中山淳雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
エンタメビジネスは、その「本質」が非常に分かりづらい特徴があると思っている。
形として実態が見えづらく、価値が計りづらい。
法律上は知的財産権の一種となるから、目に見えない財産的価値を持っていることになっている。
しかしながら「果たしてその価値はいくらに相当するのか?」と問われれば、おそらく答えは人によって様々なものとなるだろう。
有名な原作を映像化したものであっても、出演者によっては、原作ファンが離れてしまう場合もある。
そして、出演者の人気は、そもそも水物である。
広く認知されているから、その人が出演すれば必ずヒットするという類のものでもない。
例え認知は狭くても、熱心なファンが一定数いる -
Posted by ブクログ
エンタメ業界で本格的に働き始めて一年。
職場で課題図書的に受け取った一冊。
エンタメ業界の起きている変革と来たる未来を説いてくれる、業界教育本です。
正直業界での日が浅いため、コロナ前後の変化があまり身にしみていないのですが、エンタメの歴史として非常に勉強になりました。
イチ消費者として接していたコンテンツをビジネス側から見ると全く違う景色が広がっていて大変興味深く読みました。
日本のエンタメが巨大ハリウッドや中国相手にどうやって生き抜くのか、その術も警鐘と共に記されていて、仕事をする上で頭に刷り込んでおきたいと思います。厳しいが未来は決して暗くないと思わせてくれました。 -
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エンタメの仕事に興味ある人は読むべき!
幅広い分野かつ歴史も学べる,内容がわかりやすい。
以下、読書メモ。
⭐️興行
一度きりの瞬間を売る期待値商売
作り手と観客のノリが神回を生む
人と空間、能や歌舞伎、演劇も漫才もスポーツも。
源流は奈良時代の伎楽になる、現存する演劇で最古のものは能。600年続くエンタメ。
日本の興行モデルを作り上げた東宝、松竹、吉本。
松竹の歴史、ヤクザを排除。
弱きものが作り上げた、東宝の宝塚と、吉本せいがはじめた漫才。
ハコを乗り換える興行コンテンツ
劇場・テレビからYouTubeへ
2005年にYouTube設立
2011年にヒカキン
2013年にスマホ浸透 -
Posted by ブクログ
アニメやキャラクター、ゲームなどを含むエンタメ産業について、これまでの歴史を辿りながら、ユーザーにとってのニーズの変化、業界の変遷から、今後の課題について包括的に語られている本。トピックに合わせたのかピンク色のカバーが安っぽいイメージを抱かせているが、中身はこれでもかという分析が社会学や経営学、心理学など様々な視点から書かれている硬派な内容となっている。
現代のエンタメ市場は、ユーザーの行動はこれまでの「萌え」から本書のタイトルにもある「推し」に変化しているという。萌は内的な体験であるのに対して、推しは自己表現を伴う外的体験である。宝塚やジャニーズのファンに見られた「推し」という行動は、今や -
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現代、現在のエンタメと社会現象を整理した論文書!
論文と言ってしまうと堅苦しく感じるかもしれませんが、取り上げているコンテンツが身近なものばかりで難しい説明もなく明快痛快で読みやすい。
普段触れているゲーム、マンガ、アニメ、ドラマなどのエンタメビジネスの持続可能な究極はIPビジネスだとよくわかります。そのゼロ→イチをどう生み出すか?
この本には書かれてないのと、飛躍しすぎてる発言ですがキリストやブッダはまさにIPの元祖かもしれません。(それ以上の発言控えます)
人は偶像に惹かれる生き物なんだなーということを読書しながら考えていました。
まあとにかくエンタメとビジネスに関する紐解きに頷きっぱなし -
Posted by ブクログ
『推しエコノミー』『オタク経済圏創世記』の著者であるエンタメ社会学者 中山淳雄氏が、伝説的なヒット作を生み出した6人のプロデューサーに直接インタビューして、伝説のヒット作を生み出した思考回路に迫る一冊。
13年間ヒットが出せなかった土屋さんや、実はマンガが好きじゃなかった鳥嶋さんなど、ヒットを出すまで(出してからも)の苦節は様々。
それぞれの方の考え方や取り組む姿勢には学ぶべきものが多いにある。
鳥嶋さんの「ユーザーを見てクリエイター(作品)を育てる」などは、ビジネスの現場では、部数、売上、利益などにフォーカスしてしまいがちな中、当たり前のことであるだけに、しっかりと心にとめておきたい。
一方