虚空の人 清原和博を巡る旅

虚空の人 清原和博を巡る旅

小説・文芸
1,700円 (税込)

8pt

清原和博という「虚空」を巡る旅
私はなぜ、清原和博に引きつけられるのか。ベストセラー『嫌われた監督』(ミズノスポーツライター賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞)の著者が描く堕ちた英雄の4年間と翻弄された男たちの物語。

目次
プロローグ こだま六八四号
第一章 甲子園の祈り
第二章 怪物
第三章 祭りのころ
第四章 脱走
第五章 虚空の人
あとがき

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虚空の人 清原和博を巡る旅 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    本書を読み進めるうちに、清原和博という人物そのものに強く惹きつけられていった。まるで自分自身が甲子園を夢見て青春を過ごす高校球児であったかのような気持ちになり、ページをめくる手が自然と熱を帯びたことを覚えている。
    ドラフト会議での苦い経験、栄光の裏に潜む葛藤、そして引退後に訪れる寂しさ――。華やかな世界の象徴である清原の姿が、むしろ人間らしい弱さや空虚さを通して描かれている点が印象的だった。
    挑戦する場を失い「空白が生まれる」という描写には、スポットライトから遠ざかった人間が抱える孤独や心の揺れがにじんでいた。
    また、本人だけではなく周囲の人々もまたその寂しさに触れ、寄り添い、傷つきながら関わっていく。その姿を追うなかで、「人は何のために生きるのか」「人は誰のために動くのか」という問いが自然と胸に生まれた。
    人は、自分のためだけでは前に進めない。他者のために動くとき、人は再び光を見いだすのかもしれない――そんな示唆を受けた。
    栄光と挫折、孤独と再生という人生の側面を通して、人の生き様を深く考えさせてくれる一冊だった。読後にはどこか余韻が残り、清原という一人の人間の人生に寄り添ったような、静かな感動が心に灯った。

    0
    2025年12月30日

    Posted by ブクログ

    人は過去の出来事を自分から切り離すことはできないし、ずっとついてまわるもの。それがいいものなよくないものかは別として。

    清原さんの話の続きが読みたいです。桑田さんから話が聞けてないので桑田さんに取材して欲しい。桑田サイドからみたドラフト会議のような感じで桑田さんの本も作って欲しいなと思った。

    0
    2023年12月28日

    Posted by ブクログ

    正直、巨人に行ってからの清原は好きになれなかったが著者が好きなので読んでみました。
    改めて、優しい心の持ち主の人だと思い、だからこそ、勝負師になれず、虚勢をはってあんな風貌になり、覚醒剤に手を出したんだと思いました。

    0
    2023年12月13日

    Posted by ブクログ

    嫌われた監督に続いて読みました。
    清原氏の経歴を良く取材されているのがわかります。清原氏は過ちは犯したけど、同世代のスーパースターとして野球会に貢献してほしいです。

    0
    2023年01月30日

    Posted by ブクログ

    本年もよろしくお願いします。

    さて今年の一冊目は「清原和博を巡る旅」と副題
    にも謳われた「虚空の人」です。

    「嫌われた監督」で注目を浴びたノンフィクショ
    ン作家、鈴木忠平氏の最新作です。

    少なくともプロ野球選手としては成功した清原和
    博氏についてはではなく、薬物使用で逮捕された
    「その後」を追っています。

    そして「その後」にこそ、清原和博という一人の
    人間の姿を私たちは知ることになります。

    「ああ、キヨハラってこういう人だったのか」と
    妙に納得してしまいます。

    何も知らない人は彼を「汚れた英雄」「堕ちた英
    雄」と言います。

    しかしこの本からは清原という人物は、たとえ甲
    子園で13本のホームランを打っていなくても、た
    とえドラフトで西武でなくそのまま巨人に入って
    いたとしても、たとえ薬物に身をやつさなくても
    「こういう人だったのだな」と納得し、親近感を
    抱かずにはいられない一冊です。

    0
    2023年01月03日

    Posted by ブクログ

    作家の生業について考えさせられる。対象との距離感に苦慮する作家の姿が印象的なドロドロした内容の本。

    石井妙子さんの「女帝 小池百合子」を読んだ時に似た、重い読語感。

    対象に惚れ込みながら食い物にしているだけでは、と自問自答する作家の姿。

    輝かしい存在に照らされ人生を振り回される一般人。そして自身の輝きのために、余儀なく演技を続けていかなければならない天才バッターの苦悩。

    桑田、清原の確執にも踏み込んでいる。

    今は亡き山際淳司の「ルーキー」と合わせて読むと更に面白いだろう。

    0
    2022年11月08日

    Posted by ブクログ

    清原氏は三歳ほど年上の方。
    スポーツはおろか、健康にも、恵まれたとはいえない自分の青年期に、あまりの格差に、羨ましいとも感じず、ただニュースで名前を見るだけの人だった。
    中年になり、とんねるずの番組で、どう見ても堅気ではない様子で活躍しているのも見かけた。
    その後、クスリで話題に。
    同じ時代を生きてきた、あまりに違う誰かが、どんなふうに過ごしたか、興味はあった。

    読んでみて印象的だったのは、むしろ筆者の息遣い。
    以下抜粋箇所は、中でも気になったところ。

    「スポーツライターという肩書をぶら下げて、勝者となった誰かが手にしたもの、敗者となった誰かに残されたもの、極端な光と闇の間にあることを書けばよかった。フックが付いた針が心に引っ掛かることはなく、憂鬱に堕ちることもなかった。何より、ことあるごとに自分自身の腹の奥底を覗かなくてよかった。」(p207)
    「もし、清原の人生があの甲子園の決勝戦だけであったなら、ホームランの一瞬だけであったなら。私はそう考えたりもした。だが、祭りが終わったあとも人生は続いていく。だんじりが通り過ぎたあと、ホームランの歓声が消えたあとには平坦な道が残されるだけだ。人はその日常をもがきながら生きていくしかない。それは清原だけでなく私や他の人間にとっても同じことだった。
    誰かの人生を一つの物語に綴じることなどできない。私にできるのは眼前にあるつぎはぎだらけの矛盾を書くことだけだった。私はようやくそのことに気づいた。
    そう考えると不思議と焦燥は消えた。物語を探す必要もなかった。」(p292)

    0
    2022年10月17日

    Posted by ブクログ

    清原の悩みと、著者の悩みが絡み合っている一冊。最後の桑田とのエピソードは、同年代としてはたまらなかった。

    0
    2024年05月02日

    Posted by ブクログ

    覚醒剤に手を出した清原和博を書いた本。野球少年だった頃から、PL学園時代、プロ野球選手の頃、そして現在と書かれています。

    清原に関わる色々な人、そして清原の抱える光と影をうまく書けています。物語の終わり方は何かはっきりしたものや華々しいものではありませんが、それこそが人であり人生なのだなという終わり方でした。

    0
    2023年11月14日

    Posted by ブクログ

    「告白」に比べて大幅に内容が充実した印象。薬物依存を向精神薬で抑え込もうとするも病状は一進一退、尽力してくれる周囲へ感謝の気持ちも表せないほどの「虚空の人」に心を蝕まれる協力者たちの心理描写も十分。関係者の多くが実名で描かれているのも良し。野々垣武志との関係も丁寧に描写されている。

    0
    2023年08月12日

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