齋藤可津子のレビュー一覧
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インド、イタリア、カナダに住む三人の女性の物語が、「髪」を通じてつながる。
インド、不可触民のスミタは娘に教育を受けさせようとするが、その願いは潰される。
不可触民、初めて聞いたインドの状況に驚き、何日も心のモヤモヤから、立ち直れなかった。
しかし、スミタは強かった。
命がけであらがう。
イタリアのジュリア 家族の為望まない結婚をせ
まられる。
カナダのサラ 弁護士3人の子供をワンオペ育児
中、癌の宣告を受け、絶望する。
3人の話が、最後に繋がる。
よくぞ描いてくれたなぁ、と思う。
刊行前から、十数か国で翻訳権が売れ、話題になったという。 -
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謎の組織によるテロ行為はエスカレートし遂に犠牲者が出る。
その煽りを受けながら大統領選は終結する。
家族内での不幸。もっとも若い息子が死に、体の不自由な父親は生き延びる。
主人公は妻との関係を修復するも過酷な運命が待ち受けていた。
上巻から物語の重要な要素と思われていたテロとの戦いや大統領選は尻すぼみに終わり、家族の話、そして主人公個人の生死をめぐる話へと収束していく。スケールの縮小。
弟オーレリアンはともかく、妹セシルや義妹インディーは最後まで活躍するかと思ったが。イラストまで用いたテロ組織の正体は投げっぱなし。
大統領選もあれだけ騒いでおいていざ終わればあっけない。その終わり方も味気な -
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作家ミシェル・ウエルベックの最新刊。時は2027年、大統領選挙を間近に控えるフランスを舞台に、経済財務大臣補佐官のポールを通して同国および世界の抱える病理と苦悩を見つめた大作。
相次ぐ国際テロ事件、選挙に向けた候補者応援活動、そしてパラレルに進行するポールと彼を取り巻く親族の家庭問題が、筆者の皮肉やジョーク、近現代の哲学思想をふんだんに交えて展開される。
ポピュリズムに支配される政治ゲーム、晩婚化と少子高齢化、過酷な介護の現場、メディアによる暴露など日本とも無関係ではないトピックに彩られながら、救われたいと願いつつ運命に翻弄される現代人を浮き彫りにする。滅び行く世界の中で、ポールと妻プリュ -
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教師を辞め大好きだった同僚でもある彼が行きたがっていたインドへ行く
インドで溺れかけ助けてくれた少女にお礼がしたいと思い少女のもとへ行くが
少女は学校へ行ってなく、文字が書けない
さらに家の店の手伝いを朝から晩までさせられてる
女だからという理由で学校に行けない女子たちのために学校を作る
なぜ、彼のことが大好きだったと過去形なのが最初分からなかったが後半にその理由が出てきてショックだった
生徒に銃で殺された…
狙って殺されたというよりは、巻き込まれる形
インドでの、子どもの結婚など問題となってることが書かれてる
三つ編みの本が読んでみたくなった -
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ネタバレレティシアさんの3作目、
相変わらず、とても良かった。
レナ、ラリータ、プリーティ ー 絶望の淵を経験してきた3人の女性。恋人に先立たれ、両親と離れ離れになり、出産で母子共に命を落とした姉がいた過去。
打ちのめされながらも、力強く前進していく3人はすごい。
インドの過酷な格差社会の中で、最下位層にあたるダリットは、人として扱われない。子供は学校で虐待やいじめにあう。さらに女性は教育不要、児童婚が当たり前の世界。
自分で決めることができない人生、覆すことができない状況に生まれて、生きる意味をどこに見出したら良いのだろう。
無理やり結婚させられたラリータの親友の話には、悲しみ以上に悔しさ -
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前作「三つ編み」に続く作品。インドの不可触民・ダリットの母娘のその後が描かれていました。
元教師のフランス人女性・レナが海辺で少女・ホーリーに命を助けられたことで物語は大きく展開します。
そしてホーリーが助けを求めた相手 「レッド・ブリゲイド」と呼ばれる女性のための護衛組織。そのリーダーを務めるプリーティとの出会いもまた、レナの人生に大きな影響をもたらす。
偶然に思える出会いも、実は「必然」じゃないかと思うことがある。
「児童婚」「児童労働」などの慣習。「女に教育は必要ない」という考え方。
本作を読むと、ある国では女性の立場がいかに低く見下されているか、置かれた境遇の凄絶さは想像を絶する現 -
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『何があろうと、人生は続く。』
主人公でフランス人のレナ、レナを救い教育機会を得ることができたラリータ、現地で闘うプリーティ。
女性達の奮闘、そして残酷な現実の中でも希望を求め信じて進み続ける姿はただ感動だけではない力強いメッセージが込められている。
男性として生まれて、日本で生きている自分自身はこれを遠い国の物語として傍観していてはいけない。
人間社会で起きていることは身近にも起きている。ということを改めて感じた。
読後、一言では語り尽くせない感情が心を埋め尽くす。国、性別、親、環境…この社会におけるあらゆることを私たちは自分自身で選択することできずに生まれてくる。ある意味それは選択がで -
Posted by ブクログ
フランスから来た元教師と、被差別階級の女性、少女、3人の交流から南インドの村に、学校ができる。
エゴや自己満足ではないか、これが正しいのか常に選択を省みるレナ。異なる文化、立場へと関わる覚悟と、連帯の心強さがあたたかく描かれていた。
前2作と同じく、社会問題から目を背けないのに、読み心地が軽やかに感じる文体…シナリオ寄りでセリフが少ないのに情景が浮かぶ。
『三つ編み』読んでから、こちらも読んで本当に良かった。
フェミニズム文学は、結末を明るく描いても課題が山積している現実を考えてしまうけど、目の前の問題に向き合い、乗り越えようとする登場人物を見ることで、物語と連帯できた気持ちになった。