鈴木忠平のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ清原は学年が一つ上で、PL学園の時からずっと気になる存在だ。ジャイアンツに行きたがっていたが最初から阪神が似合うと思っていた。地元の大阪で愛されて伸び伸び野球をやっていたらもっと幸福な野球人生だったのではないだろうか。しかし清原自身は大変ミーハーでジャイアンツ好きで、当時の野球ファンなら当然なのかもしれないけどやっぱりダサい。無冠とはいえ、500本以上の本塁打を打っている偉大な選手だ。それにベンチで座っているだけで絵になる本当に華々しいスーパースターだ。
文学的な情景描写が多い。桑田と清原はちょくで話してモヤモヤを晴らして欲しい。清原の生活ぶりは一般人とは次元のちがう、セレブの様子がうか -
Posted by ブクログ
数々の名棋士や記者から羽生さんの戦いを描いたノンフィクションブック
どの棋士からも「あなたはどのように打ちますか?」というような問いを盤上から受け取るとのこと。
時代や定石を疑い続け、負けたとしても進み続ける胆力が凄まじい。
また、藤井さんはAIを駆使しながら研究しているが、羽生さんは過去の戦いなども元にしながら定石を崩し、戦い方を作っている。
誰に対してもフラットであるパーソナリティと、常に抽象的に問い続ける力はどの棋士よりも高く、勝ちにこだわりながらも次のゲームやルールなどを作るようなアップデートする柔軟な思考が羽生さんの真髄であるように受け取った。 -
Posted by ブクログ
羽生さんは25歳で当時のタイトルを全制覇して7冠になり、タイトルの獲得合計は99期にもなる。
渡辺明が30期、谷川浩司が27期なので、羽生さんが如何に突出しているかが分かる。
藤井聡太は現在まだ22歳だが、タイトル獲得合計は既に23期。
来年にも渡辺、谷川を抜く勢いで勝ち続けている。
令和の天才棋士藤井聡太でも、今後タイトル戦を全て勝ち続けても羽生さんに追いつくまで10年間かかる。
そんな羽生善治と戦ってきたトップ棋士を通して羽生善治という棋士の姿を著したものだ。
取り上げられたのは、以下の錚々たる実力者たち。
対戦成績はどうなのか知りたくなったので調べてみた。
羽生さんから見た、勝-負 -
Posted by ブクログ
ダリは奇抜な言動で知られる異端の芸術家でもあった。盤上に絶対的な正し求める彼がなぜ、現実離れしたダリの世界に惹かれるのか。正統派と評される棋士あらゆる先入観を疑うような前衛芸術家。一見すると不思議な組み合わせに思えた。
だが、信じることと疑うこと、それらは相反するゆえに引っ張り合うような関係であるとも言えた。身ひとつで勝負に生きる棋士は自分をじなければ戦っていくことはできない。
その反面、現状を疑い、絶えず変化しなければやがて淘汰されることになる。身に染みて、そのことを知っていた。だから自分に言い聞かせてきた。
すべては疑いうるし。
カール・マルクスがそれを思考の前提としたように、今、常識とさ -
Posted by ブクログ
『嫌われた監督』の著者による羽生善治ルポ。
『嫌われた監督』がすごく良かったので、こちらも読んでみた。とても読みやすく、一気に読んでしまった。
本人よりも周囲の人物を描くことで、結果的に主題となる人物を浮き上がらせる手法は、『嫌われた監督』と同じ。ただし、今回その手法が成功しているかというと、微妙な気がする。
理由はいくつかあって、
・『嫌われた監督』が良すぎて、どうしても比較してしまう。
・羽生さんは比較的オープンな人で、考え方や人柄が知られているので、驚きが少ない。(個人的に元から将棋や棋士にそれなりに関心があって、予備知識があるからという要素はある。)
みたいな感じ。
どちらかとい -
Posted by ブクログ
しがらみや馴れ合いを嫌い、あくまで個人主義を貫く落合の姿を、落合の周囲の人々の視点から炙り出そうとする意欲作。
チームのために戦うな、それぞれが「自分の仕事」をするだけだ。という落合のスタンスは、常識はずれで冷徹すぎるようにも思えるが、「どんなことがあろうと常に自分の仕事を遂行する」のがプロであり、プロの監督の仕事は、自らの差配によって「各選手が与えられた役割を全うすれば勝てる」状態を作り出すことである、という合理的な考え方が根底にあったということが分かる。
スポーツの世界だけでなくビジネスの世界にも通じるリーダー論が満載で、今後何か仕事で理不尽な目にあったときに、心に落合の精神を宿して自分が