今野真二のレビュー一覧

  • 百年前の日本語 書きことばが揺れた時代

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    ・今野真二「百年前の日本語-書きことばが 揺れた時代」(岩波新書)の「あとがき」に、「過去の日本語と現代の日本語が異なるということの指摘だけでは、歴史を語ったことにはならないのであり、その『違い』を『日本語の歴史』の中 で、どのように評価し、位置づけるか、ということが重要になる。」(193頁)とある。補足すれば、これは例へばかういふことである。漱石や鷗外の新字新かなに直してない、つまり漱石や鷗外の表記をきちんと反映したテキストを読めばすぐに分かることだが、仮名遣ひと字体以外にもかなりの違ひがあり、しかもその違ひは同じ語であつても必ずしも一通りだけではない。これは読んでいけばすぐに気づく。私もも

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    2012年12月16日
  • 百年前の日本語 書きことばが揺れた時代

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    日本語の書き方で明治時代は今とかなり異なっていることを知った.「こども」は"子供"書くが、小児、幼児、童児、童子と書いて "こども"と振り仮名を付けていた事例が出てきた.柔軟な書き方に面白さを感じた.

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    2012年12月15日
  • 日本語と漢字 正書法がないことばの歴史

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    日本語学についての大学での集中講義が元となっており、筆者独自?の用語定義がわかり難く、結果として内容も難解。
    第4章以降は比較的理解容易。

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    2025年09月29日
  • うつりゆく日本語をよむ ことばが壊れる前に

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    最初は「そんな細かく指摘しなくてもなんとなくわかるでしょ」と思いつつ読んでいたのが、ページを進めるにつれて、「基礎的な言葉遣いをちゃんとしていないと、意思が伝わらなくなっちゃうかもしれないんだ」と危機感に変わる。新聞の見出しに、書く側の感情が表れているというのが面白かった。

    第3章「コピーの文体」という項で引用されていた「これが今のわれわれの言語生活である。ある程度の嘘を含み、大袈裟で、見た目には派手で魅力的だけれど、しかし信用のならない言葉。」という文が印象に残った。SNSが生活に浸透している今、コピーの文体はあまりにも覚えがありすぎる。

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    2025年08月04日
  • 図解で学ぶ めくるめく日本語史の世界

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    今まさに使っている日本語に「はなしことば」「かきことば」の概念があることを初めて知った。
    ことば、というものが現れてから時代の中で使う言葉や文章の成り立ちが変わっているということが興味深かった。
    「若い人が使う日本語は正しくない」と耳にすることが多いが、果たしてそれを言っている人たちの日本語は「正しい」のだろうか?と思うと考えが深まるような本だった。

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    2025年05月22日
  • 日本語と漢字 正書法がないことばの歴史

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    お茶の水大学で日本語学特殊講義Iの集中講義の記録を本にしたものである。したがって、ある程度日本語学について学習している学生を対象にしていると考えられる。したがって、教員養成系大学の学生にとっては、国語専攻であれば理解ができるが、それ以外の学生にとっては難しいかもしれない。辞書といえば、スマホ全盛期の現在、広辞苑か解明国語辞典ぐらいしか使っていないということで、なかなか理解が及ばないかもしれない。また、萬葉集でも万葉仮名での本文は教科書にも掲載されていないし、平家物語でも最初の部分のみの掲載である。

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    2024年10月13日
  • 日本語と漢字 正書法がないことばの歴史

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    漢字、漢語から日本語をみる。日本語を書くには複数の方法がある。かな文、カタカナ文、漢文訓読文等々、それで正書法が無いといっているのか?漢字・漢語を通じて日本語の歴史をみるという。それぞれの部分では面白く読めたが、全体ではもう一つストーリーが無いように思う。

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    2024年05月07日
  • うつりゆく日本語をよむ ことばが壊れる前に

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    ネタバレ

    指摘が細かすぎているのではないか。筆者のように考えていては、話し言葉も書き言葉も使えなくなってしまうような気がする。言葉は生き物だ。もう少し柔軟な姿勢で言葉を受け止めてよいのではないだろうか。

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    2023年10月29日
  • うつりゆく日本語をよむ ことばが壊れる前に

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     いろいろな媒体があり、それに使われている言葉がある。その言葉に違和感は、なかった。だから、この著作の意見が理解できなかった。読み進めていく中で、言葉

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    2022年03月08日
  • うつりゆく日本語をよむ ことばが壊れる前に

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    この著者の作品はけっこう読んでいて、今作で4冊目。
    日本語の歴史や文化に示唆に富んだ内容が多い。今作も日本語の変化を紹介しているけど、規範となる証拠を新聞に求めるのはどうかな。新聞での日本語表記がどれだけ、今の社会を反映できているのかが、そもそも疑問だよね。とはいえネットはいかんせんまだ蓄積が足りないかな。

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    2022年02月19日
  • 盗作の言語学 表現のオリジナリティーを考える

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    タイトルは「売らんかな」のためのもので、内容は盗作とは関係ない。
    「文章が似ている」とはどういうことなのか、人は文章のどこをどう認知して、他の文章と似ていると判断するのかを探るもの。考えてみるまでもなく「コトバ」に100%のオリジナリティはあり得ない。そりゃそうで、聞いたこともないコトバや文章だったら意味が伝わらないもんね。誰もが知っているコトバを使いながらも、文章には個性が生じる。不思議なもんだ。

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    2021年06月10日
  • 常識では読めない漢字

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    「驀地」などは全く読めなかった。
    (まっしぐら)
    明治、大正にはやはり時代の変革期ということもあり、外来語をいかに表記し理解しようという足掻きも感じられつつ、その字の由来も多少なりとも知ることができる。
    それが現代には死滅しているものが大半であるも、色づき具合が残存している言葉もあることが窺い知れる。
    名作を少し読みたくなるのもその効用か。

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    2020年11月07日
  • 教科書では教えてくれないゆかいな語彙力入門

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    語彙の本来の意味と、語彙をこういう風にしてみてはどうでしょう、どうやらこれはしっくりきそうです。
    と、独特な言い回しで、読み手に馴染みやすくを意識して説明されていたと感じた。また、途中途中、例題が出され、その対義語は何か等のボキャブラリーも少し、掲載されている。

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    2020年05月18日
  • かなづかいの歴史 日本語を書くということ

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    「歴史的仮名遣い」そのものと「仮名遣いへの観察の歴史」を概説。数々の史料を用いて懇切丁寧に書き込まれてはいるものの、書誌学の基礎知識なしでは理解が難しく、「新書」のスタイルで発刊する意義があるのだろうかと疑問を感じる。とはいえ、「歴史的仮名遣い」を知らなければ明治期の文献を読むことが困難になるかもしれない、という著者の危機意識には共感を覚えた。

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    2020年04月16日
  • 百年前の日本語 書きことばが揺れた時代

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    明治が日本語表記の「揺れ」の時代だったのではなく、それまでずっと揺れていた表記が明治以降に収束の方向に向かった。明治期までの日本語と現代の日本語で、表記の幅以外に本質的に異なるのは、漢語と和語の区別が曖昧になってきたこと。漢語が外来語として意識されなくなってきて和語の中に溶け込んでしまった。

    教育の標準化による常用漢字表などの制定、新聞などの出版物によって不特定多数が読む文章が、表記法が統一されていく背景にあった。

    古くは「手で書くように印刷する」もので、崩し字や続け字の活字まであった。それがいつしか「印刷するように手で書く」方向へ変わっていった。

    振り仮名でもって和語、外来語に漢字を当

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    2018年11月05日
  • 盗作の言語学 表現のオリジナリティーを考える

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    中盤以降は文法、文学としての手法・技法の話題が主です。俳句や和歌についての比較が多数あるのは珍しいかもしれません。
    自分は門外漢ゆえ理解しづらい部分も多いのですが、果たして「パクリ」を指摘する側(特にネット上で)これだけの文学的手法をどれだけ調べたうえで相手を批判しているのだろうなと思えました。

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    2015年12月16日
  • 盗作の言語学 表現のオリジナリティーを考える

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    パロディなのか剽窃なのか、オマージュなのか冒涜なのか。表現の揺れや接続詞、単語の並びなどから、下敷きにした文章との近さ/遠さや、作者/二次的な作者の立場の違い、表現形式の差による情報の取捨などを扱う。

    コピペ・パクツイに関しては帯に書いてあるほど扱わず、「おわりに」で少々触れる程度であるので、コピペ・パクツイを求めて手に取った場合は些か拍子抜けするかも知れない。地道な比較作業や、わずかな表記の揺れから作品を読む繊細さが光る。

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    2015年11月11日
  • 盗作の言語学 表現のオリジナリティーを考える

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    昨今のデザイン関係の問題からそもそもコトバはどうなのだろう?と手にした本ですが、読んでいる間に考えたのは人口知能のことでした。どんどん、コンピューターと会話したり、翻訳を任せたり、ボーッとしている間にに人口知能の言語能力は進歩している気がして、まさにホームズにおけるワトソンの存在として我々の側に寄り添う時代になってきたのだと思いますが、それはコトバそのものが模倣によって出来上がっているからこそ可能なのだと思います。つまり、コンピューターのコトバは盗作の仕組みにかなり近い。ということは人口知能の言語に創作性を感じたりした時、人間のオリジナリティーの問題はかなり揺らぐのではないか?と夢想しました。

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    2015年10月25日
  • 盗作の言語学 表現のオリジナリティーを考える

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    借りたもの。
    主に“言語”表現における“なぜ盗作と見なされるのか”の分析だった。
    それは盗作である事を前提にしているとか、それが悪であるという感情論ではなく、何故“似ている”と思われるのか、を事例を交えて解説している。
    そして文学や論文における「引用」に始まり、詩歌での「本歌取り」など元を踏まえてオリジナリティを出しているとはどういう事なのか、曖昧な線引を伝えようとしている。
    中には辞書における表現方法まで――
    そこで見いだされるのは、言語における説明の限界があり、それ故に「似ている」表現にならざるを得ない事も示唆されていた。

    ネット等でアマチュアから大御所まで「パクリ」疑惑が炎上する昨今。

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    2015年08月04日
  • 盗作の言語学 表現のオリジナリティーを考える

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    うーん。
    「コピペ、パクツイが蔓延する時代。「同じ」と「違う」の、日本語学的分析。どこまで「類似」でどこから「盗作」?」という紹介文が気になって読んだんだけど、現代の事は全然なのね。紹介文のコピペ、パクツイ云々の下りはいらなかったかな。

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    2015年06月22日