鈴木忠平のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
第一芸人文芸部『俺の推し本』ゲストで来てくださった鈴木忠平さんのノンフィクション。
スポーツ新聞の記者として、中日ドラゴンズの番記者に配属された鈴木さん。待ち構えていたのは、フロントや野球ファン、マスコミから厳しい目線を浴び続けることになる落合博満だった。
本人以外誰にも知らされなかった開幕投手、秘密主義的な取材ルール、完全試合達成目前の投手を替える非情な采配……彼は何を考えているのか。
12人の選手たちのエピソードを軸に、見たこと、聞いたこと、感じたことから、言葉や行動の裏の裏まで読みながら、落合ドラゴンズとはなんだったのかを深掘りしていく。
僕は全く野球に詳しくないのだけれど、人ひとりが深掘りされて人物像が浮かび上がっていく様が面白くて、夢中で読んでしまった。分厚い分、本当に読み応えがあった。 -
Posted by ブクログ
評判がいいのが頷ける、素晴らしい一冊だった。
とにかく選手ひとりひとりのことを冷徹に観察し、穴を見つける(他の監督にはできないこと、と言い切る)。
ひとりひとりに思いを込めつつも迎合はしない。最初のシーズンで13人に戦力外をだし、その過程では秘密を守れない(情報を漏らす)者はいないか見極めようともする。日本シリーズで完全試合を続けていた山井を八回で下ろす(自分で言ってくれてよかったなと言いつつも)。WBC日本代表に選手を一人も送り込まない(ボイコット疑惑と言われ)。
そうした見かけの非情さはしかし、「監督とは選手もスタッフもその家族も、全員が乗っている船を目指す港に到着させなけりゃならないんだ。誰か一人のために、その船を沈めるわけにはいかないんだ」という思いゆえ。
多くない言葉数には思いがこもる。
川崎を「いい球投げている」と言って開幕投手から下ろして、死に場所としたり。
森野に守備の強み(立浪への比較優位)を与えるべくノックできたえたり。
巨人のなりふり構わぬ補強にも「巨人の選手も、俺たちがいるのに何でだろうと思っているはずだ。まあ、いつものことだけどな」と揺さぶったり。
和田一浩にスイングの理論をひとつひとつ教えたり。
小林正人に左ピンポイントという役目を与え、「相手は嫌がってるのに」という一言で、金本勝負を選んだり前田に代打を送らせたりするにまで成長させたり。
そして、荒木のヘッドスライディング(禁じていたもの)に、ようやく選手が「自分のために、自分で考える」野球ができるようになったと恍惚の表情を浮かべるようになったというのがまた良い。
※野球にいきる落合も、妻に支えられてこそだったのかとも思う場面もあり。
※中日新聞は、愛知出身の政治家(大島)の新愛知新聞と、長野生まれの小山による名古屋新聞が1942年に戦時統合により合併したもの。合併後も派閥あらそいが球団監督人事に影響とささやかれた。
-
Posted by ブクログ
札幌ドーム時代からのファイターズファンです。札幌ドームを本拠地として進んでいく先の閉塞感をリアルタイムで感じていたこともあり、前沢さんたちが道を切り開いていこうとする姿に妙な納得感を持ちながら読み進めました。
まとめ方が上手なのか、場面場面がしっかり入ってきて読みやすかったです。
エスコン開業から3年目になりますが、ファンの小さな不満を吸い上げ、どんどん良いスタジアムにしていこう、新しい街を広げていこうという姿勢は札幌ドームから離れることを決めたときから一貫して変わっていないと思います。
ファイターズのこれからを熱烈に応援しつつ見守っていきたいです。 -
Posted by ブクログ
やっぱ嫌われてたんや、その内幕みたいなのを期待して購入
中日が強かった落合さん監督時代、落合監督の番記者をつとめられた方が、その当時現役だった選手やコーチ、フロント、それぞれの立場での記憶を元に、嫌われつつもなぜ強かったのか、分析しながらまとめられていました
落合さんは現役時代から「オレ流」と呼ばれる独自の野球観をお持ちだったこともあり、そういう観点からも、監督という立場になるとどのようにつながって行くのか、派生して行くのか、という部分も興味深かったです
契約社会、個人事業主の集団がプロ野球であり、レギュラーは自分で勝ち取るもの、そこまでの下地は自分で築き上げるもの、という考えがあり、才能や衰え、能力の洞察力の凄さも印象に残りました
最も印象深かったのは、内野手として活躍された荒木さんのお話。荒木さんは落合さんに見出されて開花した選手の1人で、レギュラーを勝ち取った当初はセカンドのレギュラー、ゴールデングラブまで獲得した名手であったにも関わらず、あるシーズンに突如、二遊間のコンビを組んでいた井端さんとショートとセカンド入れ替えコンバートとなった裏側はずっと気になっていたことだったので、その内幕、落合さんの考え、洞察力、選手への納得のさせ方、納得する選手側のレベルの高さ、色んな要素が絡み合ったものだったこと、とても奥が深い経緯だったので興味深かったです。
日本シリーズ完全試合継投の裏側も面白かった、森コーチ視点と岩瀬さん視点、山井さん視点、付録で付いてた川上さん視点と、色んな視点で、落合さんとの関わりが振り返えられていて、面白すぎでした。思わず後で当時の試合をYouTubeの動画で見返してしまいました -
Posted by ブクログ
落合博満は、選手としても監督としても大きな業績を残した稀有な野球人である一方、「金の亡者」「奔放な発言」「自己中心性」といった「マイナスの評価」も多い。
本書は新聞記者「鈴木忠平」の丹念な取材により「人間 落合博満」の本質を描いた丁寧な「落合博満論」である。
私の落合博満論。本書を読んでとても合点が入った。
落合博満は極めてドライな合理主義者であるが、自己中心的でも金の亡者でもない。ひたすら契約に忠実なプロフェッショナルである。当時の野球人にはいないタイプであるが故に誤解されたのであろう。
その考え方は、外資系のビジネスマンのようであり、極めて興味深い。
次に落合の野球人としての能力の源泉を考えてみる。本書のどこにも描かれていないが、私は彼の能力の源泉を「直観像記憶」にあると見る。監督時代、落合は著者に「毎日同じ場所で「定点観測」してみな。良く分かるから…」と謎のような言葉を吐く。定点観測すると「その選手(この場合は立浪のこと)の衰えが分かる」と言うのだ。具体的には、守備範囲がちょっとずつ狭くなるのだそうだ。著者にはもちろん分からない。恐らく落合以外、誰にも分からない微妙な変化であろう。では何故落合には分かるのか?
それは彼が「直観像記憶者」だからだ。それも静止画像ではなく「動画」として記憶出来るのではないか?
落合のバッティングを見ると初動が早いように見える。一般に超一流のバッターはボールを見極めるため極力初動を遅くする。初動が遅くとも強い筋力と反射神経で、差し込まれずにボールを捉えることが出来る。逆に初動が早いと、想定外のボールに対応出来ない。落合が、初動が早いにもかかわらずヒットやホームランを量産出来たのは、まさに相手ピッチャーの動きを動画として記憶出来ていたからではないだろうか?相手ピッチャーのフォームを過去の記憶から呼び起こすことで、球種・球速やボールの軌跡が分かれば、バッティングはかなり簡単になるだろう。また監督時代には、選手の動きをいつでも脳内で再現することで、その選手の好不調や衰えを明確に判断出来たであろう。落合博満の選手・監督としての能力の根源は『「動画的直観像記憶」にあり』、これが私の結論である。 -
Posted by ブクログ
ネタバレめちゃんこ面白かったです。自分は、将棋の事には全く詳しくないのですが、それでもめちゃんこ面白かった。やっぱ、鈴木忠平さんの文章が好き、というか、忠平さんの考え方が、世の中の見方が好きなんだろうなあ、ということをね、感じますね。
羽生善治、という将棋界の空前絶後の超スーパースターの存在を中心に、同時代に存在する他の棋士のかたがたが、羽生さんをどうとらえ、自分をどのように将棋界に位置づけようとするのか。という群像劇、でありますね。羽生さんが中心にいるのは間違いないのですが、その羽生さん自身には物事を語らせない。物事を語るのは、周りの人々。
という意味では、「嫌われた監督」と構成は同じだな、と。あの本でも、落合博満監督を物語のど真ん中に置きつつ、その落合監督の周囲の人々が、どのように感化されたか?を描いた物語だったと思いますので。忠平さんは、そういう物語の積み重ね方が好きなんだろうなあ、という気がします。
超スーパースターがおり、その存在を軸に、その周りの環境下におかれた人々は、何を考え、何をするのか?それを軸に、超スーパースターの存在を、間接的に描き出そうとする、試み。いわば「不在の在」を描こうとするやりかた、とでも言いますか。
小説で言いますと、朝井リョウ氏「桐島、部活やめるってよ」と同じ書き方、といいますか。でもゴメン。実は僕は、あの作品は、朝井氏の小説版よりも吉田大八監督の映画版の方が好きなんです、、、ばんばん閑話休題ですね。すみませんですね。
なにしろ、将棋に全く詳しくない自分が読んでも、物語の世界にグイグイと引き込まれる訳です。羽生善治、という存在の傑出っぷりに。そして、その周りの同世代の棋士たちの、その気持ちにグッとくるわけです。やっぱ、鈴木忠平という男の書く文章は、ハンパないな。人を惹きつけまくるな。ひとを、というか、僕を惹きつけまくるな、と。次回の作品も、ガッツリ楽しみにしております! -
Posted by ブクログ
ネタバレ「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」で有名と思われる、鈴木忠平さんの作品であります。超期待しながら読んだのですが、もう文句なしに超素晴らしい。めっちゃんこ、面白い。
多分、プロ野球に詳しくなくても、十分に楽しめる内容、、、だとは思うのですが、、、プロ野球を好きな人なら、更にもうね、めっちゃんこ、楽しめます。僕、中日ドラゴンズのファンなんですよ。で、北海道日本ハムファイターズのファンではないのですが、それでも超楽しめました。
というか、ちょっと、ファイターズファンになった。パリーグでは断然、ファイターズを推したい。そーゆー気分にさせてくれるほどに、素晴らしい内容だった、ということですね。
何故にファイターズは、札幌ドームと決別し、北広島市にイチから「エスコンフィールド北海道」という球場を作り上げたのか?懇切丁寧に、めっちゃ懇切丁寧に、書いてあります。
忠平さんの本は、基本的に
「嫌われた監督」は、落合博満という存在を中心に置き、落合監督の周りの登場人物を各章の主人公とし、彼らに語らせる
「アンビシャス」では、エスコンフィールド北海道という球場の存在を中心に置き、球場の周りの登場人物の人間模様を語らせる
という形で、話が進んでいきますよね。即ち、忠平さんがガッツリと取材をして、取材相手が「この時はこんな気持ちでした」ということを、ちゃんと引き出している、のだと思います。だって、実在の出来事で実在の人々を本の内容の対象にしているので、取材を相当にちゃんとしないと「俺はこの時はこんな事思っていなかったよ!」ってクレーム言われちゃいますものね。
そこらへんの取材は、かーなりキッチリされているのだろう!と推測。で、ノンフィクション作品なんですが、小説的な書き方、という事ができるのかな、、、?という印象。読みやすい、ということもいう事ができる、、、のかな?とにかく読む人を引き込む文章だと思います。お見事なのです!
あと、この作品で言うと、ファイターズにはフラれる側の立場、いわば敗者である立場、と言ってしまって申し訳ないのですが、、、その立場であると思われる、札幌市側の人々の事も、すーごくキッチリと書いているのです。そこがまた素晴らしい。光る有る所には必ず影も有るのだ、、、というね。
で、何故に。何故に札幌市側は、札幌市に、ファイターズを引き留めることができなかったのか?札幌ドーム以外の札幌市内の別の場所に新球場を建設させることができなかったのか?という事も、見事に見事にキッチリ、書いている。めちゃんこ内情が良く分かるのです。すっごく良いんですよ、そこがまた。
この本のタイトル。
アンビシャス。ambitious.
ボーイズ、ビー アンビシャス。Boys, be ambitious.少年よ、大志を抱け。
ウィリアム・スミス・クラークの名言として、つとに有名ですよね。
今、この言葉をイロイロとしらべたのですが。どうやらホンマの元々の言葉は。
Boys, be ambitious like this old man.
だったようです。
「少年よ、大志を抱け。年老いたわたしですら、その気持ちをもっているのだから(ましてや若いあんたらがその気持ち持たんかったらどーするねん)」っちゅーことだったみたいです。さ、、、最高やんか!
大志を抱くのは、何歳でも、出来るんだぜ。若者だけの特権じゃないんだぜ。っちゅーことですよねえ。忠平さん、そこまで知ってて、このタイトルにしたのかなあ?なんか、そんな気がする。
ま、とにかく。素晴らしい内容であります。
なんか、鈴木忠平さんの著書って、静かにアツいんですよね。冷静に熱い。矛盾した表現ですが、そこを、ちゃんと表現してる。と、思う。
映画監督でいうと、マイケル・マン監督の世界観と、すっごく似ている、気がする。うむ。
鈴木忠平 ≒(ニアリーイコール) マイケル・マン
説を、なんだかわかりませんが、ここに提唱します。
イヤ兎に角この本は素晴らしいよホンマに! -
Posted by ブクログ
自分は、スポーツに愛されなかった半生だったように思う。
今考えてみても、スポーツの一角に居場所を見つけるために必要なのは、健康、身体だけだなく、頭も、精神も、環境も…
全てに恵まれる必要がありそう。
あの葡萄は酸っぱい。
と、思ってきた青春、その後だっようにも思う。
一方で、全てを手にしている人もいるのだろう。
この本には、全てを手にすることは叶わなかったが、それでも、立ち上がる人たちが描かれている。ようにも思う。
打席には、立とうと思って立てるものではない。
それでも立とうと思い、抗い続ける姿を描くことが、共感や感動を呼び起こしているのか。
鈴木忠平さんの本は、素晴らしい。
一点だけ言わせてもらうと、盛り上がりは、最後まで大事に取っておいて、最後の最後に泣かせるのがいいと思う。あちこちに盛り上がりがあって、もったいない気がした。
これはこれでいいけど。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ野球は観ない・やらない(やれない)自分だが、たまたま移動中の車で掛け流していたpodcastかyoutubeで紹介されていて購入。
選手に対する監督としての関わりを通じて、落合氏の人物像が立体的に立ち上がってくるような作品。
自分の場合、一人ひとりのプロ選手の生き様が印象的だった。
これから読む方では、スポーツに限らずプロフェッショナルと形容される仕事をしている場合、感じ入る言葉があるのではないか。
人生、順風満帆にはいかないものだが、それはプロ選手の方も一緒。特にスポーツにおいてフィジカル面では年齢が重要な意味を持ち、終わりを覚悟しなければいけない世界と推察する。分かっていてもその終わりに直面したとき、ひとりの人間として、終わりにどう向き合うか。
プロ選手の葛藤と、それでも前に進む態度に学ばせていただく点が多かった。
===
▼個人的に印象深かった点(感想)
・真の渇望は、パサパサのハンバーガーに満足して笑っている内は生まれない。
└いざ全てが終わった後に気がついても遅い。
・挫折を味わい、遠回りしながらも、自分の居場所を勝ち取る。
・いつ自分の居場所を失うかもしれない危機感。
・一球でも多く相手に投げさせる。フォアボールでもいいから、塁に出て、何とか舞台の端にしがみつこうとする。そうした飢餓感のようなものが、他人に何かを感じさせるのでは。
・成功しても個人として得るものはなく、失敗
した場合に失うものは大きい。それでもやることにポリシーが宿るのかもしれない。
・こんなにしんどい思いをして、何も掴めずに終わってたまるかと言えるまで愚直に自分を追い詰めることができるか。
・自分の代わりはいくらでもいる。自分で自分に落第点のバツをつけても、何の慰めにもならない。その中で続ける死に物狂いの努力を日常風景にしていく。
・練習や努力は見せるためのものじゃない。結果が大事。
・新人、若いというだけで使ってもらえるなんて思わない方が良い。ベテランにだって生活はあるし、何よりプロは成果を上げるため/ 上げ続けるために集まっている。
・機会を与えられて生きてきた人間は弱い。ぶつかると潰れてしまう。
・「もう要らない」と言われてしまって、地獄に落ちたような気分でも、もらった言葉の意味を考え続ける。その上で、そこからまた始めるしかない。始めるなら、早い方が良い。
・築き上げた実績に腰掛けようとする度、椅子を取り上げられ、プライドの横っ面を張られ、翻弄されてきた。
└自己革新し続けることがプロの宿命。 -
Posted by ブクログ
日本ハムファイターズの新球場エスコンフィールド新設までを追ったフィクションである。著者は鈴木忠平。『嫌われた監督 落合博光は中日をどう変えたのか』や『虚空の人 清原和博を巡る旅』などの日本プロ野球を中心としたスポーツノンフィクションで優れた著作を世に出した実力派ライターである。「面白い人間ドラマがある」、元記者でもっとも早く外部でこの動きに気が付いた人物で、最終的に日本ハムファイターズに入社した高山のこの言葉に反応して2018年ごろからこの件を著者は追いかけてきたという。関係各者との密な関係をもとにした丁寧な取材と熱い思いとともに、ありあまる情報をもとづいた構成、そしてライターとしての表現力からとても素晴らしいノンフィクションになっている。もちろん、それは主人公格の前沢や三谷の一貫した熱い思いと行動があったからでもある。そして、その熱さは、北広島市の川村部長、親会社日本ハムの川村取締役にも伝染をしていった。
一般には、札幌市が運営する札幌ドームの使用料の高騰と球場内ビジネスの制約の日本ハム球団から改善要請に頑なに応えることがなかったことから、新球場建設の判断につながって、札幌市からすると逃げられてしまったという文脈で語られていると思う。この本を読むと事情はそれほど単純ではなかったことがわかる。著者は札幌市の担当にも心を寄せて公正に描こうとしていることが感じられた。おそらくは札幌市側にもいくばくかの感情移入が働いてもいるのだろう。それがこのストーリーに深みを持たせることにもなってもいる。
一方で、最終的に建設地争いを勝ち取った北広島市にとっても道のりは決して平坦ではなかった。札幌市からほど近いとはいえ人口6万人程度の小さな自治体で、もともとは新球場の誘致など思いも寄らなかったはずだ。そのストーリーを前沢や川村部長の高校球児時代のそれぞれの思いやケビン・コスナー主演の名作映画『フィールド・オブ・ドリームス』のエピソードをちょうどそこにあつらえたように入れてくる。
建設候補地決定に向けた東広島市の住民説明会の場で前沢が「どこで何をやるのかよりも、誰とやるか。そのほうが大事だなと。そう考えています」と発言する。それを聞く川村をはじめとした東広島市の誘致チームの面々。彼らにとってもクラーク博士からとった市のスローガン「アンビシャス・シティ」の言葉にまさしく値する身の丈に余る大事業であった。この言葉を聞き、そして建設候補地を勝ち取った彼らの興奮とはいかほどのことであっただろうか。
不覚にも本を読みながら何度か涙ぐんだことを告白する。野球がわからない人にも本当におすすめの一冊。