山口つばさのレビュー一覧
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購入済み
やった〜すごい
何かか足りない、何かがわからない。そんなジレンマに立ち向かって掴む、最高。きっとあなたにも一度はあるだろう。
一気に読めて主人公に感情移入できたのは、作者に経験があるからでしょう。 -
Posted by ブクログ
今までのいろいろな場面が連鎖的につながって自分にとっての「ありのまま」が八虎の脳裏に降りてきた、その瞬間。次の一手が一気に浮かび上がって気付いたらスケッチブックに油をぶちまけていた、あの瞬間が、気持ち良くてたまらなかった。
八虎と一緒に、ひらめきと連想の脳の発火を疑似体験したあの感じ。まるで自分自身が暗闇から何かを手繰り寄せたような快感に襲われて、鳥肌が立った。
絵を描くことで、見ている世界を、自分自身を再定義する。描きたい衝動を掻き立てる、そんな巻でした。どうか八虎が競争の螺旋に飲み込まれず、見つけた楽しさを忘れずに絵を描き続けられますように -
Posted by ブクログ
同じ方向を向いている多くの「同志」と出会い、
「親」としっかりと向き合って、歩を進める八虎。
それぞれに思惑がありそれぞれに足掻いて進もうとしてる。
でも何も明確な基準がない「美術」の世界は
深くて遠くて得体が知れなくて怖くて、
時に悩んだり人に八つ当たりをしてみたり。
それでも突き動かされて前を向く若者たちの熱さよ…。
佐伯先生といい、予備校講師の大葉さんといい、
この作品は指導側にいる人のキャラクターがいいなぁ。
認め、教え、きっちり泳がせてくれる感じ。
こういう人が指導側にいると、人は伸びるのかも。
勉強する側の若いキャラクターとの対比が面白いです。 -
Posted by ブクログ
東京藝大の二次試験とその合否が語られる巻。3日間掛けて油絵を1枚仕上げる中のストレス、葛藤、そして成長が描かれている。
今巻では主人公のライバルであり友人(?)である“天才”世田介くんの「自信なんかないよ。事実だから、俺が絵が上手いのは。(中略)矢口さんはご飯食べたりうんこしたりするの。褒められたらソレに自信持てるの?俺は無理なんだけど。」が響く。
そう、上手い人にとって“上手いこと”は当たり前なのだ。その先の世界を覗けるか、表現できるかが、すごい人になれるかの分水嶺だ。そして主人公の成長に真っ先に気付くのも、その天才なのがグッとくる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公のOLと彼女に拾われ、チョビと名付けられた猫の日常は、一見するとどこにでもあるような極ありふれたものです。
彼女のことが大好きなチョビは、彼女との暮らしに満足しつつも、母親の再婚や仕事上のミスなどで寂しさや焦りを感じ、少しずつ傷ついていく彼女の心の変化を敏感に感じ取り、その身を案じますが、猫である故にどうすることもできないもどかしさを感じます。
ある日、いよいよ煮詰まった彼女が家を出て行ったときには、その所在を探し当てるという奇跡を起こします。まぁ、この奇跡にはタネがあったのだけれども(笑)
あまり多くを語らず、静かに綴られる彼女と猫の物語に好感を覚え、さすが新海誠の作品だと感じま -
Posted by ブクログ
八雲の過去編
お金ない中でどうやって藝大に合格できたのか知ることができてよかった
ひたすらバイトして描いて勉強して繰り返したんだなあ
上手に描くより、足りないのは見てる量
描き方を誰かからパクってない?
(技術を盗むのはダメではないけど、自分の感覚に合った描き方ができてるか?自分の描きたいのための技術で描けてるか?って台詞かなって解釈した)
樽のかわいさって本当にこの描き方が1番発揮できてんのかな?
この配置でこの塗り方で、それが1番自分にとって可愛いか?
自分が描きたいもののために技術がある
そのための技術を知るために勉強を積み重ねることが大事なんだと思えたやりとりだった
個人的な感覚と