G・K・チェスタトンのレビュー一覧

  • ブラウン神父の童心

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    The Innocence of Father Brown

    ブラウン神父もの第一作
    シャーロックホームズのライヴァルとのことだが、物語のわかりやすさや冒険感などはコナンドイルの方が強い。

    ブラウン神父ものは、謎が出てきてそれが解決されるという意味ではきちんとした探偵小説だが、それ以外の部分で他の探偵小説との違いを強く感じた。読んでいると、どことなく幻想的で不思議な雰囲気になった。また、「神の鉄槌」はブラウンものでも比較的わかりやすい推理もので最後の結末もかっこよくて印象的だった。

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    2019年10月22日
  • 奇商クラブ

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    チェスタトン初期の連作短編集。話の手法は、後のブラウン神父シリーズを彷彿とさせる、
    発端は奇妙な出来事の発見→探偵役のさらに奇妙な行動→理由が判明してすっきり
    という例のパターン。毎度、読んでる最中に訳がわからず読者すらも翻弄する読書体験がとても楽しい。
    さらに、本作に感心したのは、タイトルにもなっている「奇商クラブ」というキーワードを使ってこの1冊を仕上げてきたという事。詳細は実際に読んで汲み取ってほしい。
    解説も丁寧でわかりやすくて良かった。
    (もし、本文を読んでて、チェスタトンの文章が理解しづらく躓きそうになったら、まず解説の最初の2頁程を読んでから本文にとりかかると少し楽になるかもしれ

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    2018年12月16日
  • 詩人と狂人たち

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    なかなか文体が高尚な感じで読みづらさはあったけど、普通のミステリ作品とは一線を画すようなちょっと異色な短編集。これ好きな人はオコナーも好きなんじゃないかな。

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    2018年06月28日
  • ブラウン神父の童心

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    傑作と謳われる短編集だが、
    ミステリとしては古くささが否めない。
    驚かされる様な話は一編も無かった。
    批判と皮肉に満ちた独特の文章が、
    段々と味わい深いものになってくる。
    そこに面白さを見出せれば、
    それなりに楽しめる作品。
    古典作品はどれもそうだが、
    現代の作品を数多く読む前に、
    特に学生の内に読んでおくと良いのだろう。

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    2017年05月29日
  • 詩人と狂人たち

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    これは…ジャンルとしてはミステリになるのかな。

    主役のガブリエル・ゲイルは画家であり詩人なので探偵というわけではないけど、行く先々で巻き込まれたりした事件を解決していく。
    本人が言うには、自分も狂っているから狂人の気持ちがわかるらしい。

    面白かったけど、文章がとても読みづらく感じた。
    元の文章からしてそうなのか翻訳でそう感じるのか私が悪いのかはわからないけど、読んでて文章が頭にすんなり入ってこない感じがする。

    でも最後まで読んだら、最初わかりにくかったこともなるほどそういうことだったのかと理解できたので再読したらもっとすんなり入ってくるのかもしれない。

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    2017年02月04日
  • 知りすぎた男

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    ネタバレ

    『標的の顔』
    ハロルド・マーチが出会ったボーン・フィッシャー。発見した車に乗り射殺されたターンブル。屋敷に招かれた客たちと会の主催者ジェンキンス。ジェンキンスの射撃の腕に隠された秘密。

    『消えたプリンス』
    プリンス・マイケルと名乗る男。消えたプリンス・マイケル。事件の捜査にやって来た刑事ウィルソン。何者かに射殺されたモートンとノーラン。

    『少年の心』
    叔父に連れられて博物館にやってきたサマーズ・マイナー。博物館で盗まれた貴重なコイン。コインの警備にあたっていたモリス大佐。磁石を使った盗難。

    『底なしの井戸』
    底なしの井戸の付近で殺害されたヘイスティングス卿。事件直前までヘイスティングス卿

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    2014年02月02日
  • 法螺吹き友の会

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    連作短編集となっている表題作と、3つの短編収録。
    「法螺吹き友の会」はチェスタトンらしい奇人変人が盛りだくさんで、キャベツを帽子代わりにかぶったりするのだが、ブラウン神父もののようにラストで鮮やかなサプライズがあるわけでもないし、英語の言い回しがポイントになっていることが多いので少々読みづらいかも。しかし話が進んでくると英国のあるべき姿とか社会風刺の主張が強くなってきて、ミステリとは違う意味で面白かった。
    短編の1つはブラウン神父もの。作中で神父が「かつて扱ったような素朴な殺人事件は存在しなくなった」と嘆くところはちょっと切ない。

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    2012年12月20日