鈴木忠平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スポーツ物のノンフィクションを書かせたら著者に敵う人を私は知りません。
今回もかなりの大作でした。
ノンフィクションという特性上、大どんでん返しや痛快な言い回しなどがあるわけではないのですが、登場人物がとても丁寧に描かれています。
誘致に負けた結果となった巨大都市札幌のことも悪く描かず、損する人を作らないこともノンフィクションを描く人にとっては大切なことなのでしょう。
この本を読んだ札幌市の人も悪い気がしないはずです。
勉強になります。
物語の描き方や話の天丼表現がとても巧みです。
万が一自分が文章を書くことがあれば、鈴木忠平さんの本を読み返すことは間違いないと思います。 -
購入済み
良かった
日ハムの移転理由や、北広島の選定理由、地元のしがらみ、もちろん日ハム本社でのネゴシエーションそして自治体との折衝、色々知りたいことが知れた内容でした。
ありがとうございます。 -
Posted by ブクログ
この鈴木さんという人の本は、以前の同じ清原の告白だったり、落合の本にしてもそうだけど、なんかスッキリしない。読んでて面白いから次へ次へとページをめくるのだけれど、読み終わっても本当にスッキリしない。この本のあとがきに、回収されないエピソードが一つあるとして、清原から桑田に返してくれと預かったグローブをいつまでも返せずにいたら、結局のところ清原がまた自分に返してくれと言ってきて返したんだという話が載っているのだが、そもそも読み終わっても何かが回収できたという気がしない。
題名からして読み始めるときにハッピーエンドではないだろうなと少し思ったことは当たっていたのだが、簡単な収束などしないのが人の世 -
Posted by ブクログ
この作者の本にはハズレがない。
今回も序盤から引き込んでくれた。
しかし、中盤から終盤にかけては少し失速してしまった印章。
オチから作った作品でないから起承転結がうまくいかなくてもそれがノンフィクションなのだが、清原和博について筆者が書くのはきっともう終わりなのだろう。
そりゃあ、事実をどれだけ肉付けしたところで大幅に変えるわけにはいかないから難しいよな。
なおかつ、相手は覚醒剤の誘惑と毎日戦っているのだ。
そんなに変わったことなんて起こりようがない。
変わらない毎日を送ることで精一杯のはずだ。
清原和博だけでなく、落合博満を書いても面白かった筆者なので別の対象を書いた作品も期待したい。 -
購入済み
鈴木さんの本はやはり面白い
『嫌われた監督』もそうだが、鈴木さんの書いたものはやはり面白い。予定調和のストーリーに落とし込むことをしない。実直な筆遣いにして、飽きさせることもない。いい本でした。
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Posted by ブクログ
甲子園で、清原にホームランを打たれた人たちの物語。
83年から85年にかけ、彼は甲子園で13本のホームランを打った。
打った清原も、打たれた投手達も、等しく年を重ねた。
「歓声が止んでも、スポットライトが消えても、人生を歩んでいかなけれびならない。」
あとがきには、そう記されているが、もとより歓声ともスポットライトとも無縁に生きてきた。
それでも、同じ時代に生きてきたせいか、その頃の自分を思い出したりしつつ、なんだか感慨深く読めた。
野球は、スポーツは、わかりやすく、ドラマチックなのかもしれない、とも感じた。
とりとめない感想になってしまった。