あらすじ
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卵を割らずに黄身がとり出せますか?四次元の世界ではそれが可能だというのです。アインシュタインがついに見つけた実在する四次元から、超多時間理論、重力波まで、絵には描けない世界を丁寧に語り尽くします。(ブルーバックス・2002年8月刊)
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Posted by ブクログ
四次元を単に言葉だけで定義するのではなく、もしも四次元の世界というものが本当にあるならそれはどんなものなのか、というダイレクトな好奇心に応えてくれる良書。本書は主に数学的四次元と物理学的四次元の2つの話を展開している。
前半の数学的四次元の話では数学、幾何学の上で次元というものをどう考えるのか、四次元というものが論理と数式でどう成り立つのかという話になる。ここまででも一次元から四次元までの整理、非ユークリッド幾何学まで話の広げ方が巧み。もちろん数学的な四次元空間というのは二次元人に三次元が根本的に想像できないように、三次元人には具体的なイメージというのは掴みにくいのだけどそれでも相当わかりやすくしていると思う。さらにそこから、読者が知りたいのはそういうことじゃないでしょう、現実世界の四次元というのが気になるのでしょう、ということで出てくるのが物理学的なよじで後半からは優れた特殊相対性理論の入門書になる。
現実の四次元ということで著者は時間という次元を持ち出すが、しかし空間と時間は完全に同じではない。なのにそれを足して四次元と言えるのか?空間と時間が同じということになればできるんですというわけで出てくるのが特殊相対性理論。光速度不変の原則を飲む限り時間というのは伸び縮みするものになり、かくして摩訶不思議でしかも日常的な四次元の世界に誘ってくれる。
本書はブルーバックスの中でもロングセラーとして名高いが、四次元を題材に数学の考え方から物理学の考え方まで話の広げ方と深掘りの仕方が滑らかで達者なことが長年読み継がれる所以だと思う。面白かった。
Posted by ブクログ
相対性理論を理解する上で、何が思考の原点になっているかを窺い知ることができる本。難解という訳ではないが、それでもところどころ、腰を落ち着けて読む必要がある。そこが本書の肝の部分だからだ。
・力学では剛体の運動で6次元など平気で出てくる。
・p138時間と空間の違い。人の意思で支配できる空間とそうでない時間。空間が各人で別の場所を占有するのに対して、時間は万人に同一時刻がある。
・物体の運動と波動の違い。
・慣性質量と重力質量は同じもの。比例関係にある。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
卵を割らずに黄身がとり出せるか?
四次元の世界ではそれが可能だという。
真実とはかくも奇妙なものなのか。
アインシュタインがついに見つけた実在する四次元から、超多時間理論、重力波まで、絵には描けない世界を丁寧に語り尽くす。
[ 目次 ]
第1章 次元とはなにか
第2章 四次元空間の性質
第3章 曲がった空間
第4章 ハップニング
第5章 光とはなにか
第6章 実在する四次元
第7章 非ユークリッド空間
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
途中までですが,途中から抽象的な話で読む力が無くなりました…。
4次元が実現するなら~という仮定のもとでの現実はどうなるのかってことを考えさせてくれました。超次元空間こそ解析やってる人ならある程度頭でイメージしたいと思うので,そういう意味では導入として良いのかな。
Posted by ブクログ
四次元の世界を幾何学ではどのようにあつかっているのかということを解説し、アインシュタインの特殊相対性理論の世界へと読者をみちびく本です。
著者は「講談社ブルーバックス」シリーズの多くの本を執筆して、一般の読者に物理学のおもしろさを伝えていますが、本書の「新装版刊行にあたって」には、「おそらく筆者の著書の累積最高部数を記録しているだろう」と書かれています。著者の本を何冊か読んできましたが、本書はそのなかでもとりわけ読みやすく、多くの読者を獲得しているというのも納得ができるように感じました。