都筑卓司のレビュー一覧

  • 新装版 不確定性原理 : 運命への挑戦

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    量子論に関する一般書は多くある。「非専門家にも読みやすい本として」書かれた本も多くある。
    しかし、その中にも決して読みやすくない本は少なくない。

    本書は一般向けの量子論の本の中にあって、本書は出色に読みやすい本であることは間違いない。
    そして、不確定性原理に関する説明を主軸に置いたという点で、他の量子論の一般書に比し特徴の強い一冊となっている。

    本書の他にも量子論に関する一般向けの良書は少なくない。が、良書を読み、もう少し詳しく知りたくなったときに少しずれたテーマで書かれた良書というものはなかなかある物ではない。本書はそのような意味でも貴重な良書である。

    ラプラスの悪魔・不確定

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    2009年10月04日
  • なっとくする量子力学

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    数学がダメな私には難しすぎて歯が立たない本でした。前書きでは、数式を抑えて書いてあるということでしたが、いえいえ、数式はたくさん出てきます。とはいえ、量子力学は本質的に物理を数学の側から追求した学問分野であり、これは当然のことなのだ、と改めて思い知った次第。

    本書はおそらく理科系大学生向けの教科書を補完する学習本だろうと思います。理科系と言っても理学部物理学科や数学科とか、半導体や化学の物性物理工学とか、もしくは高レベルな大学の理科系の学生向けじゃないかと思います。

    内容は、科学者たちが量子力学にたどり着くまでの過程を順番にたどります。その過程とは、ある問題が苦労して一つ答えを出すといくつ

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    2025年05月19日
  • 新装版 マックスウェルの悪魔 : 確率から物理学へ

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    難しい物理の内容を噛み砕いて説明している本であるからこそ、理系学問をかじる自分が読むと、読み易さもありつつ、定性的・本質的な理解が進む良書だった。特に、ジュールトムソン効果の分子論的解釈や「空気はなぜ積もらないのか」は分かっているようで分かっていなかった。λ転移についても、院試勉強でスルーしてしまった内容だったので触れることができて良かった。マクスウェルの悪魔については以前、「時間は逆戻りするのか」で出会ったので知ってはいたが、問題点(諸論ある)を明確に覚えていなかったので知れてよかった。ブルーバックスは、理系学問を学んでいるからこそ、定性的な感覚をつかむのに丁度いいなと改めて感じた。

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    2025年03月29日
  • 新装版 タイムマシンの話 : 超光速粒子とメタ相対論

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    超光速粒子は存在するか?もしも存在するとすればタイムトラベルは可能か?という、SF的な事象を科学的な観点から検証する。
    内容は興味深いが、予備知識がないと難解な部分もあり、斜め読み。

    最初の出版が1972年、この新装版の出版が2002年ということで、2024年に読むとさすがに文章に古さを感じた(自分は専門家ではないだけに、内容的にも古くなってるのかは判断できない)。

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    2024年02月10日
  • 新装版 四次元の世界 : 超空間から相対性理論へ

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    四次元の世界を幾何学ではどのようにあつかっているのかということを解説し、アインシュタインの特殊相対性理論の世界へと読者をみちびく本です。

    著者は「講談社ブルーバックス」シリーズの多くの本を執筆して、一般の読者に物理学のおもしろさを伝えていますが、本書の「新装版刊行にあたって」には、「おそらく筆者の著書の累積最高部数を記録しているだろう」と書かれています。著者の本を何冊か読んできましたが、本書はそのなかでもとりわけ読みやすく、多くの読者を獲得しているというのも納得ができるように感じました。

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    2021年05月26日
  • 時間の不思議 : タイムマシンからホーキングまで ムムッ、虚時間?

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    タイム・マシンは物理学的に可能なのかという問題からはじまって、ブラック・ホール、ビッグ・バンなど、一般の読者にとって興味深い宇宙物理学のテーマをとりあげ、解説している本です。

    著者は「あとがき」で、「本書で述べた時間の不思議は、宇宙の話から入る大きなロマンである」と述べています。本書は、宇宙物理学についてのよもやま話といった内容の本で、個々のテーマについて突っ込んだ説明がなされているわけではないのですが、わたくしのようなに理学についての知識に乏しい読者がそうしたロマンに触れることのできる本だと思います。

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    2021年05月26日
  • トポロジー入門 奇妙な図形のからくり

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    メビウスの帯の原理を知りたいと読む。解ったと言えるのかどうか解らないけれど、トポロジーは面白そうだ。

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    2020年12月09日
  • トポロジー入門 奇妙な図形のからくり

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     トポロジーは柔らかい幾何学とも呼ばれるが、鉄道の経路や文字の形、迷路などを使うとその意味がよくわかる。前半はエッセイのようであるが、具体的な例のおかげで、見た目の形ではなく、性質としての形がどうであるかを突き詰める様子がイメージしやすかった。後半は数学的な内容となるだけでなく、一般化を試みるため難しくなってくる。n次元球、n次元立方体ともなるともはや形をイメージができず、示された式やパラメータが本当に正しいものであるのかよくわからなかった。とはいえ、鉄道の経路がトポロジーであることから分かるように、全く遠い世界のものではなく、身近なものから徐々に世界を拡張していけば理解できるのかもしれない。

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    2019年09月14日
  • 新装版 マックスウェルの悪魔 : 確率から物理学へ

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    理数系の話が苦手なため、半分くらいは難しくて分かりませんでしたが、分かる部分は楽しめました。
    70年代に書かれた本なのに、最終章では50年後の現代社会の姿を言い当てているところにドキリとさせられました。

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    2018年12月21日
  • 新装版 四次元の世界 : 超空間から相対性理論へ

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    4次元とはどのようなものなのかということを幾何学の基礎から考え始め、4次元の可能性について相対性理論を用いて考察していく。
    この本は新装版だが、一番の初版は昭和44年ごろである。
    しかし、古臭い感じはない。
    かなりわかりやすく書いてあるので、ある程度物理の高等教育以上の知識を有している人にとってはややくどい感じがあるかもしれない。高校生など向けの入門書という感じであろうか。

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    2018年10月09日
  • 時間の不思議 : タイムマシンからホーキングまで ムムッ、虚時間?

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    多分、宇宙も私たち生物と同じく呼吸をしているのだろう。私たちも宇宙の一部であるわけだし。
    この本を読んでそう思う人はほとんどいないかもしれませんが、虚時間がどうのとか、宇宙が拡張期から収縮期に移行すると時間が逆転するだとか、自分にとってはどうでもいいというか、間違えているとしか思えない訳で、あまり真に受けることなく、宇宙と自分の関係性に意識を向け、宇宙の呼吸と自分の呼吸を合わせることはできるかとやってみるのですが、まー全然無理なわけで、あんまり変なことやってると頭がパーな人と思われるだけなので、やめておくのです。
    さて、まあ、宇宙の始まりとか宇宙の終わりとかいうのは、ある意味、科学というより思

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    2014年09月15日
  • 時間の不思議 : タイムマシンからホーキングまで ムムッ、虚時間?

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    物理学者は、想像力と計算式を駆使して、見えない分野を切り開いていくんだなあ。結局「時間って何か」はよく分からない。

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    2013年02月08日
  • 新装版 マックスウェルの悪魔 : 確率から物理学へ

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    熱力学や統計力学について、平易に解説されていると思うが、部分的には、難しくて十分理解できないところもあった。
    でも、素人が一冊読んだだけで完璧に理解できるというほど簡単な内容ではないのだろう。本当に分かろうと思ったら、同じテーマの本をいくつも読まないと無理かも。
    実際、朝永辰一郎の「物理学とは何だろうか」の次に読んだので、朝永本で分からなかったところの理解が少し進んだ。

    ところで、エントロピーについての身近な例で、片付いた部屋は低エントロピーで、子供が散らかした部屋は高エントロピーだと書かれていたが、「この」散らかり方は(別の散らかり方と区別すれば)唯一の散らかり方なのだから、エントロピーが

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    2012年01月19日
  • 新装版 マックスウェルの悪魔 : 確率から物理学へ

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    熱力学が生んだ鬼っ子とも言うべきマックスウェルの悪魔を題材にエントロピーの概念を分かりやすく解説した本です。
    単なる科学の啓蒙書の域をこえて、私たちの日常生活にまで言及した哲学的なテーマも内包していて、文系の人にも興味深く読める本になっています。
    ただ、平易に書いてはいるのですが、ところどころ数式も出てきており、そこはかなり難しく読み飛ばしてしまいました。

    最後、著者は宇宙の熱的死ならぬ情報化社会の発展による人間社会の死について懸念を示していますが、元になった本が書かれたのが1970年ごろだというのを考えると少し大げさな気もしました。

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    2011年12月31日
  • 新装版 不確定性原理 : 運命への挑戦

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    古典力学なら分かりやすいのだけど、現実的には量子力学・不確定原理になるわけ。これをどのように自分自身の現実問題として捉えていけるかが問題。

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    2011年07月18日
  • 新装版 マックスウェルの悪魔 : 確率から物理学へ

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    マックスウェルの悪魔に対する反証を知りたかったが、初版が古いこともあり、現在の状況は分からなかった。

    内容は確率とエントロピーの関係が中心であり、なかなか難しい。エントロピーについて新たな視点から見ることができるようになった。しかし簡単には読めなかった…

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    2011年07月09日
  • 新装版 タイムマシンの話 : 超光速粒子とメタ相対論

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    相対性理論では光の速さが最速で不変というところから話が始まるけれども、それは光よりも速い物質が存在しないことを意味しているのではない。

    というところから超光速で動く粒子をタキオンとして、数式をつかいながらタキオンなら時間を逆行することも可能なのではないかという検討をしている。

    数式がけっこう難しいので途中わからないところも多かったが、超光速では時間や因果が逆転しうるということはわかった。

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    2010年09月01日
  • 時間の不思議 : タイムマシンからホーキングまで ムムッ、虚時間?

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    相対論的時間論を例を交えて分かりやすく解説。
    タイムトラベルやブラックホールなどについても触れており読んでいて面白い。

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    2010年08月28日
  • 新装版 マックスウェルの悪魔 : 確率から物理学へ

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    最もimpressiveなのはこの本の最後。

    現代社会の発展は人間の死に向かわせる。

    それは、社会の発展に従ってエントロピー=情報処理量は増大し、人間はその処理を行えなくなるからだ。

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    2009年10月04日
  • 新装版 マックスウェルの悪魔 : 確率から物理学へ

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    決して読みやすくはない。
    「空気は積もらない理由」
    「熱的終焉」
    熱力学関係の基礎知識が身につく。
    一度よむべき。

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    2009年10月04日