齋藤可津子のレビュー一覧

  • 三つ編み
    髪と女性という共通項のもと、3人の登場人物について書かれている。絡み合う彼らの思いや情熱に自分の気持ちを徐々にのせていって、あっという間に読み終えてしまった。
  • 三つ編み
    苦難に直面する3人の女性の人生を、三つ編みを
    編むように交差させながら物語っている。
    文章の簡潔さゆえ映像がすぐさまイメージできるのが良い。
    置かれた境遇から立ち上がって前へ進もうとする
    3人の姿に共感を覚えた。
    ヴィシュヌ神に捧げられた髪がイタリアを経て
    遠くカナダのモントリオールへ届けられた時、...続きを読む
  • 三つ編み
    スミタの勇気がとにかくすごい!
    そして信仰とは何かを考えさせる。
    3つの物語が最後に合わさる構成も良い。まさか、こんなふうに繋がるとは!世界中の頑張る女性たちに幸あれ!
  • 三つ編み
    それぞれ置かれた苦しい状況の中で、女性たちが立ち上がっていく姿はかっこよかった。最後に近づけば近づくほど、力強さを増していく3人の女性の姿は清々しい。

    主食はネズミで、罪を犯した男性を罰するのに女性が強姦され、毎年二百万人の女性が犠牲になり命を落とすという、インドのダリットの待遇は耳を塞ぎたくなる...続きを読む
  • 彼女たちの部屋
    知らなかったことをたくさん知った。アフリカ大陸に根深く残る女性器切除、フランスの貧困、難民のこと…。
    何もしないより、ちょっとのことでもした方が何倍も良い。小さいくちばしで汲んだ水を山火事に掛けるハチドリみたいに。
    自分のことだけで手一杯、他のことは気になっても何もできない…それは本当か?何かほんの...続きを読む
  • 三つ編み
    国も年代も違う3人の女性。置かれた状況は全く違う。それでも女性としてそれぞれ闘うものがある。それぞれしんどい。それでも現実。自分の力で希望をぐいっと引き寄せる。力になってくれる人もいるから。女性の現実だけど味方になる男性の存在もあった。もはや女性男性の問題ではないのかもしれない。個人個人はそこを既に...続きを読む
  • 彼女たちの部屋
    この本を通して、色々なことを知れた。
    女性器切除のことも名前は知っていたけれど、具体的なイメージを持てていなかった。
    言葉を失うような経験を持つ人間が、この世界にはまだまだ沢山いる。

    恵まれたことに、私はソレーヌ側の人間。
    今年からPLANに寄付をし始めたけれど、お金を差し出すだけでなく、もう少し...続きを読む
  • 三つ編み

    今年1番の小説

    今年はコロナで自宅にいる時間が多かったので、外国文学を読み漁っていました。
    読んだ後の清々しい気分はこの三つ編みが1番良かった!後書きに書いてあって印象的だったのが、著者の出身国のフランスの男性の育児休暇について。「男性にも子供を育て幸せな時間を過ごす権利がある」 日本とは違いますよね。是非とも...続きを読む
  • 彼女たちの部屋
    「三つ編み」を読んだ後にこちらの作品を読みました。「三つ編み」と似たようにこの作品では過去と現在が繋がっている作品で、楽しく読めました。ブランシュのやったことがソレーヌの代までずっと続いていて、その意思もそのまま受け継いでいた物語だったので、読んでて胸が熱くなりました。
    読もうか迷っている方は「三つ...続きを読む
  • 彼女たちの部屋
    稀に出会う、信念とか感情とかにモロに響く作品。
    生き方はなかなか変えれんくても、考え方はいつでも変えれるしな。
  • 彼女たちの部屋
    パリ、女性会館という場所で現代と100年前が行き交う。女性が安心して眠れる場所に生涯を捧げた女性と、100年後のその場所で人生に再び意味を取り戻す女性。
    書くこと、報われること、この場所から始まっていくこと。読みやすい文章の中に情熱の灯り、時を越えた女性たちへのエール。


    物語の中にパリの貧困の現...続きを読む
  • 彼女たちの部屋
    翻弄される女性を救う場所、それを作った女性とそこで再生する女性のリンクが見事すぎて、読み終わってもしばらく本から手が離せませんでした。ソレーヌ、よかったね、と肩を叩きたくなりました。上の立場にいたと思っていた彼女が、会館で生きる女性たちに近づいていく様には、旨がしめつけられます。これが、共感の姿です...続きを読む
  • 彼女たちの部屋
    ソレーヌが初めて人前で大泣きする場面、シンシアが絶望して自死するところ、私の人生とは違うけど、登場する女性1人1人の苦悩に自分を重ねて読んだ。
    145ページのハチドリの話ー事態の打開には程遠くても、せめて自分にできることはするーが好き
  • 彼女たちの部屋
    前作同様に一気に読めた。ただ、現在と過去のパリが抱える問題の理解が自分に足りず消化不足の感は残った。
  • 彼女たちの部屋
    まさに一気読み。この読む事を止める事ができない内容と読みやすさは著者のレティシア・コロンバニさんの筆力の賜物であり翻訳者の齋藤可津子さんの素晴らしさのおかげだと思う

    本作の中でも取り上げられていた風習についての本(積んである)を次に読もうと決めた
  • 滅ぼす 下
    滅ぼすとはそういうことだったのかと、読み進めるにつれて、悲しい気持ちになった。オーレリアンは自殺し、ポールが末期の癌になるとは。喉頭や口腔癌になると、舌を切除しなければならないこともあるとは、知らなかった。

    プリュダンスと仲良しに戻っていて、本当に良かったと思った。死期を悟った後も冷静で、手術を拒...続きを読む
  • 滅ぼす 上
    家族のキャラクター設定がものすごく良いと思った。
    シニカルで真面目な官僚の長男、慈悲深く家族を繋ぐ役割をしている妹、うだつが上がらず、災難ばかり降りかかる弟。父やマドレーヌ、そして彼らの結婚相手しかり。みんながキャラクターとしての役割を見事に演じていて、物語の情景が自然と頭に浮かんだ。
  • 滅ぼす 下
    テロや政治の大きな物語を背景としつつ、フォーカスされるのは、一人の人間がどのように己の死に向き合うかということ。
    文明の滅びのイメージと人間の滅び、自然の巡りなどを相互に響かせながら物語は進んでいく。

    伏線では?と勘ぐりたくなるような匂わせが頻発するが、それらの記述は解決されず、物語の背景で滞留し...続きを読む
  • 三つ編み
    髪がキーになる話だけど、三つ編みとは3人の登場人物の人生が交錯する象徴でもあると感じた。最終的にはうまくまとまって終話するけど、実世界はもっとシビアと思う。
    サラが置かれている状況が自分の身にもつまされたが、インド人のスミカの過酷な人生がとても衝撃だった。めざましく発展してるインドだけど女性が虐げら...続きを読む
  • 彼女たちの部屋
    読んでいるうちに、ブランシュやソレーヌまでにはなれなくても、困窮した女性を助ける人になりたいと思った。日本にも困窮している女性がいて、そのことを知っているのに、何もしないというのは違うような気がするから。ささやかでも自分のできることを考え、実行したい。