安里アサトのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
シリーズ9巻は言ってみればクレナの巻だった。
彼女の心の揺らぎが86達の心そのものを象徴していた。
前巻でセオが傷ついて戦えなくなり、最期まで戦い抜くという86の矜持を貫けなる事態に動揺する仲間たち。
クレナも戦いに対する矜持が時に戦争が終わらないことを望む呪いへと変化しそうになる中、同じような境遇の聖教国の兵士たちを前にして戦う意味をもう一度見出す展開。
ようやく、実にようやく86たちも戦争のその先を見ることができるようになったのだなあ。
長かった。
それにしても、このシリーズではなんとも理不尽な境遇が次から次へと登場して精神を持って行かれる。
聖教国の兵士たちもそうだし帝国の私兵たちもそう。
けれどその先に描かれたこのラストはいい。
葛藤の末の吹っ切れたクレナに喝采を送りたい。 -
ネタバレ 購入済み
戦闘シーンが想像しづらい
けど、毎回発売を楽しみにしている。全巻のひきからセオ中心の話になるかと思ったら、クレナの葛藤とシデンの敵討ちになった今巻。戦闘だけでなく仲間の信頼し導いている姿をみて、改めてシンが隊長だと思った。
-
ネタバレ 購入済み
平和ボケ
完全に学パロです。作者の方がカクヨムで連載されていた内容を含めた現代パロディです。なので、原作既読勢の方は作中の温度感の違いを受け入れられるもしくは単純に誰も知らない86が読みたいのであればこれはおすすめです。内容的にも満足いくものだと思います。
-
購入済み
グスン‥‥
とりあえす泣きました。
昼飯時の
会社のデスクで
嗚咽も抑えきれず
鼻水ずるずる言わせながら
周りの目も気にせず泣きました。
この本に出会えて本当に良かった‥そう思える作品です。
もしこの本を読まれるなら
宇多田ヒカルさんの「櫻流し」をお供にお勧めします。
私は櫻流しをずっとループさせて、この本を最初から最後まで読んだのですが、これ以上ないくらい最高の相性です。
ごめんなさい。もう一度言わせてください。
「「これ以上ないくらい最高の相性です。」」
是非お供に。
-
Posted by ブクログ
本書は、連合王国編の後編。
レギオンとの戦いに従軍するシンを始めとする86達は、前巻の攻城戦でシリン達が見せた自らの身体を喜んで犠牲する戦い方にショックを隠しきれない。
シリン達は人間ではないが、死者の脳を利用して作られた表情のある女性兵士型人造妖精だ。
彼女たちは、「勝利の為の死こそ我が目的」とばかりに自らを犠牲にして味方の為に血路を開いた。シリン達のおびただしい数の屍を見た86達は、彼女達の姿を自分たちの将来の姿とダブらせてしまう。
その影響を一番受けているのが、シンだ。
シンはサンマグノリア共和国が崩壊し、ギアーデ連邦軍に編入された後、未来のあるはずが無かった自分たち86に急に未来はあるのかもしれないという、今まで考えたことも無かった事実を突きつけられ、逆に混乱する。
そして、「自分を頼って欲しい」とシンに対して優しく笑顔を向け、無邪気に未来を語るレーナにも違和感を抱いてしまう。
自分は彼女を幸せにしてやれる訳がない。自分は死ぬ運命しかない人間だ。そうやって生きてきたし、一緒に戦って死んでいった他の仲間の86達も同じだ。
そう、自分は未来の無い、穢れた存在なのだ。自分にとって大事なレーナを自分のような存在が近づくことによって、汚してはいけない・・・。
そう心の底で思うシンであったが、レギオンとの死闘のなかで、もう本当に死ぬかもしれないという場面に直面したシンに
『死にたくない』
という人間らしい心が初めて芽生える。それは、戦いの最中に、レーナに対して必ず生きて帰るという約束をした直後だった。
本作は、シンたち86が、
『死ぬ為だけに戦う、心の無いただのプロセッサー』
から、
『未来を切り開くために闘う、人を愛する心を持つことのできる人間』
への変革を描いた心理劇だ。
圧倒的な戦闘描写とレギオンとの戦争に翻弄される少年少女達の心理描写の対比が見事に調和する。
この86シリーズも6作目が終了。
86達は本当の人生を取り戻すことができるのか。そして、人間達はレギオンに勝利することができるのか。これからも86シリーズ、目が離せない。 -
Posted by ブクログ
連合王国編の完結回。
今回はさすがに前回ほどの衝撃はなかったなあ。
いや、いいことだ。
前回、死せる戦闘人形シリンたちの有様に衝撃を受けたエイティシックス達が、生きていることの意味自らに問うた今回。
ようやく、彼らの中に生きる意味が見つかったのだなあ。
戦闘場面は、今回は珍しくあまり心配しなかった。
作戦がうまくいって人間側の死者が少なかったこともあるし、高機動型との戦いが3度目だったと言う事もあるのだろう。
レーナとシンのまだ始まったばかりだという感慨がここまで読んできた身には少し驚きで、でも、そうだよなと気づかされた。
個人的ハイライトはシンがレーナに「おいていかないで」と告げ、レーナが「帰ってきなさい」と返す場面。
ようやく二人の気持ちが繋がった。
いやしかし、これ、主人公じゃなきゃ、死亡フラグだよ^^
さて、次巻は少しライトな展開だそうだけど、一気に二人の距離が縮まるといいね。 -
Posted by ブクログ
相変わらず最高に面白かった。
今回は攻城戦。レギオンに占拠された難攻不落の城をどう落とすかという物語だったが、結末はネタバレになるので書けない・・・。
もう、ほんとにこの小説はライトノベルじゃないよね。確かに美少女が主人公でラブな要素あるけど、それを圧倒的なまでに押し流す冷酷で破壊的な戦場描写。
今回も「シリン」という新しいアイディアも含まれていて本当にこの安里先生は天才だと思う。
アニメ化してほしいライトノベル第一位らしいけど、アニメ化どころかハリウッドで本気で実写映画化してほしいよ。1巻分だけでも・・・。
まともな俳優さんキャストして、レギオンは「マトリックス3」とか「All you need is kill」的な雰囲気で作ったら絶対にヒットすると思うんだけどね。
今後のアニメ化、映画化も含め、「86」のさらなる発展に期待!! -
Posted by ブクログ
シンたちとレーナが再び出逢うまでの戦いを描いた後編。
うん、期待を裏切らない良い出来だった。
超長距離砲攻略戦の一部始終が描かれて、息つく暇もない戦闘描写と次々繰り出される戦術に思わずのめり込んでしまった。
すごいなあ。
シンを行かすためにエイティシックスの仲間たちの『俺にかまわず先に行け』的展開にはニヤッとしてしまった。
そして、絶体絶命の瞬間に響くその声。
いや、わかっていても胸が熱くなる。
いいよね。こういう展開。
そしてその再会は、この巻通してずっとシンが悩んでいたなぜ戦うのかという疑問への答えを与えることにもなるのだ。
一巻以来となるラストの再会場面が実にいい。
彼らの約束は果たされたのだ。
そして新たな約束が結ばれて、ここからは共に未来へ進んで行く。
その新たな展開に期待しよう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこれまで「死ぬために戦う」ことを当たり前のように受け入れていたシンが、少しずつ「生きること」と向き合い始める姿が本当に印象的だった。
自分が生き残ることに意味があるのか、生きるために戦うとはどういうことなのか。これまでのシンにはなかった迷いや葛藤が描かれることで、彼が少しずつ「戦うための存在」から「生きることを望む一人の人間」へ変わっていくのを感じられた。
また、戦争を「勝つ側」ではなく「生き残る側」から描いているのも本作ならでは。過酷な戦場で生き延びることの意味を考えさせられると同時に、仲間と共に生きたいという想いの尊さが強く伝わってくる。
竜牙大山攻略作戦は緊迫感と迫力が凄まじく、戦闘シーンも熱い! そんな極限状態の中で光るファイドの活躍には胸を打たれた。
戦闘の熱さだけでなく、シン自身の「生きたい」という気持ちが芽生え、大きく変わり始めたことが何より嬉しい。これまでの彼を知っているからこそ、その変化がとても感慨深い一冊だった。