あらすじ
その古書を開いた者は跡形もなく消えてしまう──そう伝えられるとおりの事件が起きる「古書の呪い」を始め、閉ざされた現場で発生した奇妙な殺人の謎がこのうえなく鮮やかに解かれる「《ブルー》氏の追跡」、陸へ上がったばかりの提督が殺害された奇妙な事件とブラウン神父の鮮やかな推理が光る「緑の人」や「共産主義者の犯罪」など、いずれもチェスタトン特有のユーモアと、逆説にあふれた、粒よりの9編を収録する。全編が必読にして傑作という、奇跡のような〈ブラウン神父〉シリーズ、堂々の最終巻!/解説=若島 正
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Posted by ブクログ
シリーズ第5短編集にして最終作。風采の上がらなかった神父も世に知られる人物になったしフラウボーも前作で分かるよう過去の人物になった。
実は本書収録の『村の吸血鬼』は本短編集の後に発表されたものだが作者の死去に伴いここに掲載されるようになった模様。たぶんフラウボーが出てきた話が本当のラストで次作は新シリーズの構想があったのだろう。
今まで動揺に神父の逆説と文章で幻惑させてくる様な構成。映像化したら早々にバレそうなトリックもあるがそれ故に文章で楽しむ作品なのかもしれない(時代を変えてドラマ化され、そちらもシリーズ化はされている)。
これまでの探偵小説とは異なり相棒が記述するスタイルでないのもあるがその為かレギュラーキャラは僅少で事件そのものが主役で神父は狂言回しのような印象もある。