母娘、どちらの気持ちもわかってしまい胸が苦しくなった。
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世界の運命を決する戦いに巻き込まれてゆくわけではない。死と生の均衡を保ち世界を救うために旅に出るわけでもない。
渡し守は、霧深い小さなマーランク島で、なすべき仕事を粛々と果たす存在だ。
敬意は払われていても、あくまでも職人として、家業として、死者が島に留まって災いを招かないように、壊れた塔の島へと船で運び続けてきた。
渡し守に向かないと父に告げられた少年が、悲しみや怯えに屈っしそうになりながらも、父のやりかけた仕事を引き継いで船を出すのは職責を全うする意志からだ。
この父と息子の厳しくも認め合う関係性が、死とは何かという幻想的な物語の芯となっている。
死者に思いを巡らし、死者の声に応えるこ -
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魂の息吹と囁きが読み手まで伝わってくる… 夢の中を冒険しているようなファンタジー #ささやきの島
■あらすじ
主人公マイロの父は死者の魂を島に送りだす仕事の渡し守をしていた。父の仕事に憧れているマイロだったが父からは渡し守には向いていないと言われていた。
ある日、領主の娘ガブリエルが亡くなってしまうが、領主は娘の死が受け入れられなかった。そのトラブルに巻き込まれた父は殺されてしまい、島に死者の魂が放たれてしまう。
マイロは父の任された渡し守の仕事を引き継ごうとするが…
■きっと読みたくなるレビュー
いつもファンタジーな世界に誘ってくれるフランシス・ハーディング。今回の作品はかなり短めな -
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ネタバレ強く成長する少年少女の冒険譚を書かせたら、右に出る作家はいないのではないか。フランシス・ハーディングの絵本。
死者を正しく導かないと、島中を闊歩することになる。そんな島で魂の渡守をしていた父が死に、後継と思っていた兄が捕まり、半ば無理矢理に渡守になる必要があったマイロ。娘の死を信じたくない領主に追われながらも、死者たちの魂を運ぶマイロの冒険。
首のない鳥、骨でできたアーチ、途中から螺旋階段しかないあの世とこの世を繋ぐかのような塔など、いつもの幻想的、ファンタジックな世界が、挿絵がつくことにより一層引き立てられ、絵本としては非常に満足。
ただやはり、ガッツリと長編で読みたかった。主人公のマイ -
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舞台は19世紀の英国。翼のある人類の化石を見つけた博物学者で牧師のサンダリーだが化石は捏造だとの噂が流れ、一家はヴェイン島へ移住する。しかし噂は島にまで届き、ある夜サンダリーは不審死を遂げる。その死は自殺と疑われ牧師でもあったサンダリーの埋葬許可も下りない。一家は島民たちから村八分され居場所を失う。そんな中、殺人を疑った娘のフェイスは父の死の真相を調べ始める。遺された父の日記から、嘘を養分に育ち真実を見せる実をつける「嘘の木」のことを知る…。
前半は退屈だ。サンダリー家の環境や登場人物の人となりの説明なのだろうが、淡々と話は進む。特に事件は動かないし、不思議なことも起こらない。しかし後半から -
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『嘘の木』に続く著者第八作。
今作の舞台は1642年、清教徒革命下のイギリス。特殊な能力をもつ少女•メイクピースは暴動で母を亡くし、亡き父の一族のもとに引き取られる。王党派の父の一族は、代々あらわれる特殊な能力をもつ者をつかって邪な目的を果たしていた。その能力とは"霊に取り憑かれる力"。しかしメイクピースにはひた隠しにしている事実があって…。
幽霊が出てくるゴシック•ファンタジー。多様な仕掛けのある歴史ファンタジーでもあり、十五歳の少女が苦難を乗り越えていく成長の物語でもあります。
イギリスで賞を取った『嘘の木』も面白いけど、その一作前の『カッコーの歌』も、本作も面白い。 -
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「嘘の木」の著者によるダーク•冒険ファンタジー。発表は「嘘の木」(2015)の一作前で「ガラスの顔」(2012)の次の作品が本書。(2014)
舞台は第一次大戦後のイギリス。11歳の少女トリスが意識を取り戻す。池に落ちた。記憶が混濁している。父と母と妹のペン。ペンはトリスを嫌っている。耳元で声が囁く。「あと七日」だと。いったい何が起こっているのか分からない。母のもとには戦死した兄からの手紙が届き続けている。どういうことなのか…。
ティム•バートン(「ナイトメア•ビフォア•クリスマス」「シザー•ハンズ」などの作者)の描く世界と、通底するものを感じました。それは、両者とも"自分は何者 -
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19世紀末のイギリス。「種の起源」が出版されて間もない時期。女性が個人としての存在を認められることはない時代。14歳のフェイスは、家族と共にヴェイン島に移住する。牧師であり、博物学者でもある父は、翼のある人類の化石を発見したことで捏造者の汚名を抱えていた。父に認められるような博物学者になりたいと密かに思っているフェイス。そんな父は、フェイスに手伝わせて島の洞窟に1本の木を隠し、翌朝死体で発見される。父の死は自殺ではないことを証明しようとするフェイス。謎を握るのが父と共に隠した木である事に気づくが…。
離島という閉じられた空間で起こった殺人事件の犯人探しミステリーであり、『嘘の木』という架空の