小林武彦のレビュー一覧

  • なぜヒトだけが幸せになれないのか

    Posted by ブクログ

    生物としてのヒト、社会に生きる人。これを区別することが肝要。
    そう、人はヒトなのだ。
    ヒトの生物学的な幸せを「死からの距離が保てている状態」と定義し、
    ヒトの歴史で、死がどういう位置づけになっていったかを追う。

    直立し、体毛を失ったことで集団子育てに適した側面。
    生物は子を産んで、育てたら死ぬ。逆に言えば育てている間は死なない。
    ヒトは、孫の世話もするようになって、長寿化した。
    …やはり役割は必要なのだ。別に子育て、孫育てじゃなくても。

    狩猟から農耕に移ったことで、食糧事情は安定したが、狩猟時代の「公平」が、
    農耕時代、日本でいえば弥生時代に格差が生まれた側面。
    格差は一番人を不幸せにする、、孤独、不安、、ストレスは寿命を縮める。

    食べることで長寿になるも、農耕という集団社会のストレスが寿命を縮め、、、

    狩猟だけで十分生きていける環境があれば一番幸せ、、
    とも読めるエンディングだが、著者はそう言ってるのかな?
    ちょっとわからなかった

    幸せ、って言葉が深いんだな

    第1章 進化からみた生きものの幸せ
    第2章 ヒトの幸せとは一体なにか
    第3章 「幸せ」は遺伝子に刻まれている
    第4章 なぜヒトは「幸せ」になれないのか?
    第5章 テクノロジーはヒトを「幸せ」にするのか
    第6章 「幸せ」になるために――生物学的幸福論

    0
    2025年10月01日
  • なぜヒトだけが幸せになれないのか

    Posted by ブクログ

    ヒトはこれまでどのように進化し、文明や社会をどのように作り上げてきたか、またこれからどのように生きていくべきかを、生物学的な観点から書いている。個人的には他者とどのような関係を築くべきかや、テクノロジーとどのように付き合うべきか書かれているのが印象に残った。

    0
    2025年08月22日
  • 生物はなぜ死ぬのか

    Posted by ブクログ

    そうか、老化は必然なんだ。
    そう気づかされたから、昨今の体力の低下とか病気とかを悲観するのではなく、正面で受け止められる気がする。
    小林先生が易しい言葉に落としてくださっているように、「生き物が生まれるのは偶然ですが、死ぬのは必然なのです。壊れないと次ができません。これはまさに、本書で繰り返してきた「ターンオーバー」そのものです。」P202 という事実を踏まえれば、自分が死ぬこともそう悪くないことだと思う。
    願わくばこの何十億年もかけて進化を遂げたいのちのルールを、昨今の商業主義による激しい開発競争ただ中の抗老化研究が、真摯な検証もないままにひっくり返してしまうことのないよう祈っている。

    0
    2025年05月31日
  • 生物はなぜ死ぬのか

    Posted by ブクログ

    生物学的な視点から「死」について考察した一冊。進化の過程から「死」は生まれたのであり、生命が多様性を獲得し繁栄するために「死」はあるのだという。つまり、未来の子どもたち(人間に限らず)のために、親(人間に限らず)は死ななければならないのだ。そのために、生物は死ぬようにプログラムされている。であれば「死」を恐れる必要はないはずだが、そうはいかないのが人間。共感力が高いせいで、人だけが「死」を恐れ悲しむ。わかっちゃいるけどやめられない、ってやつだ。だから、せめて「死」の正体を知り、恐怖を和らげるしかないだろう。そのために役立つ本であった。

    0
    2025年05月06日
  • なぜヒトだけが老いるのか

    Posted by ブクログ

     「老い」や「死」に対するイメージを大きく変えてくれる一冊。

     自然界の生き物のほとんどは老いずに死ぬ。身体機能や生殖機能が衰えた後も長く行き続ける「老い」はヒトに特有の現象である。「変化と選択」の長い歴史の中で「老化」という性質が保存されたからには、「老化」にも生物学的な意味があるはず―。この本はそんな序論から始まる。
     序盤では、細胞や個体レベルの「死」や「老化」が、「DNAの損傷の蓄積」によって起こるという生物学的なメカニズムについて、わかりやすく順を追って説明される。続いて、社会性の生き物であるヒトの進化の過程で「老い」はなぜ選択されてきたのか、コミュニティに年長者が存在することがどう有利にはたらいたのかについて、これまでに明らかになった事実や仮説が示される。後半では、超少子高齢化、人口減少時代を迎えた日本社会の存続の鍵となる「シニア」の役割と可能性について熱く語られる。
     巻末、筆者が思い描く「ピンピンコロリ」とは違う、理想的な最期が柔らかく描写される。そんな風に命を終えることが出来るなら、「老い」も「死」も怖くないかもしれないと、素直に思える。

     生命科学や細胞生物学の専門的な内容も、平易な言葉で丁寧に書かれていて分かりやすい。どの年代でも興味を持って読めるが、これからシニアに向かっていく世代には特に、これからの人生の過ごし方を考えさせられる内容だし、この世代に向けた筆者のメッセージが込められていると思う。
     ちなみに筆者は「知識や技術、経験が豊富で私欲が少なく、次世代を育て集団をまとめる調整役になれる人」を「シニア」と呼び、単なる「年長者」とは区別している。言葉は柔らかいけど、この呼び分けには何かピリッとしたものを感じる。社会の中で権限ある立場にある人には特に、自分は「シニア」たり得るだろうかと自問しながら読んでみると良いと思う。

    0
    2025年03月23日
  • なぜヒトだけが老いるのか

    Posted by ブクログ

     人間だけが老いるという題名に違和感を覚えたのだが、そういう小さなことではなく、生物学の立場から老いるということの意味を教えてくれる。老年期についての本が氾濫しているが、この本は老年期を生きる人にとって必読の書かもしれない。

    0
    2025年03月15日
  • なぜヒトだけが老いるのか

    Posted by ブクログ

     生物学者である小林武彦氏がこの本で読者に伝えたかった内容は、実は宗教哲学者のようでした。
     第7章 人は最後に老年的超越を目指す の中の「老年的超越を目指して」の最後で以下の言葉を語っていました。
     やがて目も見えなくなり、私を呼ぶ声も遠ざかり、ただただ幸せな気持ちに包まれて、ここはどこだったのか、私は誰だったのかなどはどうでもよく、宇宙そして全ての生き物とのつながりを感じながら、旅立つというより、元いた場所に戻る安堵感に包まれて長い眠りにつくのです。また目覚める日を夢見ながら
    と締めくくっています。
     ここまでたどり着くため、第1章から地球誕生からの奇跡の生命体の誕生からこの本は始まりました。
     第1章 そもそも生物はなぜ死ぬのか
    において、地球上における生命の誕生から進化の過程を生物学者の立場で丁寧に語っています。
     そして第2章 ヒト以外の生物は老いずに死ぬ
    の中で、野生の生き物は基本的に老化しないことを説明しています。
     そして、第3章 老化はどうやって起きるのか
    の中で、老化のメカニズムを説明しています。
     次の 第4章 なぜヒトは老いるようになったか
    の中で、「人生の40%が生物学的に老後」
        「老いは 死を意識させ、公共性を目覚めさせる」
        など数点を挙げ、ヒトの集団においては、老人の必要性について語っている
     次の 第5章 そもそもなぜシニアが必要か
    の中で、「シニアの存在価値」
    「老いの一つの意味」
        など数点を挙げ、素敵な老いをとげ、利他的、公共的な役割に資すること  
        の重要性を述べています。
     次の 第6章「老い」を老いずに生きる
    の中身ですが、私の尊敬する和田秀樹さんが推奨する高齢者の生き方と同様な内容
        を列挙していました(笑)。
     そして、最後の 第7章 人は最後に老年的超越を目指す
    の中で、ヘミングウェイの「老人の海」で、大物のカジキを獲ったもののサメに食べられた喪失感ではなく、カジキと生きるか死ぬかの真剣勝負を行った幸福感が真の意味だったのではとの小林氏の見解が語れていました。

    最後に、生物の中でヒトにしかない老後を、社会との関係を維持しつつ、公共的に生きてみることにより、人類の明るい未来の実現に寄与するのではないかとの締め括りでした。
    死は、その個体、ヒトの場合はその個人にとっては終わりでも、地球上の生命にとっては絶対的に意味あることなのです。
    「進化の原動力」
    「死は進化に必要である」
    生物学的な「死生観」ということです。
     

    0
    2024年09月17日
  • DNAの98%は謎 生命の鍵を握る「非コードDNA」とは何か

    Posted by ブクログ

    概要: タンパク質をコードしている領域以外(非コード領域)は遺伝子の発現制御や進化に非常に強く関わっている; ヒトゲノムが全て読まれたと言われているが、読み方の都合上繰り返し領域はうまく読めない; スプライシング; エクソンとイントロン; 偽遺伝子; レトロトランスポゾン; 遺伝子を眠らせるヘテロクロマチン化; リボソームRNA遺伝子; 脆弱X症候群; グロブリン遺伝子の再編成; 胎盤とレトロとランスポゾン; イントロンと転座と進化; 遺伝子増幅; 色覚; 偽遺伝子が発現制御に関わる; 非コードDNAと寿命、がん

    感想: けっこう難しいが非常に面白い。もう1回読む。

    0
    2018年01月01日
  • なぜヒトだけが幸せになれないのか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    幸せを死からの距離が取れていることと定義。
    過去から現代において、人がどのように幸福を感じてきたかを分析。
    現代は物質的には「幸せ」なはずなのに、格差の拡大やサイバー空間の普及によって、死への距離を相対的に感じやすくなっている。
    そのためには、隣人や地域コミュニティなど、リアル空間での幸せを大切にしようという提案。

    明日からの第一歩としてできなくはないが、それ以外の提案や検証がなく、それが本当に良い解なのかやや疑問。
    何もしないよりはましなのだろうが!

    0
    2026年10月16日
  • なぜヒトだけが幸せになれないのか

    Posted by ブクログ

    狩猟採集で暮らしていた時代には、集団の中でいかに評価を得て、分け前を多くするがが重大だった。でも、農耕中心の生活になると個々で蓄えを増やすようになり、能力や仲間への貢献度には依らない格差が出来る。元々の、人と比較する能力やコミュニティ重視の価値観を持つ遺伝子が、その生活様式の変化にまだ適応していないために、孤独を感じたり、コンプレックスを持ったりしてしまうらしい。遺伝子が追いつくまで、まだまだ数万年は人間は適応障害、ってことかなあ。
    東大の先生なのに、親しみやすく書かれていて、笑いながら読める。

    0
    2026年09月25日
  • なぜヒトだけが老いるのか

    Posted by ブクログ

    生き物は、進化のために生まれて死ぬ仕組みを構築しているようです。野生の動物では、老いるようなことはなく、ピンピンコロリなのだそうです。死ぬまで元気なのですが、捕食されたり、食べるものがなくて、などで死ぬ場合が多く、老後を過ごすというような余裕はないのだそうです。人気の老いることにも意味があり、人間の進化にも良い影響を与えているみたい。RNAやDNAの歴史も学べて生物の代謝のメカニズムを学ぶことができました。でも、他の人に説明できるほどの理解には至っておらず、何度か読まないといけないようです。

    0
    2026年09月25日
  • 生物はなぜ死ぬのか

    Posted by ブクログ

    「人はなぜ死ぬのか」ということを、生物学の視点から学べて良かった。

    細菌や遺伝子組み換えなど難しい箇所もあったが、全体的に納得感のある構成になっていた。

    子孫のために人は死ぬ。
    身体の組織と同じように、人にもターンオーバーが必要なのだという面白い視点だった。

    0
    2026年09月03日
  • 生物はなぜ死ぬのか

    Posted by ブクログ

    小林先生が魅せられた生物学に対する想いが詰め込まれていて、難しい話もワクワクして読めました。

    p202
    「生き物が生まれるのは偶然ですが、死ぬのは必然なのです」
    本書を通して読むことで理解ができる一文だなと思いました。生き物というよりむしろ、死に物なのかもしれないな、なんて思うと、これから生きていく上でのプレッシャーが軽減されるような不思議な気持ちになりました。

    また、本書を読む前にレイチェル・カーソンのセンス・オブ・ワンダーを読んだ私は、この美しい地球を守っていきたいという気持ちがより一層増しました。

    0
    2026年07月28日
  • なぜヒトだけが幸せになれないのか

    Posted by ブクログ

    YouTubeで著者が出ている動画を見て気になったので読んでみた。本の中では、幸せは死からの距離が離れていることであると定義する。一見、食べ物も豊富だし、捕食される不安もない現代は死からの距離がとても遠く見えるから、幸せなように見える。しかし、実際はヒトは700万年前から進化しておらず、現代の社会構造では幸せを感じにくい。例えば地域コミュニティの減少による孤立や人間関係の希薄さは、食べ物を分け合って生活していたかつてのヒトとにとっては、明日を生きれるかどうか不安を感じさせる。ひとりで快適な部屋でスマホをポチポチいじっていても、その不安は解消されない。
    生物学の本はあまり読んだことがなくて、とても面白い学びばかりだった。例えば、ヒトは類人猿から進化する前、毛むくじゃらだったので、赤ちゃんは毛に捕まって行動していた話とか。毛がなくなったことによりヒトの育児コストが高くなり、コミュニティは共同で育児をする必要が高まったというのはなるほどと思った。その結果、祖父母も育児に参加する必要があるからヒトは長寿になったというのは説得力がある。
    地方でコミュニティを形成しつつ、自然の中で気づきを得ながら生活することが現代社会で幸せになることの一歩であるという著者の意見には賛同するし、そうできればいいなと思う。でも、快適なひとりぼっち(あるいは核家族)に慣れた(またはそのように飼い慣らされた)現代人にとって、どこまで再現可能なものか、自分で実行するとしても及び腰になってしまう。。。片足を突っ込んではいるので、再現できるように頑張っていきたい。

    0
    2026年07月23日
  • なぜヒトだけが幸せになれないのか

    Posted by ブクログ

    生物学者がなぜヒトが幸せになれないかを説いた本。
    面白かった。

    ここでは、幸せ=死との距離が近い状態と定義されていて、
    コミュニティの中で自己重要感を感じたり、報酬を受取ったり、協力したりすることが幸せを感じる要素としている。

    人間はより良くするために、色んな技術を発明したり、成長しようとする種族というか、そうゆう生物である。

    ただそれをした先の事は考えてないし、幸せに向かって生きているわけでもない。
    そういう生物だということを認識して、
    意識的に幸せを感じるような行動を取り入れていこうと思った。

    0
    2026年07月22日
  • なぜヒトだけが幸せになれないのか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    久しぶりの小林先生の著書。
    定住農耕による安定と引き替えに「格差」を作り上げてしまったことをYKK(弥生格差革命)と表現。
    YKK以降の「遺伝子と環境の不適合」がヒトを幸せから遠ざけている。
    ベター志向のおかげでヒトは進歩してきたけれど、「もっともっと」という無限ループに陥り、満足できなくなってしまっている。
    何かを作り出すことは本能に組み込まれているけれど、作り出したモノの使い方までは本能に刻まれていない。
    ヒトは時にモノの使い方を間違える。
    社会性の生き物として、リアルなコミュニティに還ることの大切さと難しさを痛感。

    0
    2026年05月04日
  • なぜヒトだけが幸せになれないのか

    Posted by ブクログ

    「幸せ」=「私からの距離感が保てている状態」と定義して、ヒトがなぜ幸せになれないのかを解く。生物の進化は何十万年もかけて進み、生き延びるために必要なことが遺伝子に書き込まれていくのだが、現代社会の矛盾は、幸せのためにベターな選択をし続けたがために生まれた文化や技術が、ヒトのネイチャーに反していてかえって不幸になっていることである。快楽は幸せにあらず。

    0
    2026年05月01日
  • 博士が愛した論文 研究者19人が語る“偏愛論文”アンソロジー

    Posted by ブクログ

    小林武彦 生物はなぜ死ぬのか
    ヒト 44歳と60歳が加齢変容が顕著
    限界寿命115歳位 115歳以上はこれまで73名 熱力学的な崩壊ではなく遺伝子のプログラム チンパンジー ゴリラの寿命44歳
    石原安野あや
    ニュートリノ 南極

    0
    2026年04月29日
  • 博士が愛した論文 研究者19人が語る“偏愛論文”アンソロジー

    Posted by ブクログ

    各分野の研究者の熱い思いが感じられる一冊。正直難しい内容も多いが、自身のキャリアと照らし合わせての話が興味深い。
    一人ひとりの文量が少ないので、とっつきやすい。

    0
    2026年04月20日
  • なぜヒトだけが幸せになれないのか

    Posted by ブクログ

    幸せとは死から距離が保てている状態だ定義したとき、現代人はコミュニティの希薄化などにより精神的な意味では死からの距離感が広がっていない点で幸せではないと言える。

    ありふれてはいますが、人との繋がり・公共の精神をもって生きることが幸せなのですね。

    0
    2026年04月03日