G・K・チェスタトンのレビュー一覧

  • ポンド氏の逆説

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    素直な筋の小説がかなり少なくて、脇道にそれたりどうでもいい表現のところでページを費やしていたりする。執筆された時期が1936年なのもあって共産主義・社会主義やら戦争の話やダーヴィンのことも出てきて時代を感じる。さらにイギリスの劇のパントマイムが題材になっている話があって、イギリスの風俗に詳しくないとよくわからない感がますます高まってしまう。
    「黙示録の三人の騎者」の完成度が非常に高い。この話一本で本書の価値の5割はある。

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    2023年12月02日
  • ブラウン神父の知恵

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    2023/7/15 一旦休止とする。表紙イラストと題名に惑わされないように。なかなかクラシックで格調高い文体。ただ、短編集ながら読み通すにはエネルギーが必要。シリーズを読み込む気にはなれない。この一冊はます完読したい。

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    2023年07月17日
  • 奇商クラブ

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     ブラウン神父で知られるチェスタトンの短編集ですね。 旧版は本筋の短編集の他に凄く面白い中編が2つも入ってるらしいのですが今回読んだのは新訳版になります。 奇抜な手法で利益を上げる秘密結社「奇商クラブ」、主人公たちの前に訪れる面妖な人物たちは一体どんな稼ぎの術を・・・?

     奇譚の名にふさわしい六編でした。 自分の職業柄「家宅周旋人」が好み、実際すっごくニッチな分野ありますもの。 世の中が益々便利になっていき、個々の思想が具現化しやすくなった今世紀、如何なる者にも奇商クラブの会員に成り得るのだ。

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    2023年03月01日
  • 奇商クラブ

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    面白い、と感じるんだけど、今ひとつ入り込めなかった……。

    「ブラウン少佐の途轍もない冒険」、「赫赫たる名声の傷ましき失墜」が結構よかったかな。

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    2023年02月13日
  • マンアライヴ

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     はじめの50ページ辺りまでは、一体どういう話なのか良く分からずなかなか読み進められなかったが、イノセント・スミスの不可解な行動ー会って間もない女性にプロポーズする、拳銃を撃って危うく人を殺しそうになる、プロポーズした女性を置いて馬車で逃げようとしながらまた戻ってくるなど〜を見て断罪しようとする側と、弁護しようとする側との間に繰り広げられる私設法廷での不思議なやり取り。

     チェスタトンならではの哲学的な思いに誘われる作品。中編ではあるが、連作短編のような構成で、スミスの不可解な行動の意味が徐々に解き明かされていく過程が面白い。

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    2023年01月31日
  • ブラウン神父の童心

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    ドラマがとても面白かったので、原作を読んでみることにした。ドラマの脚本が時代設定や登場人物も含めて、いい感じに変えられていることがよく分かった。正直、ドラマほどの面白みは感じなかった。

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    2023年01月12日
  • ブラウン神父の童心

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    ネタバレ

    古典、往年の名作を知ると読みの視野が広がる。
    純文学系の古典、名作にも手を伸ばしたいところだが、主なテリトリーであるミステリで手一杯である事情はさておき。

    ということで、ブラウン神父シリーズ第一作目、『ブラウン神父の童心』。
    ぼんやりとした丸顔で小男のブラウン神父と、犯罪界に名を馳せていたがブラウン神父との幾度かの邂逅を経て改心し相棒となったフランボウのコンビが各地で巡り合う事件を解決していく。

    チェスタトンは初読。なるほどこういう作風ね。
    う~ん、何か入り込めない。
    あくまでも個人的な感覚だが、文化的地理的違いによりあまり思い浮かべられない細かな情景描写が多いなと思うのと、3人称語りとい

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    2022年11月19日
  • 裏切りの塔 G・K・チェスタトン作品集

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    ノンシリーズ短編集。
    表題作と「高慢の樹」は『奇商クラブ』に収録されているが、読んだのはかなり昔なので全く覚えていなかった。
    ミステリ的な切れ味より詩的な雰囲気を楽しむ話が多く、ブラウン神父シリーズより地味だがチェスタトンらしさに溢れている感じ。
    ベストは、動物や人間を貪り食うという異形の樹に挑んだ地主の失踪事件を描いた「高慢の樹」。

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    2022年10月07日
  • ブラウン神父の童心

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    ネタバレ

    円顔の小柄な老神父、ブラウン神父。
    亡くなった人に寄り添うため、教会関係者に呼ばれて、事件現場の端に居ると思ったら、あっという間に事実を暴く13篇。
    なんて書くと、殺伐とした印象だけれど、ブラウン神父はどこまでも穏やかに真実を指摘する。
    稀代の怪盗、フランボウをいつの間にか改心させて相棒にしてるし。
    何事も力押しなフランボウとそれを諌めつつ淡々と謎を解くブラウン神父のコンビも楽しい。
    それにブラウン神父が赴く館、屋敷が素敵だった。
    精美を誇る古庭を見晴らすベランダ、怪奇とさえいえる美しさの熱帯植物がところせましと繁茂しているガラスの温室、竹か強い熱帯産の籐で出来た河面の細長い家、陽ざしをいっぱ

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    2022年09月28日
  • 奇商クラブ

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    ネタバレ

    正直に言えば、アシモフの「黒後家蜘蛛の会」シリーズのようなクラブメンバーが奇妙な事件に出くわす、といった内容を期待していた。
    本作はミステリーと言えばミステリーだが、巻末解説にあるように奇譚とも言える。
    バジル・グラントの“探偵”ぶりはホームズやポワロとも異なっているが、変人さ/面倒臭さは負けず劣らず。
    最後に収録されている「老婦人の風変わりな幽棲」のオチは、少しずるいと思った。

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    2022年09月11日
  • ブラウン神父の醜聞

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    シリーズ最終巻。
    読みにくい文章だけどやっぱり面白い。
    一つの事象をいろんな視点で多角的に判断することがいかに重要であるか毎度教えられる。
    今まで何度ブラウン神父の推理に「なるほどそういうことか!」と膝を打ったことか。
    魅力溢れる短編ミステリーが読みたい時はぜひ。

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    2022年03月14日
  • ブラウン神父の不信

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    不可能犯罪が書かれている。心理的、性格的な分析に重点を置いているように思う。「犬のお告げ」は解説にある「密室トリックと凶器の行方を突き止めるブラウン神父の推理」は見事だと思うが誰が犯人かは、あまりにもストレート過ぎるように思えた。「ダーナウェイ家の呪い」が一番好きだ。トリックには想像するとゾッとするが、トリック自体にはとても驚かされた。本棚の秘密に関しては、後味悪く、解説を読んでニヤリとさせられる。

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    2022年03月05日
  • ブラウン神父の童心

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    みんな大好きブラウン神父、と評判なので試しに読んでみた。
    ブラウン神父というキャラクターは非常に好感が持てる。ポワロやホームズと違って穏やかで腰が低く、推理をもったいぶり方も哲学的でおもしろい。
    自分の時代背景に対する知識が浅いのもあってか、自分が謎解きをするというよりはブラウン神父の語りをなぞるという楽しみ方しかできなかった。
    有名な「折れた剣」はさすがにおもしろかった。

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    2022年02月05日
  • 詩人と狂人たち

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    画家であり詩人であるガブリエル・ゲイルが、特異な観察眼と狂人の理論に寄り添える想像力によって、不思議な事件の真実を明らかにする連作短編集。
    チェスタトンの作品なのだから、主人公の名前がキリスト教三大天使の中の「ガブリエル」を採用してるのも狙いがあっての事だと思う。ガブリエルは神の声を伝える者であり、幻の意味を説明する役割を担っている。今回のこの狂人達が巻き起こす事件の謎解き役の名前としては最適ですね。
    今作も逆接の論理が炸裂していましたが、思いの外、ロマンチックな物語でメロドラマとしても楽しめました。

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    2022年01月16日
  • ブラウン神父の不信

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    ドラマ化もされている人気短編集の3冊目。ミステリというよりは筆者の宗教観・世界観・人生訓のようなものを伝えるためにミステリの仕掛けを利用しているように読めるように思う。純粋に娯楽としてどうかと言われれば、他によい作品がありそう。10年後に読んだら評価が変わるかもしれない。

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    2022年01月11日
  • ブラウン神父の不信

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    新版となって読みやすいとなっているが言い回しがくどすぎて読みにくい。折角の名推理が頭に入ってきません。短編集で私の中では『犬のお告げ』が良かったです。

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    2021年07月24日
  • ブラウン神父の不信

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    「童心」「知恵」に続くブラウン神父シリーズ3作目。
    文章自体に癖があるので慣れるまでは読みにくい。
    ただ真相がわかった瞬間そういうことか!と納得できるからつい読んでしまう。
    奇想天外のトリックも良いけど個人的に「ギデオン・ワイズの亡霊」のシンプルなトリックが好き。

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    2020年06月17日
  • 知りすぎた男

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    政界や外交問題に関わる難事件を「知りすぎているがゆえに何も知らない男」が解決に導くが……というあらすじ。
    「知りすぎるゆえ知らない」という逆説テイストはチェスタトンお得意の分野で安心のクオリティ。ただし、同作家のブラウン神父や奇商クラブなどとは一味違ったストーリー展開になるのが今回の一番のポイントで、そこが面白いですね。
    聖書や文学からの引用など、分かりにくい所には注釈もついてて読みやすかったのも良かった。

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    2020年05月24日
  • 知りすぎた男

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    犯罪の真相が明らかになり犯人が分かっても、政治や外交が絡むことから、探偵役フィッシャーの付ける結末は苦いものとなり、カタルシスには至らない。最初のころはなかなか人物像が浮かんでこないフィッシャーであるが、連作を通じて次第に、その置かれた社会的位置から来る制約であったり、彼なりの行動原理が分かってくる。その意味でも、最終話は感動的でさえある。

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    2020年05月17日
  • ブラウン神父の童心

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    中々面白かった!
    有名だそうだけど、今まで知らなかったので読んでみました。
    文章が思っていたよりも独特で風景描写とか綺麗だなと感じました。
    トリックも中々思いつかないようなものも多く面白かったです。

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    2020年04月21日