あらすじ
二人の奇跡を歯牙にもかけず。戦争は続く。ただひたすらに。
ついに運命の再会を果たしたシンとレーナ。どことなくいい雰囲気を醸し出す二人に、フレデリカとクレナは戦慄し、そして気を揉むライデンらの苦労は留まることを知らない。
しかしそんな束の間の休息を破り、レーナを作戦司令とする新部隊に初任務が下った。 共和国85区内北部、旧地下鉄ターミナル。地下深くに築かれたレギオンの拠点が、その口をあけて彼らを待つ。
そこに見えるのは闇。レギオンの、共和国の、そして彼の国が虐げた者たちの、闇。
シンとレーナ、二人の共闘を描く『Ep.4』登場!
“地の底からの呼び声が、彼らに新たな試練を告げる。”
感情タグBEST3
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シリーズ第4巻。
今回はレーナが登場を果たし、狭い地下空間で戦いを強いられる。地下鉄構内の世界観を描写するその正確性に脱帽。
またメカ関係の描写も上手い。
いつかシンが人間味を取り戻すのか楽しみ。
Posted by ブクログ
油断したよ…。そりゃ油断したよ……
前巻ラストにて分かたれていたレーナとシンが遂に対面を果たし共に戦うと誓いあった。今巻の序盤なんて本作らしくない程にラブコメしているレーナとシンの様子が描かれたらそりゃ油断するよ……
おまけに今回攻略する事になった敵拠点だって当初の想定じゃ、ただの制圧戦で終わると思われていたのに全然違ったし……
共和国に迫害されたエイティシックス、そしてレギオンが取り巻くこの世界がどれだけ残酷なものか改めて突きつけられた気分になったね…
共和国にて戦っていた者達も連邦に拾われ、独立機動打撃群なんてちょっとアレな部隊に再編されたシン達エイティシックス。そんな彼らに任されたのはまさかの共和国における奪還作戦ですか。エイティシックスに共和国内部を守るような作戦を任せるなんて趣味の悪い…と思わなくもないけど、逆に純粋な連邦軍だとそこまで進軍する難しさも有るか…
襲い掛かる侮蔑と迫害の嵐。レーナが当然のように義憤するそれを気にしないエイティシックス達。初見時は何処か違和感の有る描写では有ったんだよね、これ。以前彼らが捨て置かれていた環境を思えばあの程度の悪意に反応する理由はないだろうと思える
でもあまりに反応しなさ過ぎではないかと思えたし、レーナを過剰に特別扱いする様子にも違和感は有った
その点は話が進み、北域に棲み着いたレギオンの有り様を見ていく中で理解させられたのだけど
第1巻を読んだ際に強く感じたのはレーナとエイティシックスの間におけるコミュニケーション不全。それは空間や精神があまりに隔絶している為にコミュニケーションが成立し得ないという感想だった
ならすぐ近くに居られるようになった今巻ではそれを感じなくなったのかと言えば、むしろその逆。近くなったが為にレーナとエイティシックスの隔絶がより鮮明になった印象
ただ、その隔絶はレーナとエイティシックスの間に有るというよりも、エイティシックスとそれ以外の間に有るといった感じなんだよね
その事実がエイティシックスが共和国に帰ってきた状況により…というよりも変貌するレギオン掃討を行う中で見えて来たのは意外を通り越して恐ろしいの一言
共和国で鹵獲した市民を元に大量の〈羊飼い〉を生み出したレギオン。レギオンにとって鹵獲した人間が白系種であるかエイティシックスであるかなんて関係ない。ただ、人間であると言うだけで鹵獲と虐殺を行う
白系種だけでなくエイティシックス内でも様々な迫害が行われたエイティシックスの少年少女たちにとって、自分達以外の人間を名乗る者達の色なんて関係ない。「自分達」でないならそれは仲間ではない
人を効率的に狩るために不要なものを切り捨て続けた果てに機械知性を手にしたレギオン
高機動型に対応するために戦闘に不要なものを消し捨てようとしたシン。他のエイティシックスにも大事な何かを消し捨てた印象を覚える
レギオンとエイティシックス、どうしようもなく異なる存在の筈なのにどこか類似点が見られた両者。なら、謎の存在が「探しに来なさい」とエイティシックスであるシンに告げたのは何か特別な意味があるように思えてしまう
もう一点気になったのはレーナとライデンの違いかな…
立場的な違いも有るだろうけど、レーナはアネットが生息不明になった際に彼女を切り捨てる決断をした。それは結局シンが「大佐には似合わない」と言って救援に向かったから大事には至らなかったけど
ライデンはレーナがシンを切り捨てるか迷った際、それに反発する姿勢を見せた。これにはレーナが救援する方向で考えを固めたからライデンは命令無視することはなかった
ここに見られた違いはやはりライデン達がエイティシックスとそれ以外を分けて考えているかのように感じられる描写だったよ…
追い付けた筈なのにどうしようもない遠さを感じ取ってしまったレーナ。彼女がこれからもシン達エイティシックスと共に戦う理由は何であるのか?それが改めて問われているような気がするよ
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シンにレーナが弱みを吐き出してるところがよかった
2人とも(レーナは)顔を始めて合わせたのにそれだけ2人共がお互いを無意識でも心の支えにしてたからそういうことができるんだなって感動した
Posted by ブクログ
鉄は熱いうちに打て。ということで、楽しく読んでおります。
読むスピードが上がってきてますね。
ついに本巻でアニメの内容超えまして、こちら念願のふたりのイチャイチャも見られて喜ばしい限りです。新しく登場した人たちも良いです。強い女性が大好物なので、嬉しかったり。
前半もニヤニヤでしたが、後半も圧巻でした。しつこいようですがラノベ読むのは結構久しぶりですが、良いものは良いな。
文学部の学生だった頃ってなんかもうラノベはもう良いよご馳走様なんて思ってた時代もあったんですけど、勿体無かったなと今になって思います。
なんかその考えのがいっそ闇深いですね。
もう良い歳して干支がまわった?のか、そういうのも吹っ切れたのか、な?と。
面白い作品面白いのです。てことで。
2022年5冊目。
86
アサルトライフルで高機動型と対峙するシンが格好良すぎた。これはレーナじゃなくても好きになっちゃう。
そのあと拳銃をかまえるところも最高。
そして、この巻はまさかのライト回だったらしい。
…ライト回とは…
Posted by ブクログ
半分くらいはラブコメみたいな流れだった。今までが結構シリアスだったからギャップが面白かった。特に、レーナとフレデリカのやり取りとか。
終盤になるとレギオンの進化がすごかった。とうとう知性を獲得した。
次巻からの戦いがヤバい。
Posted by ブクログ
「86」シリーズの最新作。初めてレーナとシンが一緒に戦う共同作戦ということで最初の三分の一は文字どおり”ライト”ノベル感バリバリなのだが、その後戦闘に入ってからはいつもの「86」の悲壮感と絶望感の効いたストーリーにはいっていくという「86」ファンの期待を裏切らない展開。戦闘シーンも巻を追うごとに読みやすく、上手くなっており作者の筆力に脱帽。この「86」シリーズが作者のデビュー作であり、さらに女流作家ということをさらに知って驚愕。
Posted by ブクログ
『86―エイティシックス―Ep.4 ―アンダー・プレッシャー―』は、著者が「ライト回」と語ったにもかかわらずむしろシリーズ随一の心を圧する重厚な章として深く刻まれる一冊だった。
確かに、物語の幕開けには一瞬の安堵がある。再会したシンとレーナ、彼らを取り巻く仲間たちの穏やかな日常。その柔らかな光はまるで戦場の闇に射し込む一筋の陽光のようだ。しかしその明るさは、次に訪れる深淵をより鮮明に浮かび上がらせるための静かな序曲にすぎなかった。
物語が進むにつれ、地下迷宮に潜むレギオンとの死闘、戦略の狭間で揺れる人間の矜持、そして“生き延びる”ことの意味が再び問われる。筆致は冷徹でありながらどこまでも繊細で戦場の硝煙の奥に「人が人であり続けようとする痛みと誇り」を描き出す。その重量感は、まさに“プレッシャー”という副題の通りだ。
“ライト回”という言葉の裏で著者が本当に伝えたかったのは「光の軽やかさ」ではなく、「光を求める人々の重さ」なのかもしれない。死と隣り合わせの世界で、誰かを想い、誰かに想われるということ。それは決して軽くはない。むしろ、その想いのひとつひとつが、戦場を超えて人間の尊厳を繋いでいく。
『Ep.4 ―アンダー・プレッシャー―』は、“ライト”という言葉の定義を塗り替える。ここにあるのは、悲しみと希望、そして生の証を描く静かな烈しさだ。読後、胸の奥に残るのは絶望ではなく、「それでも前へ進もう」とする意志。その重みこそが、この物語が放つ最も純粋な光なのだ。
Posted by ブクログ
久々に続きを手に入れたから読んだけど、久々すぎて登場人物うろ覚えw
シンとの関係が進展してて嬉しい。戦争ものだから死ぬ人がメインキャラでありませんようにってずっと願って読んでる
やっぱ面白い
Posted by ブクログ
新たな展開と新たな仲間を得て尚、少年少女たちを囲む過酷な環境は変わらない。
前巻は激烈な戦闘と涙を流しながら生にしがみつく姿が印象的だったが、今回は箸休め的なエピソードが多い。
少年らしさ=人生の何かがわからない故の未熟さを微笑ましく読み進めていくと国家の欺瞞と偽善がブスリと突き刺さる。その一方でレギオンが共和国に行った行為の非道ぶりには背筋が凍る。
この世界は美しいのか、守るに値するのか。その問いかけがあまりにも悲しい。
どこが?
あとがきで作者が「ライト回ですよライト回」と書いていましたが、本当にそう思っているなら、頭おかしいのでは…?
アニメで描写できないようなシーン描いているんですが…軽くトラウマもの。
こんなことを思いつくなんて、作者はぜったい性格悪い
Posted by ブクログ
アニメを見て面白かったので、いきなりアニメの続きから読み出す。4巻はライト回らしく、主人公とヒロインがイチャイチャしてて楽しかった!
周りが二人の関係を理解するためのエピソードが少なくて、なんでそんなに公認なんだ?と思ったけど、そこは脳内で補完。
それでも二人の絆はしっかり描かれていたし、重いテーマもしっかり入っていたなあ。
人気があるのも納得する。
Posted by ブクログ
レーナの指揮のもと、エイティシックスたちを中核とした遊撃部隊が編成された。
しかしそこは10代半ばの少年少女。
ある種学校のようなわちゃわちゃが楽しい前半を経て、やっぱり重い戦闘となった後半。
進化するレギオンたち。
未だ自分たち以外の人種を認めず、人工食しか受け入れず、言語は通じても言葉が通じない共和国民は、この先人間でいられるのだろうか。
記憶と地縁が人を形づくるというのなら、奪われた恨みに囚われず生き抜くためにそれらを捨てたエイティシックスたちはどうなっていくのか。
人間とは何なのかを考えさせられる。
Posted by ブクログ
いやこれ敵のインフレが止まらないぞ!
レーナとシンたちがようやっとほんとうの意味で出逢ってからのその後のお話。
いやまあ確かにこれまでの巻に比べれば甘いのだけど(笑)でもその成分はラノベとしてはごく控え目。
それよりもいつまでも続く理不尽やそれに対して微妙にわかり合えない彼らの関係がシリアスな物語の本質を写している気がして、やっぱり甘くないな。
それにしてもレギオンたちのインフレが止まらない。
レーザー兵器に全知性化に光学迷彩にレギンレイブ以上の高機動化だと!
しかも流体マイクロマシンで再生可能なんて、ちょっとお手上げな感じ。
こんなんこの先人類は勝てるのだろうか?
これからますます困難な戦いが待っている予感がする。
濃いお茶の前の甘い和菓子はフラグですか?
とりあえずレーナとシンの鈍感コンビの仲が進展することを願って次巻を待ちたい(笑)
Posted by ブクログ
相変わらず面白かった! ……し、かわいいやりとりがかわいくてもどかしくてかわいかったー!!(語彙) シリーズもの特有のダレた感じもないし、課題は次々浮上する。続きが楽しみ!!
Posted by ブクログ
前半のイチャイチャと後半の鬱展開で2度楽しめちゃいましたね。
自走地雷とか舞台設定を酷くするのに余念が無い。
アネットとの話にも一応区切りがついた?のが救い。