小林武彦のレビュー一覧

  • 生物はなぜ死ぬのか

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    【内容】
    遺伝子の変化(変異)が生み出す"多様性"があるからこそ、生物は環境の変化に適応しながら進化してきた。その過程では、環境に適応できなかった個体が死ぬことで自然選択が働き、結果として様々な生物が様々な「死に方」をも獲得してきた。生物が死ぬ主な理由は、一つに食糧や生活空間のバランスとの調整であるが、もう一つ重要なのは多様性を維持するためであると筆者は説く。激しく変化する環境下で生き残るための「変化と選択」の仕組みの一部として、寿命や細胞死などの「死を内包した仕組み」を進化の過程で生物は獲得してきたと筆者は指摘する。「死は生命の連続性を支える原動力だから」、というのが本書の題名の問いに対する答えとして提示される。そして最後に、死を前提としている生物である我々人類は、死なずに全てを記録するAIとどう付き合っていくべきかを論考して本書は終わる。

    【感想】
    内容自体にそれほど目新しさはないように思われた。また最後のAIに関する言及もとってつけた感は否めなかった。
    死ぬことによって多様性を維持してでも存続されるのは、受け継がれる遺伝子である。「利己的な遺伝子」はまだ読めていないので、本書と関連づけて読みたいと思う。

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    2026年07月20日
  • なぜヒトだけが幸せになれないのか

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    人は元々、コミュニティを形成し支え合って生きていく生き物。また、コミュニティで生き残るために、評価を得るために他者と比較する生物。
    それが遺伝子レベルで組み込まれているので、現代のようなコミュニティが希薄で、評価の実態を得にくい状態だと幸せになるのが難しいとの事。
    かつ、幸せになる為のテクノロジーの使い方も上手くない。

    では、幸せになるにはどうしたらいいか。
    コミュニティ作ろうよ、みんなで支え合おうよ。

    確かにそうなのだが、個人的にはやはりそれだけでは人生物足りなくて。
    自己実現の要素も欲しいのだよな〜と思いながら読み進める。

    ここでマズローの五体欲求の図を改めて見てみた。
    自己実現の欲求はあくまで、安全や所属の上に成り立つ。
    自己実現で幸せを感じるためにはその土台が不可欠なのだな。
    幸せを感じにくい時に、必要なことをシンプルに思い出せるようになったかも。

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    2026年05月07日
  • なぜヒトだけが老いるのか

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    前半は遺伝子についてなど、興味深く読めたが、後半は高齢者に対する著者の要望といった内容で読んでいて辟易した。
    高齢者であれば、自分もシニアとして利他の心で生きていこうとか、自分にも役目があるとか前向きになれるかもしれないが。

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    2026年04月07日
  • 生物はなぜ死ぬのか

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    ネタバレ

    結論としては「生物として次代のために死ななければならない」という、ドーキンスあたりが言っていた話と被ってしまうんだけど、コンパクトにまとめてくれたのは感謝だね。

    ただ、最後に語られたAIの話はすこしこの領域を拡大解釈しすぎている気がするなぁ。
    他の生物のために、ある生物が利他的に死ななければならないのであれば、人間も他の何かのために利他的に死ぬことを肯定しなければならない。例え自分たちが残らなくてもその後に続く何かのために去ることは、AIという「残り続けるかもしれない何か」を肯定することと同義じゃないのだろうか。

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    2026年03月22日
  • 博士が愛した論文 研究者19人が語る“偏愛論文”アンソロジー

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    最近よく聴くポッドキャストで紹介されていた本。こんどお会いすることになっている学者センセイの頭の中の深いところを探るのに役立つかと思って読んだ。

    やはり興味深く読んだのは、このところどっぷり浸かっている鳥類関係のはなし。川上先生は軽妙な語り口で、キャッチーな論文を紹介してくれた。恐竜学者の小林先生の項では、鳥類の祖先が恐竜だったことが学会の主流になったのは
    1998年の論文発表からだった、と知った。1985年生まれの私は、子どもの頃から始祖鳥の存在は知っていたが、それが鳥と恐竜とを繋ぐ存在だという認識は薄く、あくまで鳥の祖先だ、という理解だったのだが、それが当時はふつうの解釈だったようだと再認識。

    恐竜、土、岩石、老化…。知っていたことよりも知らなかったことが多かったし、自分が生きている間に分かったことも多いな、いうのが率直な感想。世界はまだまだわからないことで溢れていて、それを知ろうとする面白い人がたくさんいる、ということが伝わる本。

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    2026年03月06日
  • 博士が愛した論文 研究者19人が語る“偏愛論文”アンソロジー

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    世の中で、博士と呼ばれてる人たちが心揺さぶられた論文を紹介してくれる。文章的には、その博士の個性が出てきますが、心引かれました。
    理系の博士ばかりなのが、ちょっと残念。論文の意味するところは、わかったような、わかっていないような(笑)
    それでも、博士たちの思いが人それぞで、面白かった。

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    2026年03月05日
  • 博士が愛した論文 研究者19人が語る“偏愛論文”アンソロジー

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    AIに聞いたところ、オタクとは、アニメ、漫画、ゲーム、アイドルなど特定の趣味分野に強烈なこだわりを持ち、時間や金銭を極端に費やして深い知識や情熱を持つ人を指すらしい。趣味、ではないが特定の分野に強烈なこだわりを持つ面では研究者もオタク気質なのだろう。オタク達が自分の推しを語る際の勢いは凄まじい。5W1Hを駆使して推しの尊さを押し出してくる。多分、相手に伝えたいのではない、語りながら自分の中で推しの尊さを整理している。この本に登場する研究者達もそんなオタク達だ。自分の愛する分野での推し論文をピックし、尊さを語っている。研究分野も、文章から覗く著者の性格も、どれも多様だけど、愛する論文のために筆を走らせる事が苦ではない様子は共通している、というかみんな紙面が足りなさそうだった。

    自分の愛する分野を見つけ、その分野への愛を深める事によって生活できるとは、なんとも幸せな仕事なんだろうなぁと感じました。

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    2026年02月22日
  • 生物はなぜ死ぬのか

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    これまで考えたこともなかったことが書いてあった。生物は死ぬことによって他の存在の材料になる、とか、たくさんの種が滅びることで他の種が勃興するきっかけになるとか。
    死を恐れないことは難しいが、死ぬことは必然の仕組みになっているというのはフーンと思う。

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    2026年02月20日
  • 生物はなぜ死ぬのか

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    「なぜ死ぬのか」の答えはしごくまっとうで、ふつうに納得できる。

    DNAの複製ミスやその修復などの「専門的」な説明は、図版の助けがあっても一読ではなかなかわからない。が、そこは読み飛ばしても本書の主旨の理解には支障をきたさない。

    「人体は4年ですべての細胞が入れ替わる」「細胞は50回分裂すると死ぬ」といった小ネタが面白かった。

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    2026年01月29日
  • なぜヒトだけが幸せになれないのか

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    死を生物学から考えた著者の本である。幸せということを正面からとりあげたものではないが、著者が新幹線で通勤する理由がわかる。

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    2025年12月14日
  • なぜヒトだけが老いるのか

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    人の老いる仕組み。DNAの損害、脳と心臓の変わらない細胞による器官の衰え、幹細胞の減少。それに対してPD-L1を阻害して免疫細胞の力を強めるやP53でアポトーシスを早めるといったことで老化細胞の蓄積による炎症性サイトカインの放出を低減させることが今後考えられる。
    以上のことを他の生物とも比較して、人間にのみある老後をうまく若い人と分業して過ごすことが重要と主張

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    2025年10月13日
  • 生物はなぜ死ぬのか

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    大枠はつかめるものの、ちょいちょいついていけない小難しい話が。で、どうなのか、というところもちゃんとあるが、さらに深い話に仕立てることもできそうなのに、もうちょい!惜しい!…という超私見の感想でした。

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    2025年09月25日
  • 生物はなぜ死ぬのか

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    実は「生物はなぜ死ぬのか」より以前の
    「生命とはなにか」がこの春以来、
    熾火のように未だ燻っている状態だったので、
    タイトルが目に入った途端連れて帰った本。

    はじめにの1行目から、ものすごく興味深い。

    宇宙的な視野の広さをもって見ると、地球には2つのものしかありません。
    それは「生きているもの」とそれ以外です。(3頁)

    そうそう!その生きているものとそれ以外の決定的な違いを言語化してほしかったのよ!
    …と、思いながら第1章、

    そもそも生物はなぜ誕生したのか

    私にとってこんな最高の掴みはない。

    ちなみに、先ほどの私の問いはあっさりと明かされる。すなわち、

    生物と無生物の大きな違いは、単独で存在でき、それ自身で増えることができるかどうかです。(35頁)

    序盤で早々に回答を得られてしまっても、この本が面白かったのは、昔学校で習ったはずの遺伝物質のお話や、最近ようやくその真意を少しだけ理解できてきたように思う進化論について、丁寧な図解とともに解説してくれているから。
    そもそも、そこがわからないと、この本の大きな問いであるところ「死」について、説明しきれないのだろう。

    ただ、正直めちゃくちゃ難しい。
    通読したけど、細かい部分(RNAやDNAの塩基配列とか複製とかそういうところ)は2割もわかっていないと思う。
    図解もあってめちゃくちゃ丁寧なんだけど、多分私に圧倒的前提知識が足りてない。

    前提知識が足りていないと自覚しつつも、この本の向かうところ、「生物が死ぬこと」について、生物学的見地から紐解かれる内容は大変面白い。
    捕食されて死ぬのか、老化により死を迎えるのか、個体としての死を丁寧に追っていくかと思えば、種としての生命の循環に繋がったり、ハッとする箇所がいくつもあった。

    そんな中でもやはり、生物についていつかどこかで耳にした「ガスの火」の比喩がめちゃくちゃしっくりきたのが、自分的に次の足掛かりになりそうな知識のアップデートになると思う。

    さらに、最後の方で書かれていたAIについての著者の見解が、私が今ぼんやり思っている不安の輪郭を見せてくれている内容で、「死」についての結論よりも印象に残った。

    今年に入って、自分の頭で考えたことを誰かに伝えたり、そもそも自分の頭で考える習慣に対して異常なまでに興味を惹かれるのは、ここに対する自分なりのカウンターだったのかもしれない。

    生命とはなにか?

    この本による言語化でスッキリしつつも、私にとってこの問いが持つ熾火はまだまだ消えそうにない。




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    2025年09月21日
  • 生物はなぜ死ぬのか

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    「ターンオーバー」「選択と変化」「多様性」「絶滅」「進化」
    これらが主なキーワード。
    途中、「老化」についても書かれている。

    「AI」について書かれていた箇所が、色々と考えさせられた。

    生物は死ぬが、AIは死なない。

    AIは死ぬことなく、情報をためつづける。

    「死ぬことを繰り返して進化していく」のが、これまでの進化であったのに、
    AIは死ななくても、進化していく。

    それはとんでもない速度だろう。

    「死なない」ことは、怖いことだ。
    この先、死なないAIはどうなっていくのだろう。

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    2025年08月17日
  • なぜヒトだけが幸せになれないのか

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    他人の足を引っ張るのは相対的に、自分の評価を上げて、幸せになったような気になるが、自身のプラスではないし、自分がやられたら、嫌な気持ちになるし、結局罪悪感に苛まれ、幸せになれない。足の引っ張りあいは、コミュニティとしてマイナス。他の人の活躍はポジティブに捉えて、賞賛し、学び、自身の成長につなげた方がよい。

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    2025年07月21日
  • なぜヒトだけが老いるのか

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    最初は、科学的な話から始まって、どうして人間だけが老後と言う時期が存在するのかと言うことを科学的に解明するような雰囲気だったのだが、結局のところ、その部分の説明はいわゆる「おばあさん仮説」を紹介しただけで、どうして男性にも老後が存在するのかについては、社会のリーダーが必要なみたいなあまり、科学的ではない説明をするにとどまっている。
    そして本の後半は、シニアはどう生きるべきかと言う人生訓みたいな内容になっている。
    中途半端な本なので評価3にしました。

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    2025年07月14日
  • なぜヒトだけが幸せになれないのか

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     人の幸福は、生物学的に言うと「死から距離があること」だそうで、そういう意味では現代人はかなり幸せであるはずだ。
     しかし、人は常にベターを求め、格差を感じたり、人間関係も複雑なため幸せを感じにくいという。
     自分にとって幸せとはなんだろう。私事だが、もうすぐ孫が七人になる。これはかなり幸せな事だと自負している。

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    2025年06月11日
  • なぜヒトだけが幸せになれないのか

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    「幸せ」を「死からの距離が保てている状態」と定義して論じているのが、生物学者らしい発想。
    格差など、最近数千年のヒトの生活様式や価値観の劇的な変化にうまく適応できていないのではないか、というのが著者の考え。
    なるほど、と思った。

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    2025年06月07日
  • なぜヒトだけが幸せになれないのか

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    うーん、するすると読めるし書かれている内容自体も面白くはあるんですが、文章力はある著者の、似たようなシリーズが続いた結果だんだん自分の専門分野でないところに分け入り始めて内容がフワッとなってるパターンになりだしてる気がする。次が分水嶺ですかね。

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    2025年06月05日
  • なぜヒトだけが老いるのか

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    人間以外の生物は老いずに死ぬ。ヒトだけが獲得した「長い老後」には重要な意味があった。生物学で捉えると「老いの常識」が覆る!【目次】
    第1章 そもそも生物はなぜ死ぬのか
    第2章 ヒト以外の生物は老いずに死ぬ
    第3章 老化はどうやって起こるのか
    第4章 なぜヒトは老いるようになったのか
    第5章 そもそもなぜシニアが必要か
    第6章 「老い」を老いずに生きる
    第7章 人は最後に老年的超越を目指す

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    2025年05月29日