中山淳雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『推しエコノミー』『オタク経済圏創世記』の著者であるエンタメ社会学者 中山淳雄氏が、伝説的なヒット作を生み出した6人のプロデューサーに直接インタビューして、伝説のヒット作を生み出した思考回路に迫る一冊。
13年間ヒットが出せなかった土屋さんや、実はマンガが好きじゃなかった鳥嶋さんなど、ヒットを出すまで(出してからも)の苦節は様々。
それぞれの方の考え方や取り組む姿勢には学ぶべきものが多いにある。
鳥嶋さんの「ユーザーを見てクリエイター(作品)を育てる」などは、ビジネスの現場では、部数、売上、利益などにフォーカスしてしまいがちな中、当たり前のことであるだけに、しっかりと心にとめておきたい。
一方で、こういった天才、巨匠をしっかりと生み出すための組織の許容度がとても重要だと思った。
そして、中山氏が主張するこれからのエンタメビジネスの成長のためには、やはり世界を見据える必要があるし、そのための方法論としては欧米にあこがれるだけではなく東南アジアや近隣のアジア圏で展開を進めていくことも必要だと思う。 -
Posted by ブクログ
エンターテイメントビジネスの最前線で事業を営んでいた著者自らが、ビジネスの経験をベースにアカデミックな視点も交えて今後のエンターテイメントビジネスの地殻変動を説明する良書。
白眉は第2章の『「萌え」から「推し」へ、ファンの変化からみる「風の時代」』である。本書のタイトルにもなっている「推し」という現象をビジネスの観点から眺めた考察に富んでいる。「推し」とは一言でまとめれば、そのコンテンツに対して自らの有限な時間資源を投下することに対して、なるべくそのコンテンツを享受できる時間を最大化させる、というコンテンツ提供者・受益者の双方の暗黙の同意に基づくコンテンツのやり取りである、と自身は理解をした。そうした「推し」原理でのコンテンツビジネスを最大化させるためには、このコンテンツは未来永劫に続く(と思わせる)という安心感をファンに与えつつ、長く楽しんでもらえるための”運営”(ソシャゲで使われる意味合いが最も近い)によるLTVの最大化がビジネスへの要請となる。
余談であるが冒頭に収められた製作委員会のカネの流れの模式図は非常に良くできていると思う。以前にアニメの政策委員会の仕組みを把握すべく業界エキスパートに相当なインタビューを行ったことがあるが、そこから苦心して得られた全体像の理解と非常に近似したモデルが説明されており、「この本がその当時にあったら・・・」という思いを持った。そういう点でも、エンタメビジネスの人にとって色々学べるところは多い一冊であると思う。 -
Posted by ブクログ
アニメ・マンガ・ゲームを中心に、日本と世界のエンタメ産業を取り巻く経済について書いた本。特におもしろかったのは、オタクカルチャーが「萌え」から「推し」へどのように変化していったのかを解説している第2章。今や推し活はアイデンティティの表明だという話、何かを推すことは消費ではなく表現だという話、だからこそ発信リテラシーが問われるという話は本当にその通りだなぁ。オタクの行動を経済の観点から客観視できて新鮮だったし、ライブコンテンツの「運営」についても考えることができた。
【読んだ目的・理由】エンタメ産業に興味があったから
【入手経路】買った
【詳細評価】☆4.0
【一番好きな表現】個人的な趣味活動であるはずのエンタメは、SNS社会を通して互いに非政治的に(見えるが実は政治的な)アイデンティティを表明しあう、アナログとデジタルの良さを両にらみで味わい続ける、社会的な消費活動・参加活動なのである。(本文から引用) -
Posted by ブクログ
この本から
「今の時代に必要なコンテンツの生み出し方、広げ方」
を学んだ
1. 複数のメディアミックスを持つ
-趣味嗜好が分散された社会で同時代性を演出するには複数のプラットフォームを活用し、消費者とコミュニケーションすること
◎ポケモンはこれが上手いからキャラクターコンテンツで最も市場規模がデカい
-流行を維持し続けることは難しいゆえにコンテンツを様々な角度で提供し続け、忘れない存在になる
◎ポケモンは流行ってはないが、未だに売れ続けている
2. 愛着が湧く設計(ストーリー、余白)
-ストーリーを生み出し、愛される
◎鬼滅の刃の鬼達が愛される理由
-余白を生み出し、ユーザーをインタラクティブに介在させる
◎ゲームがアップデート式になった理由
-物語の体験がその瞬間のみで消化しきれず、追加で深く味わう残余行動
◎君の名はのヒット理由(複数回見に行く、聖地巡礼)
3. コミュニティ形成
-モノ消費からコミュニティ消費へ
└他人と感情を共有したい、他人を応援したい
◎AKBのCD握手券販売のヒット要因
【NA】
・多方面のチャネルを活用し、プロモーションする
└twitter, note, youtube, stand.fm, イベントなど
◎キンコン西野はこれができている
・余白をさらけ出せる人になる
└自分の弱みを愛する、弱みを開示する
◎あえてアプローチ法を言わないでおくのが体験価値を生むのでは??言わないでおこう。
・自分のストーリーをさりげなく語る
└キャリア支援を行ってる理由、自分の意思決定の背景、将来像
・完璧な価値提供をし切らない
└相手に課題を残す、自身の全部を開示しきらない
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Posted by ブクログ
サブカルチャー、オタクカルチャーと言われる超日本的な文化商品が海外に受け入れられたのは、単純にインターネットの普及によるデジタル化が要因だろうと思っていたのだが、背景には緻密なプランニングがあったという。
10年ほど前にはオワコンとも言われたプロレスが今北米でも人気となっていたり、バンドリの成功事例などが語られている。
アメリカで生まれたアニメーション映画が、日本では独自のアニメとして発展した項目も紹介されていたのだが、その部分は江戸時代の浮世絵の分業体制と基本は同じではないかと感じてしまった。結局は日本人の基質って昔から変わってないのかなと。