小林武彦のレビュー一覧
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学術的であまりおもしろくないところと、「なるほど!」と妙に納得するところが混在していました。人間も女王蜂とそれを支える働き蜂のように分業化していく話は説得力がありました。Posted by ブクログ
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前書『生物はなぜ死ぬのか』にて、「死は進化に必要である」とした著者は、本書にて「老いを実感しているシニアは社会にとって必須の存在であり、「老い」のおかげで人類の寿命が延び、今の文明社会が築かれた」と結論づけています。
「死」はすべての生物に共通した絶対的なものであるのに対し、「老い」はヒト以外の生物...続きを読むPosted by ブクログ -
学生の頃に学んだ遺伝やDNAに関する歴史を再復習できました。それと同時に、記されている段階での科学的な見地も理解できました。Posted by ブクログ
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知的好奇心旺盛な中高生を対象として、不老不死をとっかかりにして寿命に関するDNAや遺伝子の話を順を追って説明している。説明は平易で親しみやすく、著者の豊富な識見と編集者の努力を感じる。若い人が丁寧に読めば、生物化学の入門にもなり得るのではないか。
生物化学の素養のない中高年にとっては、中盤以降の遺伝...続きを読むPosted by ブクログ -
非コードDNAに色々な役割があるということは知っていたが、実際に詳しく知らなかったので、興味があったので読んだ。非コードDNAが生物にもたらす影響について、色々な例を紹介してくれていて、面白かった。
特に、寿命に関する話は興味深かった。寿命といえばテロメアを誰もがイメージするだろうが、リボソーム...続きを読むPosted by ブクログ -
ジュニア新書とは思えない詳細さ。寿命の存在をプログラム仮説とエラー蓄積仮説に基づいて解説する。プログラム仮説はテロメアに代表される遺伝しない、細胞内の時限爆弾により事前に寿命が決まっている。エラー蓄積では、主にDNAのコピーの際のエラーが蓄積される事で機能が衰えてくる。また、修復機能やそれを支える複...続きを読むPosted by ブクログ
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部活の同級生からの課題図書。読んでみて感想、聞かせて欲しいと。執筆当時59歳の細胞の老化の研究をしている生物学者のシニア論です。なるほど…ヒト以外の生物は老いずに死ぬ…のか。まさに「ピンピンコロリ」がほとんどの動物のスタンダードであることを初めて知りました。ヒトだけが死の前に老年期という時間を過ごす...続きを読むPosted by ブクログ
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老いは「何かを失う」わけではなく、「役割が変化すること」という捉え方がいいなと思った。
人生の40%は老後だそうだから、年をとることを嘆くのではなく、自分でできる役割を考えて社会に貢献していきたいと思った。
そして、できれば「老年的超越」というご褒美を味わいたいと思わせてくれる本だった。Posted by ブクログ -
自然界に老いはない。社会的な生き物であるヒトは、老いた人がいる社会が選択されて生き残ってきた。知識や技術・経験が豊富で私欲少なく次世代を育成する「いいシニア」になり、社会の一線から退くのではなく、公共精神で社会と関わろう。
ヒト以外にはケアする社会がないから元気か死の二択で老いはない、なら理解でき...続きを読むPosted by ブクログ -
興味深い。人は必ず歳をとる。その時にどう過ごすか… 社会に還元、そして最後は老年的超越で幸せに過ごす、自然に得た心境である意味ご褒美だと。
死への恐怖から解放されて大きな後悔もなく死んでいける。
野生の生き物は基本的に老化しない、老化は突然やってくる。
細胞の老化=個体の老化
幹細胞は寿命が長く、...続きを読むPosted by ブクログ -
人間が生きる意味を知りたくて、生物学観点からの見解を読んでみた。
どうやら哲学的な意味での個人の生の意味は無いらしい。生物学者が淡々と調査結果を報告するスタンスなので、抵抗なく腹落ちした。
「老い」は人だけに許されたもの、という見識は目から鱗だった。たしかに人以外の動物はいきなり死ぬのだ。
生物学...続きを読むPosted by ブクログ