【感想・ネタバレ】86―エイティシックス―Ep.9 ―ヴァルキリィ・ハズ・ランデッド―のレビュー

あらすじ

犠牲は――大きかった。〈電磁砲艦型〉との戦いは、セオの負傷はもちろん、幾人もの仲間の命をその荒波で飲み込んだ。
シャナ。シデンの隊「ブリジンガメン」副長だった彼女も、その一人であった。復讐を誓うシデン、そしてシン行方不明の報に動揺して狙撃できず、シャナ死亡の遠因となったクレナは、平静を失う。
しかし、戦況は少年少女らを慮ることはない。〈電磁砲艦型〉の逃亡先――現在交信可能な最後の国家・ノイリャナルセ聖教国。レギオンの脅威と戦う同胞でありながら、ヴィーカたち連合王国や、連邦上層部すら警戒する謎の国家に、シンたちは足を踏み入れる……!
機動打撃群・派遣作戦最終盤のEp.9!
“敵を撃てなければ、
兵でいることはできない。”

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

シリーズ第9巻。
人にも裏切られて、エイティシックスと同じような境遇の登場人物が登場する。
メカの描写は相変わらず高く、戦闘描写や心理描写も突出している。何より、クレナが変わったことに驚いた。続きも見たい。

0
2024年08月02日

Posted by ブクログ

シリーズ9巻は言ってみればクレナの巻だった。
彼女の心の揺らぎが86達の心そのものを象徴していた。

前巻でセオが傷ついて戦えなくなり、最期まで戦い抜くという86の矜持を貫けなる事態に動揺する仲間たち。
クレナも戦いに対する矜持が時に戦争が終わらないことを望む呪いへと変化しそうになる中、同じような境遇の聖教国の兵士たちを前にして戦う意味をもう一度見出す展開。

ようやく、実にようやく86たちも戦争のその先を見ることができるようになったのだなあ。
長かった。
それにしても、このシリーズではなんとも理不尽な境遇が次から次へと登場して精神を持って行かれる。
聖教国の兵士たちもそうだし帝国の私兵たちもそう。

けれどその先に描かれたこのラストはいい。
葛藤の末の吹っ切れたクレナに喝采を送りたい。

0
2021年03月09日

ネタバレ 購入済み

苦しい展開

今までいた仲間が別の道に行く過程が描かれていた

0
2021年03月02日

ネタバレ 購入済み

戦闘シーンが想像しづらい

けど、毎回発売を楽しみにしている。全巻のひきからセオ中心の話になるかと思ったら、クレナの葛藤とシデンの敵討ちになった今巻。戦闘だけでなく仲間の信頼し導いている姿をみて、改めてシンが隊長だと思った。

0
2021年02月13日

Posted by ブクログ

冒頭、まずは衝撃が大き過ぎた前巻のフォローから
前巻ラストの衝撃と言えばそりゃセオの件が筆頭に来るけれど、他のメンバーだって大きく傷ついている。小説においてはどうしても数として扱わなければならない犠牲だって、当事者としては顔も声も知る相手。幾ら絶死の戦場で死に慣れたエイティシックスと言えど、仲間の喪失に何も思わないわけではなくて
特に長年の隣人を失ったシデン、戦えなくなったのに生きているセオ関連の心理ダメージは大きいようで

喪失の一方で遂にレーナがシンに応えたぁ……
第1巻の頃から特別な繋がりを持ち始めていた二人。本当に少しずつ心を近づけていって互いの差を理解して。そうして何度も大切な相手を失いそうになった二人だけど、こうして遂に心を通わせられましたか…
簡単に死んでしまう世界だからこそ、死ぬまで一緒とか二人には正しい言葉とならない。死線を越えて帰ってくる、帰ってきてと誓いを交わしあった二人は本当に大きな一線を越えたのだと判るよ


これまでもエイティシックスが抱える運命を重ね合わせるような存在を度々登場させてきた本作だけど、今回舞台となったノイリャナルセ聖教国は後書きによるとエイティシックスの原型の一つだとか。いわばプレ・エイティシックスか。また同時に登場するミルメコレオ連隊もどこかエイティシックスの運命と似た部分を持つ集団

こうもエイティシックスとストレートに重ね合わせる存在を出したのはここ最近、エイティシックスの中が二分され始めたからなんだろうなぁ…
以前は未来なんて無い絶死の戦場で誇りを共にして戦っていた彼らだけど、八六区の外に出て、特に中心のシンが未来への展望を持つようになり。それらの影響で同じく将来を考える者が出るようになった
けど変わらず心が八六区に囚われた者も居る
ならそんな前に進めていない者達を本当の意味で八六区の外に出す為にかつての自分達を直接的に想起させる存在が必要だったのだろうね


戦えなくなったけど生きている。まだ未来は残っている。その実感はセオにとって凄まじい衝撃となったのが作中で描かれるね
八六区では戦えないエイティシックスなんて生きる道なんて皆無だった。でも今のセオが暮らす世界は戦えない「程度」で生きる道を閉ざされたりしない

特にイシュマエルの助言が良いね
セオは仲間達と同じようにはもう戦えない。自分という存在を規定する拠り所を失った
でも本当に仲間を失ったわけではないから、彼という人間は失われない
共和国によって理不尽に散々失って、誇りの象徴とも言える戦う力も失ったのに、仲間がいるから「取り戻せる」と考えられるようになった
セオはようやく八六区を出たのだと感じられたよ

逆に仲間がいるから八六区から出られない代表として描かれたのがクレナか…
戦争が終わったらなんて到底考えられなくて、慕うシンの役に立つのは戦場ばかりで
そんな彼女にとって仮初であっても失いたくないと成るのは戦場の世界か…
終盤でシデンも言及しているけれど、絶死の戦場でもそこを棲家としてしまったならそこに居心地の良さを感じてしまう者も居るわけで
そういった者にとって八六区から出ろと、出るのが当たり前だと強要されるのは不快の一言

だから彼女らに必要だったのは「出ろ」と言われる事ではなく、「進もう」と自分で感じる事
その意味では聖教国の裏切りと凄惨な運命は八六区から出られないエイティシックスに改めて戦場の残酷さを突き付けるもの

ヒェルナの叛逆は理不尽と悲惨さを併せ持つものだね
エイティシックスに自分達の為に戦って死ねと強要するのはかつての共和国、奪い取られ続けて最後に残った誇りすら奪われた在り様はかつての自分達

はっきりと突き付けられたからこそ自覚できる自分達の心情。そこに歪みを見てしまうから自分の間違いに気付く。凄惨な戦場を望んだ果てにかつての自分達と似た年嵩の少年少女達が虐殺される様。ヒーローを望んだわけじゃないけど、助けたい何かがエイティシックスにもあった筈で
その感覚がクレナ達を進ませるなんてね…

最終的に八六区や仲間の死に心が囚われていたシデンやクレナの一撃によって戦いが終結する様は美しいの一言


ラスト、大切な人に秘めた想いを打ち明けた上で、それが叶わないと知った上でシンの幸せを願えたクレナもようやく八六区の外に出られたのだと感じられたよ

0
2023年03月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今回は聖教国編。宗教国家に助っ人に行くお話でした。
86世界、結構国が多いのですね。海あり岩山あり。そして今回は火山灰降る灰色の世界です。
徐々に明かされていく感じが良い。進んでるという手応えもあるし。
前巻がセオ回というならば、今巻はクレナ回と呼んでよいのでは。
今回はクレナ頑張ったね。シャナは痛かった(寒かった。かorz)けど。そういう意味ではシデン回とも言えるかな。
そして聖教国。まさかの小さな子どもを犠牲にした上で成立するとか、ほんと狂気ですね。軍団長の彼女自身が犠牲者でありエイティシックスたちの鏡になっているというのがしんどい。
こういう答えは出ないどうしようもなさは、しんどくもあるが深味も加える。安易に生き死にを出すのはどうなんじゃろうと少し冷静になって来た今だと思わなくもない部分もないわけではないですけど(オブラートに包みきれんこの歯切れの悪さよ)だからこそこの作品を読んでるとも言える(エンタメなんですし)。
次巻は過去編のようで、この続きはあと数日後に出版とのこと。引き続き楽しみです。

2022年10冊目。

0
2022年02月05日

ネタバレ 購入済み

戦闘場面に関しては相変わらずの面白さ。
だが登場人物が多く、しかも場面がころころ変わるので、いまいち物語の中に入り込めない。
戦うことだけがアイデンティティ云々みたいな心情描写についても、同じような文章が何度も繰り返されるので少々飽きる。
だがクレアを始めとして一応決着が付いた形となり、次のステージに進むようなので先の展開には期待が持てる。

0
2021年02月24日

Posted by ブクログ

惰性で続いているように思えるけど終わりが見えた巻。
次巻からは終盤だろう。
もう終わらせても良いよ。
戦闘に盛り上がりがない気がする。

0
2023年01月08日

Posted by ブクログ

無理に引き延ばしてるんじゃなく、ちゃんと完結に向かってる感じが安心感のあるシリーズです。
だんだんこれまでの記憶が薄らいできてるからどこかで最初から読み返したいなー!

0
2021年06月11日

購入済み

 今巻はくどかった

何というか不完全燃焼な感じでした。今巻が特にそう感じてしまったのかも知れず、読む側のテンションもあるかも知れませんが、エイティーシックス達や主要な登場人物の心情を表現した5行くらいの文章が、同じ内容なのに何度も何度も何度も出て来て、逆にぜんぜん感情移入出来ず。あとやたらと髪と目の色肌の色を表現されますがこれもとてもくどく。次巻は大きく物語が動きそうで期待です。

0
2022年11月16日

「男性向けライトノベル」ランキング