都筑卓司のレビュー一覧

  • 新装版 四次元の世界 : 超空間から相対性理論へ

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    四次元を単に言葉だけで定義するのではなく、もしも四次元の世界というものが本当にあるならそれはどんなものなのか、というダイレクトな好奇心に応えてくれる良書。本書は主に数学的四次元と物理学的四次元の2つの話を展開している。

    前半の数学的四次元の話では数学、幾何学の上で次元というものをどう考えるのか、四次元というものが論理と数式でどう成り立つのかという話になる。ここまででも一次元から四次元までの整理、非ユークリッド幾何学まで話の広げ方が巧み。もちろん数学的な四次元空間というのは二次元人に三次元が根本的に想像できないように、三次元人には具体的なイメージというのは掴みにくいのだけどそれでも相当わかりや

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    2025年10月19日
  • 熱はつたわる

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    むすこは、アイスがとけるスプーンがお気に入りで、アイスを食べるときにはかならず使う。でもこのスプーン、なぜすぐアイスをとかすんだろう? 手のぬくもりが、どのように伝わっているのだろうか? なぜ多くのアイスキャンデーの軸には、木が使われているのだろうか?

    むすこは、さいきんポケモンが好きだ。氷タイプのポケモンが使うわざの一つに、「ぜったいれいど」というものがある。この「ぜったいれいど」ってなんだろう? どういう状態のことをそうよぶのだろう?

    この本を読むと、生活や遊びの中でなんとなく親しんでいるもののなぞがかいめいされていく。きっとこの本を読んだ後には、全てのものにふくまれているけれども見え

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    2025年08月27日
  • 新装版 タイムマシンの話 : 超光速粒子とメタ相対論

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    ネタバレ

    相対論、素粒子論、量子力学、統計力学、これは物理学…なのか?と、高校の物理化学の時間を居眠りで過ごしてしまった私にはまったくピンとこない理論と数式が各所に登場し、完全に理解できたとは言えないものの、これまで考えたことのない視点の一部を垣間見ることができた。
    何より印象的だったのは、理詰めで導かれた正確なものだと思い込んでいた物理分野の理論が、あくまでも今現在人類が証明できうる現象を仮定的に説明したに過ぎないということ。光よりも速い物質があるかもしれない、時は対称的に反転しうるかもしれない、そんな想像力から生まれる仮説が今も世界中の研究者たちによって明らかにされようと実験を重ねられているのだとい

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    2024年12月20日
  • 新装版 マックスウェルの悪魔 : 確率から物理学へ

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    『現実世界と統計力学がリンクする!』「分子などの粒子の集団としての振る舞いをその確率から統計的に記述する物理」と説明されて「なにそれ面白そう!」と興味が持てる人間は間違いなく少数派だが、本書はもうこれ一冊で存分に統計力学を楽しむことができる。「コーヒーとミルクってなんで混ざるの?」「お茶はなんで冷めるの?」という小学生にされたら困るような日常の疑問を統計力学的に説明し、そこから一般人がわかるようでわかってない理論上位に位置する熱力学第二法則とエントロピーの話に綺麗につながっていく。そして極めつけにオチのエントロピー社会論。エントロピーが増大し、もはや誰にも全容を把握することができない社会で、個

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    2018年10月20日
  • 新装版 マックスウェルの悪魔 : 確率から物理学へ

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    今まで読んだエントロピー関連の本では群を抜いてわかりやすく、おもしろかった。薄い割には内容が濃い。とはいっても入門書。何を勉強すればよいのかわかってきたので、本書を足がかりにこれから深く勉強していきたいと思う。

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    2018年09月09日
  • 新装版 不確定性原理 : 運命への挑戦

    購入済み

    分かりやすい

    テーマを絞って、さまざまな角度から説明されています。

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    2017年05月03日
  • 新装版 マックスウェルの悪魔 : 確率から物理学へ

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    非常に面白かった。本書の初版が出版されてから、今日に至るまで人類全体のエントロピーは増大し続けている現状を鑑みると、本書の結びにある人類自身がマックスウェルの悪魔となり、自らの救世主となる未来は遠い。

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    2017年03月19日
  • 新装版 タイムマシンの話 : 超光速粒子とメタ相対論

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    タイムマシンは可能です。未来行なら。効率は悪いですが、プチタイムマシンならもうすぐつくれますね。

    問題は、未来からの信号を受け取れるか? 過去に行けるのか? 過去にいけなくても過去にでた光を観測できるのか?

    現在の物理学でその問いに答えをだすことはできませんが、今の物理学でどうような理論があるのか、かなり分かりやすく説明してくれています。

    超高速粒子(タキオン)とメタ相対論を仮定して話をすすめています。

    宇宙理論やタイムマシンの原理をある程度理解することで、今後の理論の発展に興味がもてます。

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    2013年03月03日
  • 新装版 マックスウェルの悪魔 : 確率から物理学へ

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    熱力学の第1法則・第2法則、エントロピーの性質を分かりやすく説明しています。最終章で、エントロピーを世の中一般に広げて話をしているのもすごい。確かに今の仕事は、反エントロピーを生産することですね。

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    2012年07月03日
  • 新装版 不確定性原理 : 運命への挑戦

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    どう考えても難しい題材だと思うのですが、小説など様々なジャンルを含めてもかなり読みやすい部類に入ります。「巨人の星」に始まり、最後のSF戦争まで飽きずに楽しめました。

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    2012年06月07日
  • 新装版 不確定性原理 : 運命への挑戦

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    いくつもの変な物語が冗長だが、それを差し引いても、本書は物理に関する基本的な考え方を丁寧にひもといてくれている。これは専門書ではできない芸当だろう。

    ・光束の幅をゼロにすることは、光の回折性によって絶対不可能であることがわかっている。
    ・星が見えると言うことは・・・光がつぶであることの裏付けとなっているのである。
    ・Δx・Δp=h :ハイゼンベルグの不確定原理:これは顕微鏡の分解能の考え方から導き出せた。
    ・ΔE・Δt=h :定常状態でのみエネルギーは同じになる。
    ・電子の居所は原子の中のどこにでも部分的に存在していなければならない。
    ・1.1000個の粒子のうち、10分の1の100個がB点

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    2012年06月22日
  • 新装版 四次元の世界 : 超空間から相対性理論へ

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    相対性理論を理解する上で、何が思考の原点になっているかを窺い知ることができる本。難解という訳ではないが、それでもところどころ、腰を落ち着けて読む必要がある。そこが本書の肝の部分だからだ。

    ・力学では剛体の運動で6次元など平気で出てくる。
    ・p138時間と空間の違い。人の意思で支配できる空間とそうでない時間。空間が各人で別の場所を占有するのに対して、時間は万人に同一時刻がある。
    ・物体の運動と波動の違い。
    ・慣性質量と重力質量は同じもの。比例関係にある。

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    2012年05月15日
  • 時間の不思議 : タイムマシンからホーキングまで ムムッ、虚時間?

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    物理学者というのはとんでもないことを考えるなあ。ホーキングという名前は知っていましたがここまで突拍子もないことを考案した人だったとは。全てが新鮮でしたが、理解はしきれない。

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    2012年05月11日
  • 新装版 マックスウェルの悪魔 : 確率から物理学へ

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    最高に面白かった!
    熱力学を中心に全ての自然現象についての知識が深まります。
    ミクロの世界に浸りたい方は是非!

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    2011年12月07日
  • 新装版 パズル・物理入門 : 楽しみながら学ぶために

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    ネタバレ

    最初に、空の色について、疑問から創造へと導いている。
    光が波であること、波の性質についての記述がある。

    「納得のいく説明」として。
    作用と反作用。
    について記述している。

    以下、静力学、動力学と摩擦、地球、流体力学、光と音、熱と電磁気、相対論と宇宙
    という分類に基づいて、話題提供している。

    コリオリの力、永久運動などのコラムもある。

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    2011年11月05日
  • 新装版 マックスウェルの悪魔 : 確率から物理学へ

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    これはすごい。
    こんなに読みやすいのに、エントロピーを軸とした「自分が今考えてみたいこと」にどんどん踏み込んでいってくれた。いかんせん熱力学・統計力学は学問的にもうHOTではないと考えがちであったが、昨年田崎先生の熱力学を読んで以降考えを改め、本書によりさらに興味を刺激された。
    都筑先生の著作は学生時代にいくつかお世話になったが、教科書的ではない本書にこの著者の魅力が詰まっている。
    なるほど、長年支持されるだけの理由がある本だ。

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    2011年07月29日
  • 新装版 四次元の世界 : 超空間から相対性理論へ

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    [ 内容 ]
    卵を割らずに黄身がとり出せるか?
    四次元の世界ではそれが可能だという。
    真実とはかくも奇妙なものなのか。
    アインシュタインがついに見つけた実在する四次元から、超多時間理論、重力波まで、絵には描けない世界を丁寧に語り尽くす。

    [ 目次 ]
    第1章 次元とはなにか
    第2章 四次元空間の性質
    第3章 曲がった空間
    第4章 ハップニング
    第5章 光とはなにか
    第6章 実在する四次元
    第7章 非ユークリッド空間

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性

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    2010年05月24日
  • 新装版 マックスウェルの悪魔 : 確率から物理学へ

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    [ 内容 ]
    タイムマシンを実現させて過去をよみがえらせ、永久機関を動かして、世間をアッといわせてみせる。
    人類が滅び、宇宙に終焉が訪れるとすれば、マックスウェルの悪魔こそ、救世主か?この不可思議な悪魔に目をつけながら、時間の向きを決めているという「エントロピー」を、他に類を見ない面白さとわかりやすさで解説する。

    [ 目次 ]
    1 永久機関のはなし
    2 エルゴード仮説より
    3 確率から物理法則へ
    4 秩序崩壊
    5 なぜ空気はつもらないか
    6 でたらめの世界
    7 救世主としての悪魔

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ス

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    2010年05月22日
  • 新装版 マックスウェルの悪魔 : 確率から物理学へ

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    夕もやにかすむ街はずれの空地、くさりかかった丸太や、土管が乱雑に並び、掘り返しの穴には水がたまって、垣根の竹が汚水の中に落ち込んでいる。
    ……
    と、ある傾きかけた家の台所で、坊やが泣いていた。
    ……
    あかりもない台所はすでに薄暗い。まもなく坊やの父親も、一日の仕事から帰ってくるだろう。
    ……
    さきほどまで物干し竿の洗濯ものを動かしていた風も凪いで、あたりは気味の悪いほど静まりかえっている。
    ……

    このような文章が出だしから数ページ続く。物理学の本だというのに!
    そうだった。久しぶりの感覚だ。これが、都築卓司さんの BLUE BACKS だ。
    今回は、どんな世界に連れて行ってく

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    2022年11月19日
  • 新装版 マックスウェルの悪魔 : 確率から物理学へ

    Posted by ブクログ

    上手くたとえ話を交えながら書かれているのでわかりやすい。自由エネルギーとエントロピーの関係のイメージを掴むのに良い。(ただ平和鳥の原理は結局よくわからなかった。)

    最終章は物理だけの話ではなく人間社会へと話が及ぶ。情報の爆発により人間が滅亡する話は2021年に読んでも説得力があり、本当にそうなりそうに感じる。把握・判断すべきことに溢れすぎている現状を打開するにはやはり判断を機会に委ねるしか無いのか。

    久保亮五先生の人類滅亡時期の予言に関するエピソードはボルツマンを彷彿とさせた。

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    2021年09月19日