中山淳雄のレビュー一覧
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エンターテイメントビジネスの最前線で事業を営んでいた著者自らが、ビジネスの経験をベースにアカデミックな視点も交えて今後のエンターテイメントビジネスの地殻変動を説明する良書。
白眉は第2章の『「萌え」から「推し」へ、ファンの変化からみる「風の時代」』である。本書のタイトルにもなっている「推し」という現象をビジネスの観点から眺めた考察に富んでいる。「推し」とは一言でまとめれば、そのコンテンツに対して自らの有限な時間資源を投下することに対して、なるべくそのコンテンツを享受できる時間を最大化させる、というコンテンツ提供者・受益者の双方の暗黙の同意に基づくコンテンツのやり取りである、と自身は理解をした -
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アニメ・マンガ・ゲームを中心に、日本と世界のエンタメ産業を取り巻く経済について書いた本。特におもしろかったのは、オタクカルチャーが「萌え」から「推し」へどのように変化していったのかを解説している第2章。今や推し活はアイデンティティの表明だという話、何かを推すことは消費ではなく表現だという話、だからこそ発信リテラシーが問われるという話は本当にその通りだなぁ。オタクの行動を経済の観点から客観視できて新鮮だったし、ライブコンテンツの「運営」についても考えることができた。
【読んだ目的・理由】エンタメ産業に興味があったから
【入手経路】買った
【詳細評価】☆4.0
【一番好きな表現】個人的な趣味活動 -
Posted by ブクログ
この本から
「今の時代に必要なコンテンツの生み出し方、広げ方」
を学んだ
1. 複数のメディアミックスを持つ
-趣味嗜好が分散された社会で同時代性を演出するには複数のプラットフォームを活用し、消費者とコミュニケーションすること
◎ポケモンはこれが上手いからキャラクターコンテンツで最も市場規模がデカい
-流行を維持し続けることは難しいゆえにコンテンツを様々な角度で提供し続け、忘れない存在になる
◎ポケモンは流行ってはないが、未だに売れ続けている
2. 愛着が湧く設計(ストーリー、余白)
-ストーリーを生み出し、愛される
◎鬼滅の刃の鬼達が愛される理由
-余白を生み出し、ユーザーをイン -
Posted by ブクログ
サブカルチャー、オタクカルチャーと言われる超日本的な文化商品が海外に受け入れられたのは、単純にインターネットの普及によるデジタル化が要因だろうと思っていたのだが、背景には緻密なプランニングがあったという。
10年ほど前にはオワコンとも言われたプロレスが今北米でも人気となっていたり、バンドリの成功事例などが語られている。
アメリカで生まれたアニメーション映画が、日本では独自のアニメとして発展した項目も紹介されていたのだが、その部分は江戸時代の浮世絵の分業体制と基本は同じではないかと感じてしまった。結局は日本人の基質って昔から変わってないのかなと。
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Posted by ブクログ
会社で読むことを推奨されたので。
この本に書いてあった内容は今現在私が持っているSGに対する認識とそう変わりはなく、だからこそ私が持っていた認識は意外と的を射ているのではないかと思うことが出来た。
元々、コンシューマゲームをずっとやり続けて身からすると、ソーシャルゲームはゲームとはついているものの、今までのコンシューマゲームとは全く別のものであり、それはどちらかというと、パチンコやスロットなどに近く、またそれを開発する側もクリエーターというよりは、アナリストやエコノミストという立場に近い。
コンシューマゲームとは全くの別物という認識を再確認出来たことにより、僕のコンシューマゲームに対する思