著者デビュー作の"三つ編み"で
インドの不可触民である女性が、自分の娘にその仕事をさせたくなくて逃げる話と、
イタリアで家族経営の仕事(村の人々の髪をカツラにする)を継ごうとしている若い女性
そしてカナダで乳ガンを宣告されるシングルマザー
の三人の生き方がそれぞれ描かれながら、つながっていく話でした
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この"彼女たちの部屋"は、
著者がたまたま通りかかって知った「女性会館」から、その施設の創設に尽力した実在の人物ブランシュ(1920年代)
と、
現代の女性ソレーヌ 弁護士でバリバリ仕事をしていたはずが、ある判決が終わったところでクライアントが目の前で飛び降り自殺してしまう
それからうつ状態に...何もしない生活を続けている彼女に医師はなにかすることをすすめる。ボランティアとか。
文章を書くことが好きだった彼女は、人の代わりに代筆する という言葉に惹かれ、ついたところは上記の「女性会館」
生活保護を受けている人たちや、外国から逃れてきた人など生活に困窮した女性たちの生活の場。
ここでいろいろな文を読んだり書いたりするうちに少しずつ打ち解け、そこでまた事件が起き......
いろいろな環境の人がいます。
路上生活を何年もしていたから部屋でゆっくり寝られない人や、
アフリカの風習で女性に対し酷いことをすること
(なんと、女性器切除!という慣習…)から逃れるためにフランスにやって来た人
母親から逃れるためにパリに来て独り立ちしようとしたけどうまく行かず路上生活する若い女の子
1920年代に、困窮した女性や子供のための大きな施設を作るために資金調達に奔走する話と、
現在の女性の保護と独り立ちへの手助けが、交互に綴られていきます。