齋藤可津子のレビュー一覧

  • 彼女たちの部屋

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    デビュー作『三つ編み』で心を深く揺さぶられた作者の長編第2作。女性保護施設でボランティアをする女性弁護士と、その施設を創設した実在の救世軍夫妻の姿を交互に描く。現代編の想像を超えた悲惨さに絶句するが、1920年代にこの施設を作ったペイロン組にも驚かされる。彼らを動かす“他者のために”という強い気持ちはすごいなと思う。自分には何ができるだろうかと考えさせられた。

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    2020年07月05日
  • 30年目の待ち合わせ

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    3.6 まああり得ない現代のお伽話。運命の相手はいると信じたい人には、素敵な話。人としての美しさは、年齢だけでは決まらない。

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    2024年05月03日
  • 滅ぼす 下

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    上よりサクサク読めた。大きなストーリーではなく、個人の物語と集約されていくのは面白かった。テロの話とか全然解決されてないけど人生そういうもんだよね

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    2024年04月14日
  • 滅ぼす 上

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    ネタバレ

    X(旧Twitter)で頭が良さそうな人が皆読んでたので読んだ。フランス次期大統領戦の最中、謎のテロリストが台頭し、経済大臣の秘書の回りの人達の色々を書いた話。フランスの小話と、各登場人物の考えを細く散漫に書いているのでXのTLを見てるかのような印象だった。まだ下を読んでないけど、ボールとブリュダンスが仲良くなって、オーレリアンが無事に離婚できるように応援する

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    2024年03月05日
  • 滅ぼす 上

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    上巻は、珍しくいつもの強烈な性的描写なし。政治的描写も少なめ。老いた父、疎遠の兄妹、夫婦の話だけで淡々と進む。上巻だけでの評価はできない。下巻でどうなるか。

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    2023年08月12日
  • 三つ編み

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    女性が抱える問題をテーマにして立場の違う三者から照らした小説。存在を軽んじられている彼女たちを見て心が痛くなると同時に自分にも何処か身に覚えのあるところが多々。
    その中で一際女性の扱いが酷かったインド。しかし、あとがきで日本のジェンダーギャップはインドよりもランキングが低いとあって驚いた。
    テーマは壮大で重要なものなのに、文に力がない気も。資料のように淡々とした文章で、元からこういう文体なのか翻訳のせいなのか気になる。

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    2023年05月21日
  • 彼女たちの部屋

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    SL 2023.3.16-2023.3.18
    パリの女性会館はおろか、救世軍のこともほとんど知らなかった。100年前から社会から排除された女性たちに屋根を与えようとして奮闘した人たちがいた。それは現在に続く闘い。そしてこれからも終わることのない闘いだということがある意味哀しい。
    自分にできること、あるはずだけどできていないことに恥入るばかり。

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    2023年03月18日
  • 三つ編み

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    小説としては、けしてつまらなくはないが、正直普通。だけど、テーマのわかりやすさとこのくらいの分量が広めるのに適しているのだろう。

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    2023年03月12日
  • あなたの教室

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    聞こえてくるインドに関するニュースというと、女性がレイプされて殺されたというような悲惨なものや、また、本作にも描かれるカースト制度(不可触民)や児童の労働・結婚の問題についてなどが多いので、インドとは、常識や人権感覚が私とは違う、安易に立ち入れない国、という気がしてしまう。地元にもインド出身かな?と思うような方達が増えてきて、身近なのだけれど、なんだか遠く感じる存在でもある。
    本作はそんなインドで不可触民の子供の為に学校を作ったフランス人女性の話で、伝統や風習の壁に挫折したり、自分がしていることに葛藤(自分がしていることは偽善・自己満足ではないのか?)したり、喜びや使命感を感じたり、自分の生き

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    2023年03月02日
  • あなたの教室

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    ネタバレ

    『三つ編み』に出てくる少女が重要なカギとなる小説。
    主人公のレナはある理由でインドへ1ヵ月ほど滞在することになるが、その少女に助けられ、恩返しとして英語を教えることになる。そこから文化や言語の壁を乗り越えて仲間も集めて学校を立てることになるが、様々な試練が待ち受ける。
    三つ編みと同様女性に対する差別や格差について言及する描写が多く、インドでの状況を細かく知ることができる。主人公が女性を守る集団リーダーであるプリーティに会うことになるが、本当に存在するのであればインドも少し変わってきているのだなと思った。インドならではの風習で女性が若くして結婚させられたり、女性の教育は必要ないといった固定概念が

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    2022年12月19日
  • あなたの教室

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    「三つ編み」が良かったので、レティシアさんの本を読んでみたいと思った。
    インドは世界最大の児童労働市場。
    他にも、不可触民のような階級の問題、女性差別、児童労働、児童婚など、問題が多数あるように感じる。
    フランス人は、衝撃を受けると思う。
    レナを応援したい。
    あとがきも良い。
    SDGsのコーナーに置きたい本。
    (たくさん含まれている)

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    2022年11月15日
  • あなたの教室

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    フランス人教師のレナは、ある出来事が原因で教師を辞め、気分転換のためインドを訪れていた。そこで彼女を襲った悲劇から救ってくれた少女と、レッド・ブリゲイドと名乗る集団を率いるリーダーと知り合う。2人はインドにおけるカースト最下位の〈不可触民〉だった……。
    『三つ編み』のあの子も登場し、不可触民の女性として生まれた悲劇が描かれる。どんな環境にあっても明るく元気で学習意欲が旺盛な子供たちの姿がいじらしい。

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    2022年09月29日
  • アポカリプス・ベイビー

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    手にとって「う、前回読んで苦手だった人だ」と思った作者で、前作よりは読みやすかった。粗筋は15歳の少女の失踪を巡り、家族、仕事として捜索に関わる探偵たちの一人一人が抱える闇を全世界に向けて披露しますぜ、って感じですか。多分作家自身もいいとこの育ちで、一般人よりもより色濃く、偽善者による偽善発言を浴びて生きてきたんだろうとは思うけども。なーんだか、乱暴なんだよね。やっぱ背景(ここではヨーロッパの情勢)がよくわからない人に対しても、伝えたい物が生きるような、いわゆる周りの編集者の動きが重要なんではなかろうかな。

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    2022年04月25日
  • 三つ編み

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    ネタバレ

    カースト制度の底辺の生業から逃れようとする様子、男社会で歯を食いしばり、癌と闘う様子は苦しくなるくらい克明に描写されていた。
    イタリアの主人公だけ、他の2人と比較するとやや夢物語のような印象は受けた。
    三つの人生が重なりながら進むため、苦しい描写がある中でも軽やかに読めたように感じる。
    お腹の中を蝶が羽ばたいている…というようなフレンチらしい独特の比喩表現も楽しめた。

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    2022年01月25日
  • 彼女たちの部屋

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    ネタバレ

    その時の姿形で目の前の人を判断しがちだけど、人間一人一人に目には見えない物語があることを思い出させてくれた。

    ソレーヌが立ち直ってゆく様子も良かったな。


    『傷ついた者の魅力、倒れ、再起した者が持つ魅力がある。』

    この一文が好き。

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    2021年12月19日
  • 30年目の待ち合わせ

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    知性を感じる訳語たちは、訳者のセンスなのか、原文から滲み出るものなのか気になった。

    コミュニケーションツールがこの恋愛に与える影響もとても興味深い。

    こう”すべき”の世界に暮らし始めると、シンプルなことも複雑になっていく。きっと心を置いて吉方へは進めないのだと、この物語を読んで感じた。

    30年(現代だと10年相当辺りだろうか) も待たずに済むように、私は自分の気持ちに素直であろうと思う!

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    2021年10月13日
  • 彼女たちの部屋

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    敏腕弁護士のソレーヌは、敗訴したクライアントが見の前で飛び降り自殺をしたことから神経を病んてましまい、弁護士事務所を休職している。医師の勧めで、女性の保護施設でボワンティアとして代書人をすることになる。エリートとして自信満々だったソレーヌからは想像もしていなかった最下層の女性たち。それぞれの辛い過去からの自立を目指す彼女たちと触れ合うことで、ソレーヌ自身も自分を取り戻していく。

    この施設を1925年に女性の保護施設にした救世軍の女性の顛末が、現代のストーリーの間に挟まれているが、二つの物語を並べる効果があまり感じられない。現代の彼女たちだけでも良かったのではないか?

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    2021年07月08日
  • 30年目の待ち合わせ

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    『花束みたいな恋をした』のすれ違いバージョンのような。ここ30年で出会いや待ち合わせはが大きく変わった。別れはどうだろう。

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    2021年06月20日
  • 30年目の待ち合わせ

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    なんというか日本人とは感覚が違う…というか…。
    結局子供たちがかわいそう。
    自分たちは愛を見つけた?のかもしれないが、子供たちの未来はどうなるのって感じ。

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    2021年05月16日
  • 彼女たちの部屋

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    『三つ編み』のレティシア・コロンバニによる新刊。大きな挫折のあと、保護施設『女性会館』で代書人のボランティアをはじめた弁護士のソレーヌの現代パリターンと、100年前の救世軍のブランシュの過去パリターンが交互に進む物語。さまざまな地域に根付く「女性」に関する問題を提起した作品、救世軍に関してはあまり詳しくなかったのだが、本作を読んでいるうちに興味が出たので、あとで詳しく調べてみようと思った。

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    2020年08月31日