齋藤可津子のレビュー一覧
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聞こえてくるインドに関するニュースというと、女性がレイプされて殺されたというような悲惨なものや、また、本作にも描かれるカースト制度(不可触民)や児童の労働・結婚の問題についてなどが多いので、インドとは、常識や人権感覚が私とは違う、安易に立ち入れない国、という気がしてしまう。地元にもインド出身かな?と思うような方達が増えてきて、身近なのだけれど、なんだか遠く感じる存在でもある。
本作はそんなインドで不可触民の子供の為に学校を作ったフランス人女性の話で、伝統や風習の壁に挫折したり、自分がしていることに葛藤(自分がしていることは偽善・自己満足ではないのか?)したり、喜びや使命感を感じたり、自分の生き -
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ネタバレ『三つ編み』に出てくる少女が重要なカギとなる小説。
主人公のレナはある理由でインドへ1ヵ月ほど滞在することになるが、その少女に助けられ、恩返しとして英語を教えることになる。そこから文化や言語の壁を乗り越えて仲間も集めて学校を立てることになるが、様々な試練が待ち受ける。
三つ編みと同様女性に対する差別や格差について言及する描写が多く、インドでの状況を細かく知ることができる。主人公が女性を守る集団リーダーであるプリーティに会うことになるが、本当に存在するのであればインドも少し変わってきているのだなと思った。インドならではの風習で女性が若くして結婚させられたり、女性の教育は必要ないといった固定概念が -
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Posted by ブクログ
敏腕弁護士のソレーヌは、敗訴したクライアントが見の前で飛び降り自殺をしたことから神経を病んてましまい、弁護士事務所を休職している。医師の勧めで、女性の保護施設でボワンティアとして代書人をすることになる。エリートとして自信満々だったソレーヌからは想像もしていなかった最下層の女性たち。それぞれの辛い過去からの自立を目指す彼女たちと触れ合うことで、ソレーヌ自身も自分を取り戻していく。
この施設を1925年に女性の保護施設にした救世軍の女性の顛末が、現代のストーリーの間に挟まれているが、二つの物語を並べる効果があまり感じられない。現代の彼女たちだけでも良かったのではないか? -
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