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とんだ惚け神父に違いない、と読者が思わざるを得ない描写から始まるブラウン神父のお話。お団子のような外見とは裏腹に、実に論理的で明快・鋭い観察眼は後のアガサ・クリスティのポワロやミス・マープルのように人物の見た目と反する意外なほどの知性を持った名探偵……そういうスタイルがある。愛着を持て、人間味溢れるキャラクターだとブラウン神父はいえる。
書籍としての構成の妙も、この本にはある。私と同じように全くの初見で読む人は、ワトスン役とモリアーティ役が誰なのか考えながら読むと大変悔しい思いをする。というかしてほしい。とっくの昔に亡くなっている作者に笑いながら石を投げつけたくなる構成です。初見だけの楽しみですね。すごくワクワクしたし、してやられた!という気持ちになる。
作者はとにかく捻くれていると読みながら感じる。皮肉を言わないと死ぬ病だとしかおもえないほど全編皮肉、ブラックユーモアばかりで楽しい。一番お気に入りをひとつ引用しておく。
p219 『サラディン公の罪』
ボートはかろうじて二人が楽に乗れる大きさで、他には必要品を容れる余地しかなかったが、フランボウはその余地を、彼独自の哲学が必要とみなした品々で満たした。つまるところ、それは四つの必需品に帰着した。
鮭の罐詰ーーこれはものを食べたくなったときの用意。
装填した拳銃ーーこれは射ちたくなったときの準備。
ブランデーが一本ーーこれはおそらく失神した場合に備えて。
そして最後に神父が一名ーー察するにこれは死ぬ場合に対処してのことだろう。
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見た目は冴えないが、悪や犯罪に対して鋭い観察力・深い洞察力を持ったブラウン神父が事件を解決していく連作12篇。収録作は以下のとおり。
青い十字架
秘密の庭
奇妙な足音
飛ぶ星
見えない男
イズレイル・ガウの誉れ
狂った形
サラディン公の罪
神の鉄槌
アポロの眼
折れた剣
三つの兇器
思い込みや“心理的に見えない人”が解決の鍵となる「奇妙な足音」と「見えない男」がおもしろかった。名探偵が真相をなかなか明かさない点は古今東西共通らしい。まだ色々と定まっていなかった為か、ブラウン神父の容姿以外の設定がブレブレだった。
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修飾が多いが物語の骨格はシンプルでわかりやすいし謎に魅力がある。完成度が高い。トリックがシンプルなのもわかりやすくていい。
探偵のブラウン神父に魅力はない。フランボウの方がいい。
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G.Kチェスタートン(1911年M44年)
ブラウン神父シリーズ初読み。世界三大探偵はホームズ、ポアロとブラウン神父らしいとも。
小柄で団子鼻でパッとしない神父さんと天下の盗賊から足を洗った長身イケメン探偵の凸凹コンビが深い洞察で難解な事件を解決してゆきます。ゆるーい設定BBCドラマシーズンは大好きでよく観てます。
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作家名も題名も既知のものだったので蔵書リストをチェックしたが見当たらないので購入。
読んだ覚えあったけど、ふつーにおもしろい!
隙間時間に手に取りやすくて良いんだよなー。
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ドラマがとても面白かったので、原作を読んでみることにした。ドラマの脚本が時代設定や登場人物も含めて、いい感じに変えられていることがよく分かった。正直、ドラマほどの面白みは感じなかった。
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古典、往年の名作を知ると読みの視野が広がる。
純文学系の古典、名作にも手を伸ばしたいところだが、主なテリトリーであるミステリで手一杯である事情はさておき。
ということで、ブラウン神父シリーズ第一作目、『ブラウン神父の童心』。
ぼんやりとした丸顔で小男のブラウン神父と、犯罪界に名を馳せていたがブラウン神父との幾度かの邂逅を経て改心し相棒となったフランボウのコンビが各地で巡り合う事件を解決していく。
チェスタトンは初読。なるほどこういう作風ね。
う~ん、何か入り込めない。
あくまでも個人的な感覚だが、文化的地理的違いによりあまり思い浮かべられない細かな情景描写が多いなと思うのと、3人称語りということもあるのだろうが、一話一話の入りが毎回違う雰囲気がして一話毎につんのめる感じ。
連作感が薄いというか、ぶつ切りにされているというか。
それでも、一冊読み終える頃にはブラウン神父の全てを見透かす目、罪人の心に宿る微かな光に情を寄せるはからいがしっかり印象付きました。
フランボウはもっと活きてもいいと思うのだけどな。
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円顔の小柄な老神父、ブラウン神父。
亡くなった人に寄り添うため、教会関係者に呼ばれて、事件現場の端に居ると思ったら、あっという間に事実を暴く13篇。
なんて書くと、殺伐とした印象だけれど、ブラウン神父はどこまでも穏やかに真実を指摘する。
稀代の怪盗、フランボウをいつの間にか改心させて相棒にしてるし。
何事も力押しなフランボウとそれを諌めつつ淡々と謎を解くブラウン神父のコンビも楽しい。
それにブラウン神父が赴く館、屋敷が素敵だった。
精美を誇る古庭を見晴らすベランダ、怪奇とさえいえる美しさの熱帯植物がところせましと繁茂しているガラスの温室、竹か強い熱帯産の籐で出来た河面の細長い家、陽ざしをいっぱいに受けた田園の上に豪雨を降らす暗雲となって腰を据えているかに見える教会。
ドラマなら映像でみられるのかな。
青い十字架 奇行を繰り返す男の謎
秘密の庭 警視総監の自宅に現れた首を切断された死体
奇妙な足音 会員制レストランに響く奇妙な足音の秘密
飛ぶ星 クリスマスの晩に消えたダイヤモンド
見えない男 3人が見張る部屋から消えた犯人
イズレイル・ガウの誉れ 失踪した古城の主と首無し死体
狂った形 東洋通の芸術家の不審な死
サラディン公の罪 僻地で隠遁生活を送る公爵の結末
神の鉄槌 小さなハンマーで撲殺された男
アポロの眼 新興宗教の祈りの最中に起きた転落事故
折れた剣 英雄の将軍の真実
三つの兇器 死を感じさせない朗らかな男の死の真相
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みんな大好きブラウン神父、と評判なので試しに読んでみた。
ブラウン神父というキャラクターは非常に好感が持てる。ポワロやホームズと違って穏やかで腰が低く、推理をもったいぶり方も哲学的でおもしろい。
自分の時代背景に対する知識が浅いのもあってか、自分が謎解きをするというよりはブラウン神父の語りをなぞるという楽しみ方しかできなかった。
有名な「折れた剣」はさすがにおもしろかった。
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中々面白かった!
有名だそうだけど、今まで知らなかったので読んでみました。
文章が思っていたよりも独特で風景描写とか綺麗だなと感じました。
トリックも中々思いつかないようなものも多く面白かったです。
Posted by ブクログ
The Innocence of Father Brown
ブラウン神父もの第一作
シャーロックホームズのライヴァルとのことだが、物語のわかりやすさや冒険感などはコナンドイルの方が強い。
ブラウン神父ものは、謎が出てきてそれが解決されるという意味ではきちんとした探偵小説だが、それ以外の部分で他の探偵小説との違いを強く感じた。読んでいると、どことなく幻想的で不思議な雰囲気になった。また、「神の鉄槌」はブラウンものでも比較的わかりやすい推理もので最後の結末もかっこよくて印象的だった。