あらすじ
インド、イタリア、カナダで過酷な運命を懸命に生きる3人の女性。彼女たちが闘いを選ぶとき、つながるはずのない物語が交差する。
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Posted by ブクログ
インド、イタリア、カナダに住む三人の女性の物語が、「髪」を通じてつながる。
インド、不可触民のスミタは娘に教育を受けさせようとするが、その願いは潰される。
不可触民、初めて聞いたインドの状況に驚き、何日も心のモヤモヤから、立ち直れなかった。
しかし、スミタは強かった。
命がけであらがう。
イタリアのジュリア 家族の為望まない結婚をせ
まられる。
カナダのサラ 弁護士3人の子供をワンオペ育児
中、癌の宣告を受け、絶望する。
3人の話が、最後に繋がる。
よくぞ描いてくれたなぁ、と思う。
刊行前から、十数か国で翻訳権が売れ、話題になったという。
著者は、映画監督で脚本家、そして女優。
訳者あとがき より
女性の置かれた状況がとりわけ過酷なのがインドだ。
女の子は、生後すぐ殺される地域すらある。
そうでなくても、トイレがないため危険にさらされ、強姦されれば罪人扱い、夫や兄弟が侵した罪を贖うためにも強姦される状況。
寡婦は不吉と忌み嫌われるばかりか、呪いによって夫の死を招いたと、魔女狩り同然の迫害を受ける状況が詳述される。
Posted by ブクログ
交互に進行する3人の大きな決意の物語が
徐々に1つの束、三つ編みになっていく。
インド、イタリア、カナダ
国も文化も言語も異なる見ず知らずの3人が
それぞれがそれぞれの「女性」としての人生の
新たな一歩を踏み出していく。
同じ地球の別の場所で自分と同じ「女性」が
どこかで同じくそれぞれの壁を乗り越えている。
必ず苦悩も希望も分かち合える。
自分は1人ではないと信じさせてくれる作品。
Posted by ブクログ
今年(2024年)読んだ中で一番よかった。
国も文化も異なる3人の女性が三つ編のように絡まり、繋がるお話。
インド編のスミタのお話には続編もあるらしく読みたい。幸せになってほしい。
Posted by ブクログ
12月にして、今年最高の作品と出会えたかもしれない。
インドの不可触民、イタリアの自営業の娘、カナタの有能な弁護士。地理も社会的立場も年齢も全く違う3人の女性の物語が、「三つ編み」をテーマに交差する。
人生の試練に直面したとき、この小説を読み返して力を貰いたい。
Posted by ブクログ
3人の女性になんの共通点も見いだせなかったが、三つ編みの如し、最後は絡まっていく。インド不可触民のスミタの壮絶な脱出劇なくして、髪はサラのところにまで届かなかっただろう。鋼のような心で立ち向かっていたスミタだが、最後、坊主頭ですっきり丸くなったのは、頭の形だけでない、全てを受け入れ後は神に委ねるというシンプルさの象徴でもあったと思う。
ジュリアの恋人、シク教徒のカマルのしなやかさの中に現実的な視点が印象に残った。