モクテル、いわゆるノンアルコールカクテルバーのお話
以下、公式の内容紹介
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なかなか厳しい就活を経て、食品卸会社に入社した酒匂(さこう)ミチル。
取引先にウケがよさそうな名前だという安直な理由で、
”酒類”販売二課に配属されてしまったが、実はお酒はほ
...続きを読むとんど飲めない。
取引先の信頼を得るためと、勧められたお酒を必死に飲んではいるが、どうしても美味しいと思えない。
初めはこれが、大人になる通過儀礼なのだと思っていた。
違和感に堪えて飲み続けているうちに、やがてお酒を美味しいと感じられるようになる。
そのときこそ、大人になったことを実感できるのだと。
でも、いつまでたってもその時は訪れない。
学生時代の友達との集まりも、いつしか夜のお酒の店ばかり───。
孤独と疲れを感じていたある日、引き継いだ取引先のひとつに、
極端に注文が少ない「バー」があることに気づく。
『SOBER CURIOUS』
───この店は、ノンアルコールをたしなむバーであるらしく……?
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エピソード3つと挿話3つ
・終電のシンデレラ
Garnish:1
・スピークイージーで内緒話
Garnish:2
・月曜日の治療薬
Garnish:3
主な登場人物
酒匂ミチル:お酒はほぼ飲めないのに、食品卸会社の酒類販売第二課勤務。麻薬の売人が自分は商品に手を出さないのと同じように、お酒が飲めなくても仕事はできると思っているが……
瀧川:前髪が目を覆っているくらい長く、不愛想なマスター。若い見た目のため、一見するとアルバイトに見えてしまう
八雲:お店を取り仕切っているように思えるが、バーのアルバイト。客あしらいとおしゃべりが上手でお酒の蘊蓄も詳しい
沙羅:バーの常連。夜の仕事をしているが……。瀧川と言葉少なながらもコミュニケーションが取れる
モクテルとはmock-cocktailという造語
mockは見せかけ、擬似の意
いわゆるノンアルコールカクテル
ノンアルコールカクテルと言えば、やはりシンデレラ、シャーリーテンプルは出てくるよなー
ただ、シャリーテンプルは一部地域だとアルコールが入ってる場合もあるので、本当にお酒が飲めない人は注意が必要ですけどね
「終電のシンデレラ」は物語の導入としてよい
主人公の特徴と課題、舞台となるお店の特殊性と問題解決とストーリーの発展性
ちょっとケチをつけるなら、若い女性向けにカルーアミルクって、一体何十年前の発想よ?
映えを意識した工夫をしたならともかく、スタンダードカクテルなんだから普通に出せるでしょ
あと、オーセンティックバーでもノンアルコールカクテル出すけどね
それとも、本当にお酒しか出さないようなお店なのか?
あと、今どきこんなアルハラしてくる輩はいるのか?
ストーリーのための都合のいい振る舞いをするキャラに見える……
「スピークイージーで内緒話」はあの世代特有の人間関係の難しさがありありと感じられる
ミチルの友人の中学教師 悠里
悠里の教え子で、成績優秀なのに最近何故か校則を破っている相沢さん
相沢さんが校則を破っていた理由
まぁ、人によっては嫌でしょうねぇ
そして無下にも出来ないし、無理にやめさせることもできない
それにしても本当に、社会人になると友達と頻繁に会える機会が減る
お互いの時間を合わせにくくなるとか、他の優先すべきことがあるとかもあるけど
一番の理由って、むしろ学生の頃の四六時中一緒にいられる環境の方が特殊だからではなかろうか?
長い人生の中でそんな期間ってそうそうないけど、人格形成に重要な成長期にそんな環境に置かれるからそれが普通と思ってしまうのでしょうね
確かに、大人になると人間関係は自分で取捨選択しやすくなるよなぁ
「月曜日の治療薬」は記者視点でお店の来歴を読者に明かすパートですね
未成年、というか成人年齢が引き下げられたので20歳未満の飲酒
法的には禁止されてはいるんだけど……
実態としては大っぴらではない状態で飲んでいる人もいる
昔は大学生の新歓も飲酒ルールはゆるゆるだったけど、最近は厳密に20歳未満の飲酒を禁止している風潮になっている
ま、何かあったときにニュースで公になると困るという事情もあるんでしょうね
法的に正しいんだけど、その年齢で明確に区切る必要性ってあるんだろうか?と疑問に思う
ちなみに、店名の「SOBER CURIOUS」は作中では説明されていないけど、お酒を飲めるけど敢えて飲まないという生き方
ただ定義は曖昧で、必ずしも完全にお酒を断つわけでもない
毎日飲んでいた人が週に1日だけにするのもそれに当てはまるという解釈もあるようだ
お酒を一切飲まないという状況説明である「禁酒」「断酒」とは違い
飲もうと思えば飲めるけど、飲まずにしらふでいるメリットのために飲まないという選択をした人ということだろうか?
だとしたら、私もそうなのだろうなぁ
昔は毎日飲んでたけど、平日は飲まなくなり、休日も最近は飲んでないからなぁ
飲み会があるときだけ飲むというライフスタイルはソバーキュリアスになるのか?
そして、イラストは桜田千尋
満月珈琲店もそうだけど、この人の描くドリンクやフードメニューの透明感とキラキラを感じる絵の雰囲気は好き