今野真二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今野さんの新書は、『振り仮名の歴史』以来。
こういうテーマだと、やはり文章のオリジナリティってあるのか、あるとしたらどういう方法でそれを確認するかについての新たな知見を期待する。
で…残念ながら、過大な期待だったかな、というのが第一の感想だ。
単語のレベルでは、オリジナリティは存在しない(これまで誰にも使われたことがない単語を使って書いても意味が理解されない)というところは、まあ、そうだろうと思う。
しかし、この本の中で、このレベルで明瞭にものを言っているのは…もしかしたら、これだけかもしれない。
小説の場合、短歌の場合、俳句の場合、とたしかにジャンルは、単語や語句の使いまわしが盗作とみなさ -
Posted by ブクログ
日本語は4種類の文字を使用していると小学校の時に教えられた。
漢字、ひらがな、カタカナ、アラビア数字の4つだ。現在だとアルファベットも、これに入るかも。
なかで漢字は特別で、日本語は最初漢字のみで表記されていた。今では考えられないけど、表音文字として利用されていた。万葉集が確かにそうだもんね。これが中国語の字義と近しかったりすると漢語として日本語になっていったのだそうな。逆に表意的に運用されて根付いた語もあるわけだ。
漢字を使うことで中国語から日本語へことばが流入したが、逆もあったらしい。やまとことばの「おおね」に「大根」をあてたので「だいこん」。つまり大根は漢語ではないわけだ。 -
Posted by ブクログ
『振仮名の歴史』の人の本、と読み始めてから気づいた。
実はあの本、読んで、これという意義が分からなくて、すぐに処分してしまっていたのだが。
近代日本語の表記がどのようにできあがっていくかということについての本、ということか?
変体仮名や字形についても、かなり多様性があったものが、プリント/メディアの発達によって、ある一定の範囲に収斂していった、というストーリー。
こうとしか要約できないのは、わたしに読みこなす力がないから、とは思うが・・・。
この要約がそれなりに的確なものだとすれば、もしかすると、それは本書を読む前からこの要約が頭にあったのかもしれない。
変体仮名の使い分けが、語頭/非語